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星降る世界で……  作者: 弓咲 岬
三章 旅をしてみよう(国内で)
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四十三話 サリレの街に……着いた

日を跨いでしまいましたが……許して下さい。

 あと一時間もしない内にサリレへと着く。その前に荷物を準備しておかなければならない。普段はミレナに保管して貰っているが、空間属性は普通に考えてかなり希少だ。伯爵曰く、数百万に一人の確率だと言う。確率的にはリベルターレ国内で数年に一度現れるかどうか。まぁ希少さを比べたらステラもクロエも引けを取らないけど。バレたら色々と大変なのは変わらない。

 そういう意味ではフェルが小さい事を気にしない性格で助かった。それでもちょっとステラたちに意識を集中してたのは否めないけどな。それはご愛敬としておこう。


 ミレナには最初に俺たちの武器を出して、次に俺とステラの防具、最後にそれぞれが小さく纏めたバックパックの順に出して貰った。

 まぁバックパックって言っても中身はそんなに入ってないけど。主に誤魔化す為の着替えが二、三セットだ。あとは水筒くらい。防具だって胸の部分を守るプレートだけだ。ミレナとクロエに至ってはそもそも要らない。


「お兄ちゃん、サリレってどんな感じなんだろうね~!」

「商人の街や活気があるって言ってたし、賑やかなんじゃないか?」

「デート、楽しみにしてるねユートくん」

「楽しみですユート様」


 荷物は一つの場所に纏めてあるので三人ともくっ付いて来ている。のは良いんだが、やっぱり生殺し状態。……我慢だ、我慢しろ。あと二年も……と思うと挫けそうだが、やれば出来る、はずだ。

 先日のあの日からミレナは大分変わってかなり積極的な元の感じに戻っている。それ自体は嬉しいのだが、三人の中で一番成長しているので(どこがとは言わない)色々と柔らかい。後の二人は……ノーコメントで。


 首謀者であるミレナは自覚ありで時々視線を向けて来る。しかもその視線が完全に女性のそれ。色気があり過ぎる。

 まぁ、ステラもクロエもそれぞれの魅力があるのでその……止めてくれませんか? ミレナと張り合うとか良いんで。むしろ止めて頂けるとありがたいです。


「ユートくん、私達をこの街で襲っちゃうの? それとも今襲っちゃう? キャーッ」


 小声でそんな爆弾発言を言ってのけるミレナさん。ねぇ、俺が我慢してるうえでそんな事言うの、止めてくれない? マジでダメージが深いんだ。宿の部屋は別にしようかな……


「宿の部屋を別にしたら問答無用で既成事実を作りに行くから。それと家族に報告するので」


 囁き声でさらに恐ろしい事を言いなさった。ミレナの心を読む能力はいつも通りとして、その後が怖い。ちょっと選択ミスった?

 三人の相手をしながらも着々とサリレへと馬車は進んでいく。




 守衛の人に俺たちは冒険者証を、フェルは商人のを出して無事サリレへ入る事が出来た。ただ当然の如く、ステラたちに視線は釘付けだったが。仕方ない。ステラたちは美少女だしね。注目されるのはオプションだ。


 サリレに入るとなるほど確かに活気が凄い。至る所で露天商が品物を売り、店を持っている商人も売り込みをしている。その所為で煩くはあるが、良い意味で煩いのでそこまで嫌悪感は無い。

 ステラたちも辺りを見ながら目をキラキラさせている。え~と、はいはい。あそこ、あそこ、あれもか。全部覚えるのは無理そうだなぁ。


 さて、フェルの目的地に着いたは良いが、まさか店を持ってるだなんてな。確かにこの街に住んでるとは言ってたが。

 ちなみに店には結構美人の奥さんがいた。二人の会話を聞く限り、仲は良好のようだ。


「フェルさん、お疲れ様でした。最後にこの依頼書にサインをお願いします」

「最後だなんて言わないでくれ。暫くはこの街にいるんだろ? その時はうちの店をよろしく頼むよ」

「ええ。その時は」


 フェルト握手をして奥さんと挨拶を交わしたら店を出る。今日の予定はこの後ギルドで依頼完了の報告をした後、宿を探して時間があれば三人で軽く散策、ってとこかな。デートは明日以降になっている。疲れたままなんて嫌だし。

 まぁ取り敢えずはお昼でも買って食べますか。


 露店で軽く摘まめるものを買って食べ終わったのでギルドへ向かう。と言うか早くここから離れたい。主にミレナが周りにアピールするので温かい視線、嫉妬の視線色々なものを貰い、居心地が悪かった。

 入ったギルド内はアルトネアや王都とそんなに変わらない。まぁ変わり過ぎても困るんだけどね。強いて言うなら商人の数が多いという事くらい。


「すいません」

「はい。冒険者の方ですね。どのようなご用件でしょう?」


 丁度空いていた受付嬢さんに依頼完了を告げ、報酬を貰う。額は大銀貨三枚と銀貨八枚。今回の依頼だと一日五万ルーツ近い。そう考えると少し得が出来るのもこの依頼を選んだ理由の一つだ。

 少し下世話な話であるが今の俺はお金は得られるのなら少しでも多く得たい。国王への借金はそれこそ膨大だし、それでステラたちに心配はあまり掛けたくないんだ。

 報酬は俺たち四人に平等に分けて貰って貯金した。冒険者証はステラたちの分は預かっている。テーブルの所で待ってる様に頼んだのだが、後ろから少し騒がしい音がするので間違いなく絡まれてるのだろう。当然と言えば当然なのだが。

