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第32.5話 俺のヴァスティナ帝国がこんなにイカれてるわけがない Ⅲ

3.宰相リリカの華麗なる一日




 ヴァスティナ帝国宰相リリカの朝は早くも遅くもない。偶に遅い時もあるが、今日はそうではなかった。

 寝室のベッドで目を覚ました、長い金色の髪を持つ裸の美女。彼女は寝る時、服を着たまま寝ないのである。白く美しい肌と豊満な胸。その裸体はまさに、ナイスバディと呼ぶに相応しい。彼女の事を、絶世の美女と謳う者は大勢いるのだが、そう謳ってしまうのは仕方がないだろう。実際彼女は、世の男達が絶対放っておけない、伝説級の美女だ。


「んっ・・・・・・もう朝か・・・・・・」


 ベッドから体を起こし、窓から差し込む日の光で、今日の天気を知る。天気がいい、気持ちのいい朝。今日は外でお茶会を開こうかなどと考えながら、彼女はベッドから起きようとする。

 すると、寝室の扉が開き、メイド服姿の一人の女性が入室してきた。


「・・・・・既に起きていらっしゃいましたか。おはようございます、リリカ様」

「ふふっ・・・・・、今日は君が当番だったね。おはよう、メイド長」


 宰相リリカの朝は、必ずメイドが一人やってくる。彼女を眠りから起こし、着替えなどを手伝い、朝食へと案内するためだ。

 彼女の寝室にやってくるメイドは当番制のため、日によって変わる。今日はメイド長ウルスラの日だ。リリカよりも年上で、帝国メイド部隊の最高指揮官である、帝国女王最後の砦。メイド仕事も戦闘も完ぺきにこなしてしまう、稀にみる完璧超人である。


「今日の朝食は何かな?」

「本日はパンとスープ、オムレツとサラダに加えまして、デザートは各種フルーツの盛り合わせとなっております。お飲み物はいかがいたしますか?」

「昨日は珈琲だったからね、今日は紅茶を貰おうか」

「エステラン国産の最高級茶葉をご用意してあります。是非、ご堪能下さい」


 天気のいい朝。優雅な朝食。そのお陰か、寝起きとは思えないくらい彼女の機嫌はとてもいい。

 そう・・・・・、こうして機嫌がいい日こそ、魅惑の美貌を持つ彼女の本性が姿を現す。


「ところでメイド長。先日、面白いパジャマを手に入れたそうじゃないか」

「!」


 何事にも動じない、表情鉄仮面の真面目メイド長であるウルスラが、ぎくりと肩を震わせた。その反応が面白くて、ご機嫌な様子のまま彼女は言葉を続ける。


「希少な魔物チュパカブラをデザインして作られた、チュパカブラパジャマ。服屋の店主が独創性を追求して作っては見たものの、その独特のデザイン故に誰も買わなかったという一品。ふふっ、パジャマ収集家の血が騒いだかい?」

「どうしてそれを・・・・・・」

「私の情報網を甘く見ない事だ。変装までして買いに行ったようだけど、そんなパジャマを買うのは帝国で君だけさ。誰だって気付く」

「やはり、貴女に隠し事は出来ませんね・・・・・・」


 ウルスラ的には秘密だが、多くの人間が知っている彼女の趣味。それは、可愛いパジャマの収集である。秘密にしている理由は恥ずかしいからだ。彼女は、自分が可愛いと思ったパジャマは何でも集め、就寝時にはそれを着て鏡の前に立つ。集めるだけでなく、人が着た状態のそのパジャマの可愛さを、鏡で見て楽しむのである。

 ちなみに、チュパカブラパジャマは既にお楽しみ済みだ。


「恥ずかしい趣味ではないだろうに。もう皆知っているのだし、秘密にしておく必要はない」

「・・・・・・私はもう四十を超えています。歳に似合わない趣味なので、あまり知られたくはありません」

「と言うわりには、歳に似合わなさそうなパジャマをいっぱい持っているね。兎パジャマとか亀パジャマとか、最近アルマジロパジャマなんてものも購入したそうだね」

「それは!内密にラフレシアに買いに行かせたもの!どうしてリリカ様がそれを!?」

「もちろん、そのラフレシアから聞き出したのさ。あの子の欲しがりそうな本を餌にしたら、色々と喋ってくれたよ」

「なるほど・・・・・。裏切り者には制裁が必要ですね」

 

 この数時間後、城内を死に物狂いで逃げ回るラフレシアと、そんな彼女を鬼の形相で追いかけるウルスラの姿が目撃される。城内にはラフレシアの悲鳴が響き渡り、メイド長を裏切ればどんな目に遭うか、メイド部隊全員が改めて思い知る事となる。

