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第六話 愛に祝福を  後編 Ⅸ

 それから二日後。チャルコ国城門前。


「見送りありがとうございます。まさか、シルフィ様直々に見送ってくださるとは」

「ふん、あんたを見送りに来たんじゃないわよ。メイファに会いに来ただけだから」


 チャルコ国とエステラン国の政略結婚は、怪人アリミーロとその一味の妨害により、全てぶち壊された。結婚式は行なわれず、メロース王子たちエステラン一行は、自国へと帰還するため、早々にチャルコを後にした。

 結果、帝国とチャルコの思惑通り、エステランの政略を阻止できた。これでエステランは、財政難の立て直しに失敗した事になる。

 リックの望む形で、この国での仕事は終わったのである。勿論、忠誠を誓う女王ユリーシアにとっても、望みが叶った事になる。

 そして、任務を終えたリックたち一行は、今日チャルコを発つ。

 荷物をまとめ、リリカたちが乗ってきた、魔法動力機関搭載荷車の残骸を回収し、全員で帝国に帰還するのだ。

 リックたちを見送りに来たのは、シルフィとアニッシュ、そして姫を護衛する騎士たちである。護衛の騎士たちは、後ろに控えているため、シルフィは猫を被らず、素の性格でリックと話している。


「ところでシルフィ様、一つ確認したい事が------」

「あんたの言いたい事はわかってる。結婚しなくて済んだ以上、望みを叶えてやるわ」

「王の説得、どうか宜しくお願い致します」

「勘違いするなよ。あんたのためにやるんじゃない。ユリユリのためって事を忘れるんじゃないわよ」


 シュタインベルガー作戦成功の暁には、姫の力で、チャルコ産ワイン「シュタインベルガー」を、帝国で酒造できるようにして貰う。これは、作戦前にリックがシルフィに頼んだ事である。

 チャルコ王は、愛娘であるシルフィを溺愛しており、彼女が欲しいと言ったものは、何としても手に入れようと動く。彼女の言葉は、王を簡単に動かせるのだ。

 チャルコ国について、出発前、エミリオに説明を受けていたリック。彼はこの事を思い出し、シュタインベルガーを手に入れるため、姫を利用したのである。

 シルフィがチャルコ王に、ワインの製造技術を、帝国へ渡すよう説得する。そうすれば、帝国の土地を使い、シュタインベルガーを大量に生産出来るのだ。シュタインベルガーはただのワインではない。品種改良された、特殊な葡萄を使用する関係上、チャルコの協力を受けつつ、栽培や酒造を学び、生産するしかない代物だ。

 酒造の工程も特殊なため、葡萄を手に入れただけでは作れない。チャルコの協力は不可欠である。そうしてシュタインベルガーで稼いだ資金を、帝国軍の軍備に充てて、兵士の装備更新を進める。

