朝焼け
朝、気付くと1人でベットに寝ていた。
(夢だったのかな…)
そんな事を思っているとドアが開いた。
「よお、体大丈夫か。」
「うん、まだちょっと痛い。」
美香は処女だった。
「お前入れるまで何も言わねぇんだもん。ちゃんと言えよそう言う大事な事は。」
ベットに腰掛け頭を撫でてくれる。
「大したことじゃないと思ってたの、昨日は。でも大したことだったね。凄く痛かった。」
「だろうよ。俺ヒヤっとしたんだからな。」
優しく撫でる手は止めなかった。
「優しいんだね、男の人ってみんなこうなの?」
「ん?知らねー。俺はこうだけどな。人のことなんて分かんねぇよ。」
「そうだね。」
そう言うと浩史に体を寄せた、こんな安心感は初めて感じるものだった。
「同じ教室の結城がね、SEXは信頼なんじゃないかって言ってたの。なんか少しだけ分かった気がした。」
「ふーん、よくわかんねぇけどさ。お前そうやって人に甘えたのいつぶりだよ。俺にもいつもなんか壁作ってたし、変な女ってずっと思ってたんだからな付き合ってから。」
「甘える」よく分からない感覚のひとつだ。
「私ってそんなに変だった?これでも真剣だったんだよ?」
「お前はそうやって何でも真剣になりすぎるから良くない。」
そう言うと両手で美香の頬を挟んだ。
「泣きたい時は泣けよ。笑いたい時はちゃんと笑って、怒ったら怒り倒してやれ。楽しい時は思いっきり楽しめよ、お前喜怒哀楽もぶち壊れるほど我慢し過ぎなんだよ。
世の中誰も責任取ってくんねぇけど、やりたいことも自分で決めなきゃできねぇんだぞ。」
美香の目から涙が流れたが、今度は温かい涙だった。
「とりあえずな、お前しばらく俺の事頼れよ。頼られないって寂しいもんなんだぞ。」
「頼り方が分かんない…」
美香は子供みたいに泣き出した。
「アホか、分かったよ俺が教えてやるから、な?安心して俺のこと好きでいろよ。」
そう言うと美香を強く抱きしめた。
美香はしばらく浩史にしがみついて泣いた。