 機嫌のいいリリカは、朝からその本性を現した。笑みを浮かべてウルスラを見つめる、絶世の美女。彼女は他人の弱みを握り、相手を揶揄って愉悦を得る趣味がある。帝国では誰も逆らえない、妖艶なる美女なのだ。


「ふふふっ・・・・・、朝からメイド長のいい顔が見れた。慌てたメイド長の姿は貴重だね」

「ごほんっ・・・・。リリカ様、この事はどうか秘密にして頂きたい」

「それはメイド長の誠意次第さ。私の興味をそそる話でも持っているなら、秘密にしてもいいよ」

「・・・・・・・・では、陛下が私に隠れ、密かに紅茶を淹れる練習をされているという話はいかがでしょうか?」

「面白そうだね。朝食の時にたっぷり聞かせて貰うよ」


 これが、ヴァスティナ帝国宰相リリカの朝である。

 この国を裏で支配していると言われている、帝国最凶の女性。彼女の一日は、こうして始まった。






 いつもの紅いドレスに着替え、完璧な食事マナーで優雅に朝食を済ませ、メイド長が語った帝国女王の秘密を堪能した後、彼女の仕事は始まる。

 宰相の執務室に入り、文官と共に仕事を行なう宰相リリカ。と言っても、彼女は執務室の椅子に腰かけ、優雅に紅茶を飲んでいる。周りは忙しそうに動き、書類などと激しく格闘しているが、リリカはそんな彼らに偶に視線を向けるくらいだ。

 しかし、そんな彼女に文句を言う者は誰もいない。彼女を恐れて文句を言わないわけでもない。文句の付けようがないだけだ。既に彼女は自分の仕事を片付けており、彼女は文官達の仕事が終わるのを待っているのである。

 つまり、文官がまとめた書類を、最終的に確認するのが彼女の仕事でもある。今のリリカは、その書類待ちの状態であった。彼らはリリカのように、手が早く効率のいい仕事ができるわけではない。文官達はリリカを手空きにさせてしまっているため、文句など言えるわけがないのだ。

 

「・・・・・・そこの書類、合計した数字が間違っているよ」

「えっ・・・・・?ほんとだ!宰相、ありがとう御座います!」


 紅茶を飲みながら、リリカは文官の一人のミスを指摘した。一見、紅茶を飲んで寛いでいるように見えるが、彼らの仕事もちゃんと見ているのである。故に、リリカの下で働く者達は、彼女に絶大な信頼を抱き、決して逆らわない。宰相リリカは、城内では女王に次ぐ絶対的存在なのである。

 

「ラベンダー。お茶のおかわりを頼むよ」

「はい、リリカ様・・・・・・」


 執務室にはリリカの傍仕え役として、メイド部隊のラベンダーの姿もある。彼女がリリカの紅茶を用意しており、紅茶係兼、身の回りのお世話兼、宰相の護衛役として、傍に控えているのである。ちなみに、この役目も当番制である。

 

「ふふ・・・・、相変わらず君は無愛想だね。せっかく美人だというのに、非常に勿体ない」

「愛想よく振舞うのは疲れます・・・・・・・」

「メイド部隊随一のめんどくさがりだけあって、メイドにあるまじき発言だね」


 帝国メイド部隊、フラワー部隊のラベンダー。フラワー部隊最強の五人の内の一人で、大鋏を得物とするメイド部隊の処刑執行人。戦闘時以外は、鋏の扱いに長けるため、庭の手入れを主な仕事としている。メイド仕事はよくできて、戦闘も得意な頼れるメイドなのだが、彼女にはある問題があった。

 リリカの言う通り、ラベンダーはメイド部隊随一のめんどくさがりなのである。さらに言えば、仕事以外は自分の部屋から出たがらない、かなりのインドア派の引きこもりなのだ。そんな彼女の趣味はというと、読書や切り絵である。休みの日は基本部屋に引きこもり、だらしない姿で趣味に集中するのだ。


「ところで、君が秘密にしているあの趣味の方は進んでいるかい?」

「!?」

「必死に隠しているようだけど、私には全部お見通しさ。あの趣味、出版の方も順調らしいじゃないか」

「どうして、その事まで・・・・・・」


 それだけの言葉で、リリカには全て知られてしまっているのだと、ラベンダーは理解した。彼女には読書や切り絵以外に、皆に隠れて精を出している趣味がある。それは、小説の執筆と、完成した小説の出版であった。