 このために、結婚阻止の作戦は実行された。そしてシルフィは、約束は守ると言っている。全て完璧だ。


「見送りありがとね、アニッシュ君♪」

「いえ、皆さんにはお世話になりましたから」

「達者でな、坊主」

「応援しています。君が騎士になれる事を」

「ロベルトさん、レイナさん。道中の無事を祈っています」


 一方、リックとシルフィが秘密の話をしている中、他の者たちは、アニッシュの見送りを受けていた。


「見習い卒業できるよう、頑張るんやで」

「君ならなれるさ。ふふっ、私も応援しているよ」

「ありがとうございます。必ず、一人前の騎士になって見せます」


 アニッシュがリックを倒して以来、彼は皆の人気者である。

 姫を助ける勇敢な見習い騎士。そのかっこよさに、皆が彼を認めたのである。


「一人前にならねぇと承知しねぇぞ。誰がお前を鍛えたと思っていやがる」

「クリスティアーノさん。あなたには、本当にお世話になりました。この御恩は決して忘れません」

「恩返し目当てに鍛えたわけじゃねぇ。お前があまりにも弱いのが、何となく気に入らなかっただけだ」


 相変わらず口調が乱暴で、厳しい言葉を放つクリス。

 だが、アニッシュは知っている。雷を操り、電光石火の斬撃を放つ、この青年剣士の、面倒見の良さを。


「いつか・・・・・・、僕が一人前の騎士になったら。もう一度、戦ってもらえませんか」

「俺を楽しませる位になったら考えてやる。まあ、そんな日は来ねぇがな。お前が騎士になる頃には、俺は大陸最強の剣士になってるだろうぜ」


 大陸最強の剣士を目指すクリス。

 彼ともう一度戦い、彼を超える。それが出来れば、自分は、シルフィを守れる騎士になれたとわかるだろう。だからこそアニッシュは、彼との再戦を望む。


「クリスティアーノさん--------」

「クリスだ」

「えっ・・・・・・?」

「クリスでいい。これからはそう呼べ」


 自分が認めた者にだけは、クリスと呼ばせる。中には、許可も得ずに、そう呼ぶ者もいるのだが・・・・・・。

 クリスは一人の男として、少年の事を認めたのである。


「クリスさん。僕は必ず、あなたを超えて見せます!」

「精々頑張りな。その時が来たら、完膚なきまでに叩き潰してやるぜ」


 この約束が果たされる時は、いつか訪れるのだろうか。

 青年と少年が再戦を誓い合い、とうとう、出発の時刻が訪れる。


「リック、準備は完了した。出発するぞ」

「メッシー、ユリユリによろしく言っといてね」


 メシアがシルフィに挨拶し、全員がアニッシュたちとの別れを惜しむ。


(メッシーって・・・・・・、ネス湖の巨大生物じゃないんだから、もう少しまともな愛称考えないのかな)

「あんた今、私に対して失礼な事考えなかった?」

「いっ、いえいえ!シルフィ様に失礼な事を俺が考えるわけないじゃないですか、ははは・・・・・・」

「どうせ、メシア団長の呼び方について文句があったのでしょう。ご主人様はそういう男です」

「ちょっ!何でわか・・・・・、はっ!?」


 メイドに心を読まれ、姫に睨まれる。

 この二人に対して、普段のリックは言い返す事も出来ない。言わば二人は、彼の天敵である。


「あんたが私にやった事、忘れないから。今度来たら、たっぷり苛めてやるわよ。メイファと一緒にね」

「・・・・・・訪れる用事がないよう祈ります。では、俺たちは出発します」

「お元気で、フローレンス参謀長」

「じゃあなアニッシュ君。全員、出発するぞ」


 見習い騎士の少年と、七歳の姫殿下。そして、護衛の騎士たちに見送られ、一行は出発する。

 目指すのは勿論、帰るべき場所、ヴァスティナ帝国だ。






 それからしばらく経った。

 帝国軍参謀長執務室では、いつものように、書類整理に取り組むリックの姿がある。

 道中何事もなく、無事に帝国へ帰還した、リックたちを待っていたのは、宰相マストールのお説教であった。内容は当然、リリカが盗み出した、シュタインベルガーについてである。

 火山の大噴火の様な怒りを露わにし、全員その場で正座させて、何時間も説教。関係ないロベルトたちや、アングハルトも巻き込まれ、延々と怒鳴られ小言を言われ、帰国してすぐは最悪であった。ちなみに、エミリオたちは、リックたちが戻るよりも前に、十分説教されたという。

 そんな事がありはしたが、今は全員、それぞれの仕事に就いている。

 リックは、いない間に溜まっていた書類の整理。レイナとクリスは鍛錬。シャランドラは工場で研究。エミリオは軍の編成確認。ゴリオンはヘルベルトやロベルトたちと共に、兵士の訓練を手伝っている。イヴは射撃練習に勤しみ、メイファはメイド仕事に精を出す。