 最後に国王宛てに銀貨六枚を渡す様に手配してステラたちの元に戻る。ただ、やっぱり複数人に絡まれていた。何人か商人も混じってる。


「ユートくん、こいつ等に絡まれて面倒なの」

「待っててくれてありがとう。さて、気にしないでさっさと宿を探そうか」


 ミレナ、ステラ、クロエの順で頭を撫でて皆を伴ってギルドを出ようとすると目の前に俺よりも二回りくらいの大男が立ち塞がった。


「まぁ待て。お前は彼女たちの何だ」

「婚約者ですが、それが何か?」

「全員とか?」

「ええ、全員です。それと教会で婚約を交わしましたので解消なんて無駄ですよ」


 大男は俺の返答を聞いてステラたちを見るが全員が嬉しそうにはにかんでいたので少し頬が引き攣っていた。拳もプルプル震えている。


「そういう訳なので失礼しますね」


 大男の脇を抜けてギルドを後にする。ステラたちも当然の様に抜けてそれぞれがぽわぽわしている。どこか上の空だ。それでもついて来るのにはちょっと驚いた。

 ステラたちには後で話を聞くとして次は宿を探さないとな。想定外の事があって余計に疲れた。今日は散策は出来そうに無いかな。馬車の移動での疲れもあるし。


 そういう訳で話を聞きながら宿を探すと〈旅人の宴〉という宿が見つかった。値段も一泊大銅貨三枚とお手軽だ。

 その宿屋はギルドから少し距離があるが、それくらいならむしろ絡まれにくくなって万々歳だ。それに少しくらいの距離と言っても俺たちにとっては全然ない。伊達にアルトネアの街を走っていた訳ではない。こういう所で分かるのは何とも複雑だが。

 受付の女性に三人部屋でベットは二つと言う条件で頼んだ。ちょっと渋られたが少し多めに払った事で受け入れてくれた。仕方ないだろう? ステラたちが最低納得してくれる条件がこれなんだから。お陰で少し出費が増えた。

 まぁもう慣れたのでどうでも良いんだけど。直ぐに準備をしてくれると言うので少し待つ事にする。俺は酒場となっている一階のテーブルの一つに座った。ステラたちも空いているイスに座るんだが、全員やけにテンションが高い。さっきまでのをまだ引き摺っているのだろうか。


「ミレナ。もしかしてまださっきの事を引きずってる?」

「うん。ユートくんが皆の前で私たちの事を『婚約者』って。すごく嬉しかった」

「……あっそう」

「ユートくんに人前で言ってくれると本当に婚約者なんだって、思えるからすごく嬉しいんだよ。これからはもっと言って欲しいな」


 ミレナは満面の笑みでそう言う。ステラもクロエもうんうんと頷いている。勿論満面の笑みで。まぁクロエの場合は何となく分かる。元々は国王との約束だしね。それは置いといてもやっぱり想われてるって感じたいんだろうか。感じたいんだろうなぁ。


 部屋の準備が終わるまで少し上の空のミレナたちと話しているとここのお手伝いをしていると言う女の子が準備が終わった事を伝えてくれた。


「ありがとう」


 頑張ってくれただろうからチップに銅貨を二、三枚渡す。女の子は笑顔でお辞儀をすると受付の奥へと入っていった。


「じゃあ行こうか」

「ユートくん優しい~」


 何かキャラが崩れてきているので早く部屋に戻ろう。こんな状態のミレナはあまり見たくない。と言うか、早く戻って欲しい。自分の黒歴史を量産する前に。




 言われた部屋には大きなクイーンサイズのベットが。ベットは二つと頼んだはずなんだが……要らぬ気を動かしてしあったようだ。まぁ二つとそんなに変わらないんだけど。一緒に寝るか、一人ずつ一緒に寝るかの違いだけだ。殆ど変わらない。

 あとは簡単な家具だけ。ミレナに武器等を保管して貰って俺はベットに倒れ込む。意外と疲れていて眠気が襲って来るのだが、寝れない。ステラたちが後を追う様にベットに倒れ込んで来た為に。


 ステラは俺の上に。左右にはミレナとクロエ。いつもの布陣ではあるが最近は意識する事が多い為、ちょっと寝れないのだ。少しすれば寝れるんだが……。


「……ユートくん、この後はどうする?」

「疲れたから休もうと思う。皆も疲れてるだろ? 散策は出来ないけど、明日からのデートを楽しめば良いし」

「まぁね。私もちょっと寝るけど夕ご飯前には起こしてあげる」


 ベットに倒れ込んできたらステラとクロエは直ぐに眠ってしまった。馬車での移動はやっぱり疲れてたか。見張りもやってたし……お疲れ様。

 労いの意味も込めて髪を梳くと二人とも嬉しそうに笑みを零した。ミレナが私は? 私は? と訴えて来るのでお望み通りしてあげた。


「えへへ~ユートくんお疲れさま」

「ミレナもお疲れ。それといつもありがとな」


 頬を赤らめたミレナを抱き寄せる。ミレナも応えるようにぎゅっと軽く抱き着いて来た。あとは眠くなるまでデートが終わったらどうするかを軽く話し合って俺は眠った。




 ♈♉♊♋♌♍♎♏♐♑♒♓




 ふふっ、ユートくん寝ちゃった。寝顔可愛いなぁ~。いつも助けてくれてありがとう。それに婚約者なんて……幸せ過ぎるよ。女神様ありがとうございます。

 ユートくん、大好き。これからもずっと一緒にいてね。








あ、最後のは単にミレナの想いを書いただけなので特に意味は無いですよ~


読んでくれてありがとうございます。

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