 帝国内の本屋と契約し、ラベンダーは自分の本を密かに売り出している。彼女の小説は面白いと評判で、今では人気作家の一人になっていた。そんな彼女のペンネームは、ラベンダ・ヒッキー先生という。

 

「みんなには内緒のままにして下さい・・・・・・」

「ふふふっ、内緒にしておきたいだろうね。君の本の内容のモデルは全部、この城の人間達なのだから」

「!!」


 小説を書いているのをラベンダーが秘密にしている理由。恥ずかしいという理由もあるが、それ以上に、本の内容に問題があるため秘密にしているのだ。

 彼女の出している本のジャンルは様々だが、特に恋愛ものが人気を集めている。その恋愛小説のキャラクターのモデルが、城内にいる人物達を使っているため、絶対に秘密にしなければならない。例えば、人気を集めている恋愛小説の中に、犬猿の仲である剣士と槍士が、最初はいがみ合っていながらも、段々心惹かれ合っていくという純愛小説がある。この小説のキャラのモデルは、帝国でも犬猿の仲で有名な二人、剣士クリスと槍士レイナである。

 他にも、女装趣味の男子と眼鏡女子による恋愛ものや、真面目系メイドとお転婆系メイドによる禁断の愛などがあり、どれもこれもモデルは帝国の有名な人物達である。ちなみに、帝国メイドのラフレシアはラベンダ・ヒッキー先生の大ファンであり、彼女が本で出した「狂犬主人と眼鏡美男子の色欲の夜に」という小説の愛読者だ。勿論、ラフレシアはラベンダ・ヒッキー先生の正体は知らない。

 この事実が公になれば、ラベンダーに明日はないだろう。勝手に帝国の人間をモデルにして小説を書いていた事実が、もしメイド長ウルスラの耳に入れば、拷問レベルのお仕置きは確実だ。


「何が御望みですか・・・・・・・?」

「メイド達の間で君は隠れ美人と有名だ。今度の休日、私と街へデートに出かけようじゃないか」

「デート・・・・・?」

「服は私が用意しよう。化粧もしてもらうよ。美人になった君と一緒に街を歩くのは、きっと楽しいだろうね」


 ラベンダーはめんどくさがりの引きこもり女性だが、よく見ると実は美人で、この性格でなければモテるのにと言われるほどの、残念美人なのである。

 そしてリリカは、そんな彼女の美貌を解放し、一緒に街に出て楽しむつもりなのだ。何を楽しむのかと言えば、彼女の美しさと、その美しさに周囲の視線が集まる事で、顔を赤面させて恥ずかしさに悶えるであろう、普段見られない彼女の姿を楽しむつもりである。


「わかりました・・・・・・。その前に、一つ質問が・・・・・・」

「何だい?」

「突然この話題を持ち出した理由は・・・・・・?」

「ああ、やはり気になるかい?それは自分の胸に手を当てて、よく考えてみるといい」

「・・・・・・?」

「わからないかい?君は先日新刊を出したね。題名は、甘苦い懲罰~金髪美女は侍従長専用ペット」

「!!!」


 ラベンダ・ヒッキー先生が、深夜テンションマックスの状態で執筆してしまった、エロ描写満載のガチ百合小説。この小説に出てくるキャラのモデルは、なんとリリカとウルスラなのである。流石に不味いと思ったものの、想像以上に出来が良く、ばれなければ平気だろうと思い世に出してしまった、禁断の小説。

 よりにもよってこの小説の存在が、モデルであるリリカにばれてしまったのだと理解し、ラベンダーは全てを悟った。今日の一連の話は全部、自分への罰であると・・・・・。


「勝手に私をモデルにするなんてね。いい覚悟だ」

「どうか、お許し下さい・・・・・・」

「とは言え、あの小説はいい出来だったよ。人物の心情変化も内容もしっかり考えられていた。人気が出て完売した理由がよくわかったよ。ただね・・・・・」

「ただ・・・・・?」

「メイド長が責めで、私が受けなのが気に入らなかった」


 我らがリリカ宰相は、その点に御立腹なのである。やはり逆にするべきだったと、この時のラベンダーは内心非常に後悔していた。


「人を勝手にモデルにするのは程々にする事だね。反省したかい?」

「反省しています・・・・・・」


 少なくとも、リリカをモデルにするのは禁止だと、ラベンダーは心に固く誓ったのである。

 これが、宰相リリカの午前中の様子であった。






 お昼時となり、一旦仕事を中断して昼食を取った宰相リリカは、その後執務を再開させたが、数時間後にはお茶の時間となったため、今は城内の庭でお茶会を開いている。

 天気が良く、庭の花々が美しく咲き誇り、絶好のお茶会日和である今日。宰相リリカのお茶の相手は、彼女が絶対の忠誠を誓う主。帝国女王アンジェリカ・ヴァスティナであった。