 宰相マストールは政務を行なっている。そして、リリカは今、休憩中の女王ユリーシアと、お茶を楽しんでいる時間だ。


「すみませんメシア団長。もうすぐ整理が終わりますから」

「慌てる必要はない」

「いいえ、せっかく二人っきりの鍛錬に誘ってくれたんです。頑張って終わらせますよ」


 執務室にはメシアもおり、リックの仕事が終わるのを待っている。

 彼女はリックに、久々に訓練でもどうかと誘ったのだ。これも当然なのだが、リックは即賛成し、普段ならばやる気が起きない書類整理に、積極的に取り組んでいる。


「そんなに私と鍛錬がしたいのか?」

「当り前ですよ。尊敬する女性の誘いを断るなんて事、絶対しませんから」


 満面の笑顔を浮かべながら、書類を片付けていく。憧れの女性に誘って貰った事が、嬉しくて仕方がないのだ。


「わからない。私を尊敬する理由はなんだ?どうしてそこまで嬉しがる」

「そっ、それはその・・・・・」

「私の事が好きなのか?」

「っっっ!?!?!?!?」


 真顔で、しかも直球で聞いてくるメシア。彼女は冗談で言ってはいない。本気だ。

 真意を確かめようとしてか、執務用の椅子に腰かける、リックの目の前まで近付く。距離は一メートルもない、至近距離である。息遣いが聞こえる程の至近距離で、リックの瞳をじっと見つめた。

 憧れの女性であるメシアに、あまりにも近い距離で見つめられ、どうしていいかわからず硬直する。緊張のせいで、心臓の鼓動が速まり、恥ずかしさに頬を赤らめてしまう。


「わからない」

「なっ・・・・・・何がですか?」

「私には、愛というものがわからない」

「急にどうしたって言うんですか。メシア団長らしくないですよ」


 こんな事を聞かれたのは初めてだ。

 出会って間もなく、私を女として見るなとは言われた。そんな彼女が、急に何を思ったのか、リックにはわからない。今回チャルコに行き、何か思うところがあったのかも知れない。

 アニッシュとシルフィの関係を見て、愛に目覚めたとでも言うのだろうか?


(それなら滅茶苦茶嬉しいぞ!アングハルトには悪いが、告白してしまうかも知れない)

「お前はどうして私を好く。何故嬉しいのだ?」

「どっどっどうして俺の考えてることがわかるんですか!?魔法か何かですか!」


 彼女にはいつも、心の中を読まれてしまう。出会った時からそうだ。

 本人は、魔法を使えないと言っていたが、いい加減、そのトリックを教えて欲しいと思うリック。今日という今日は、もしかすると教えて貰えるのかも知れない。


「一言で言うならば、直感だ」

「直感!?魔法じゃないんですか、その心を読むやつは!?」

「そうだ。相手を観察し、直感で心の中を読んでいるだけだ」

「観察・・・・・・?相手の挙動や何やらを観察してるって事ですか?」

「人間は、内で考えている事が外にも表れる。私はそれを見て、相手の考えている事を言い当てているだけだ」


 だからこそ彼女は、以前イヴが、初めて帝国に足を踏み入れた時、リックに警告出来たのだ。イヴの内心を読み取り、敵だと判断したという事なのだろう。

 彼女の言う事が本当ならば、かつての業火戦争の時、貴族たちの差し金で情報が漏れていたのを、彼女がどうやって突き止めたか予想出来る。味方の騎士や兵士を、彼女が全員調べたのだ。そうして裏切り者を排除した。排除の方法は不明だが、ともかくそうして、情報の流出を防いだのだろう。

 しかし、イヴは内心を、完全に隠していたはずである。どうやって読み取ったというのか、いや、読み取れたというのか、全く謎だ。


「目は嘘をつけない。息遣いや歩き方だけでも、私には相手が何を考えているかがわかる。あくまで直感ではあるがな」

「俺・・・・・・、これから絶対メシア団長に嘘つけませんね」

「お前は特にわかりやすい。これからは気を付けろ」

「はい・・・・・・」

「だが、それがお前のいいところだ」


 優しく微笑む。まるで女神の様だ。

 彼女の優しく美しい微笑み。それを見ただけで、心の中の全てが、洗い流されるようだ。吸い込まれるような美しい瞳が、リックの瞳を真っ直ぐ見詰める。瞳から目が離せない。ずっと見ていたいと思ってしまう。


「聞かせてくれ、愛とはどういうものなのだ?」

「それは・・・・・・、クリスとかイヴが俺を好くような感じかと・・・・・・」

「他には?」

「あとは・・・・・・、リリカがレイナを可愛がるのもそれに近いのでは・・・・・・」

「そうなのか。ならば、私がお前の面倒を見るのは、愛しているという事なのだな」

「そうなんじゃないですか・・・・・・。って、えええええええええっ!!!??」


 盛大な勘違いをしてしまった騎士団長に、これまでにない位の衝撃を受けたと思う、リクトビア・フローレンス現在十九歳。

 彼女が何を考えているのか、全く謎だ。今までどんな生活を送ってこれば、そのような考えに至るというのか。本当に戦いしか知らないのだろう。でなければ、女を捨てたなどとは言わないはずだ。


「落ち着いて下さいメシア団長!!マジで落ち着いて下さい!!」

「お前が落ち着け。深呼吸しろ」

「はっ、はい!・・・・すうーー、はあーーー・・・・・」

「落ち着いたな」

「何とか・・・・・・」


 心臓がばくばくと早鐘を打っているが、何とか、表面上は冷静さを取り戻す。顔は真っ赤に染まってしまっているが・・・・・・。

 愛の告白を、面と向かってされたようなものだから、赤面して当然だ。しかも、こんな女神のように美しい女性にである。赤面しない方がおかしい。


「そうか、これが愛というものなのか。ならば、これから私はどうすればいいのだ?」

「どうするもこうするも・・・・・・」

「何かしなくていいのか?」


 何かしたくてたまらないのだろうか。質問の回答を求め、リックへと迫る。

 逃げられない。目が、獲物を逃がさぬ狩人の目だ。


(待てよ、これはチャンスじゃないのか?)

「知っている事があるならば教えてくれ」

(そうだ、そうだよ!愛の告白をした女性は、愛する男に抱かれなければならないと嘘をつけばいいんだよ!今からベッドに行って、お互い生まれたままの姿になって、まずはキスから始める。もちろん、舌を絡ませる濃厚なディープキスだ!!その後はその後はその後は、いけるところまでいってやる!!こんなこと考えてたら、また心を読まれるかも知れない。だがしかし、メシア団長はあくまで直感だと言っていた。ならば嘘だとばれない可能性もある。という事は、勝負をかけるしかないじゃないか!!!)

「リック」

(いつぞやの夢が正夢になる日が来やがった!童貞卒業は目前だぜ!!しかもだ、初めての相手がメシア団長とか一体何のご褒美だよ!チャルコで頑張ったご褒美だぜ!ひゃっほおおおおおおおおおうっ!!!)


 思考すること約一分。彼は決心した。


「愛の告白をした女性は、愛する男に抱かれなければならない。と、聞いた事があります。つまり、俺とメシア団長が・・・・・・」

「わかった。まず何をすればいい?」

「せっ、接吻です。きっ、キスとも言います」

「それならばわかる。試してみよう」


 顔を少しずつ近付け、自身の唇を重ねようとするメシア。彼女からは、何の躊躇いも感じられない。

 本当に、冗談抜きで、どっきりでもなく、接吻体勢に入っているのだ。流石は帝国最強。接吻と聞いても全く動じない。

 リックの心臓が、飛び出しそうになる程に、高速の早鐘を打ち出している。口から内臓が飛び出してくるのではと思う程、凄まじいものだ。


(よし!よし!よし!よし!勝った、俺は勝ったんだ!!さらば童貞!お前の事は忘れない!!)

「行くぞ、リック」

「はい、メシア団長」


 最高の瞬間が迫っている。

 こういう時、ラブコメ漫画であれば、何者かの邪魔が入るだろう。そして台無しになるのだ。

 まさか、このタイミングで、誰かが邪魔しに来るなんてないだろう。これが漫画であれば、急に主人公の親友辺りが邪魔をしたりして・・・・・・。


「隊長。急ぎ報告があるんですがいいですかい?実は今さっき・・・・・・・・」

「「・・・・・・・・・」」


 部屋をノックせず、急ぎの報告で執務室に入って来たのは、鉄血部隊元隊長ヘルベルトだった。

 突然の来訪者に、メシアとリックの動きが止まる。部屋に入って来たヘルベルトは、その場で呆然。沈黙が流れる。


「・・・・・・ヘルベルト、お前無期減給だ」

「待ってくれ隊長!?俺が悪かった、どうか慈悲を!」

「今すぐに切腹したら許してやる」

「腹切り!?減給より酷いですぜ!」


 リックの目が、死んだ魚みたいになっている。全てに絶望した目だ。


「ヘルベルト、急ぎの報告とはなんだ?」

「メシア団長!?つ、続きは!!」

「まずはヘルベルトの話を聞け」

「・・・・・・・はい・・・・・」


 泣いてしまいそうな悲しい気持ち。死にたくなるような絶望。

 それでもリックは堪えて見せる。何とか、本当に何とか、参謀長の顔に戻る。メシアはリックより離れ、彼女の表情も、微笑みから平常時に切り替わる。いつも通りの顔だ。

 顔は参謀長に戻りはしたが、それでも、一気に不機嫌になった事には変わりなく、執務用の机に頬杖をつきながら、ヘルベルトの話を聞く体勢になる。

 悪いと思いながらも、それでも緊急の報告であったため仕方ないと、ヘルベルトは口を開いて話し始める。


「他国の調査のために放っていた兵士が帰って来ましたぜ。その報告が俺のところに来たんで、隊長に直接伝えに来たんですぜ」

「お前が直接か、一体どんな報告なんだ?魔物が大量発生でもしたのか?」

「その方がましかも知れませんぜ。こりゃあ、俺たちの出番が近い」


 ヘルベルトたちの出番という事は、あれしか思い付かない。

 興奮しているのか、あれに対して本職であるヘルベルトの声に、熱が入っている。


「オーデル王国が滅亡しました。やったのは、大陸でも悪名高い独裁国家ですぜ」

「ほう・・・・・・」


 オーデル王国。かつて、帝国に二度侵攻した事がある王国だ。

 帝国最大の敵。あの大国が、突然滅亡したという。

 リックにとっては嬉しい知らせだ。何故ならば、あの国は女王の敵であったからだ。いつかは、自分の手で滅亡させようと考えていたため、その手間が省けたと、彼の口元に、満面の邪悪な笑みが浮かぶ。

 その笑みを見て、ヘルベルトは少し恐れを抱いたが、すぐに彼の顔にも笑みが浮かんだ。これこそ、自分が命を預ける価値がある男だと、再認識したからである。


「戦争の臭いがする。この戦火、まだまだ燃え広がるぞ」


 メシアもヘルベルトも、リックと同じものを感じた。

 戦争の足音が近付いている。相手は、オーデルのような烏合の衆ではなく、かつて戦った、暴食竜を上回る驚異のはずだ。

 もう、この足音は、誰にも止められはしない。


「非常招集をかけろ。戦争の時間だ」


 帝国に新たな脅威が迫る。

 戦争の波が、この国を飲み込もうとやって来た。


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