 庭園に設置された、お茶会用の真っ白なテーブルと椅子。リリカとアンジェリカは椅子に腰かけ、テーブルには二人の紅茶とお茶菓子が用意されている。二人の護衛として、この場には帝国メイドのラベンダーの姿があった。そして、お茶会用のお茶菓子を準備した、帝国メイドのアマリリスの姿もある。

 お茶会はまだ始まったばかりで、アンジェリカよりも先にリリカが紅茶に手を付け、いつもの様に優雅に紅茶を楽しんでいる。対照的にアンジェリカは、お茶会は気乗りしていない様子であり、寧ろ不機嫌であった。その理由は、リリカに無理やりお茶会へ連れて来られたためだ。


「ふふっ・・・・・、エステランの茶葉もいいが、帝国の茶葉に勝るものはないね」

「リリカ・・・・・これは何の真似だ?」

「陛下と一緒にお茶を楽しみたかったのですよ。今日はいい天気ですから、こんな日は外でお茶を飲むのに限ります」

「まだ私は仕事が残っている。貴様のように暇ではない」

「まあまあ、そんな事を仰らずに。せっかくアマリリスがお茶菓子を作ってくれたのですし」


 帝国女王は多忙である。まだ少女でありながら、一国の支配者として君臨する彼女は、その背中に多くの責任を背負う義務がある。多くの責務と戦わなければならない彼女に、休息の時間はほとんどない。何故なら、自分が責務を少しでも投げ出せば、それだけ多くの人間が苦しむと知っているからだ。

 今日もアンジェリカは多忙であった。食事の時間も惜しみ、ずっと執務に没頭していたのである。そこへリリカが現れ、拒否する彼女の言葉も聞かず、無理やりここまで彼女を連れ出したのだ。まだまだ仕事は山積みであるため、執務に戻りたいと思っている故に、アンジェリカは不機嫌な状態なのであった。

 機嫌の悪いアンジェリカは、少女とは思えないほど恐ろしい。その事をよく知っているラベンダーとアマリリスは、緊張した様子で二人を見守っていた。と言うか、アマリリスはアンジェリカを超怖がっており、先程からずっと怯えて震えていた。


「はわわわわわわ・・・・・・!」

「陛下の機嫌が悪いからといって、そんなに怯える必要はないよ」

「でっ、でも・・・・・」

「それより、今日のお茶菓子は焼き菓子なのかい?」

「はっ、はい!小麦粉がいっぱいあったので、色んなのを作ってみました・・・・・・」


 帝国メイド部隊のアマリリス。彼女は帝国メイド部隊の中で最も身長が低く、見た目は幼き少女に見える。そのおどおどした性格もあって、臆病な小動物的女性として見られているが、こんな見た目でも戦闘時は恐ろしく強い。特殊なワイヤーを使って敵を拘束し、ばらばらに解体してしまうのだ。

 趣味がお菓子作りであるため、お茶会時のお茶菓子は彼女が作る事になっている。戦闘時は恐ろしいが、見た目や趣味は可愛らしいアマリリス。しかし、帝国メイド部隊の者達は必ず、メイドの中で最も危険な人間はアマリリスであると答える。アンジェリカも前に一度、メイド長ウルスラから彼女は危険だと警告されているのだ。


「ふふっ、それじゃあ頂くとしよう」

「はい・・・・・。お口に合えばいいのですが・・・・・」


 テーブルに置かれた皿の上に並ぶ焼き菓子。今日のお茶菓子は、様々な形をしたビスケットである。

 リリカはビスケットを一つ摘まみ上げ、香ばしい匂いを味わいながら口へと運んだ。緊張した様子でリリカの反応を見るアマリリス。自分の作った焼き菓子が、彼女の口に合うか心配なのである。この怯え切った彼女の、一体何処が危険だというのか?その理由を知る者は少ない。


「美味しいよ。君の作るお菓子はやはり絶品だね」

「そっ、そんな事ないです・・・・・・」

「味もいいが、見た目も可愛らしいし、このサクサク感が癖になる。ラベンダー、君も食べてみるといい」

「では、一つ頂きます・・・・・・。美味しい・・・・・・」


 リリカもラベンダーも認める、アマリリスの美味しいビスケット。そもそも出来立てであり、出された時から香ばしい匂いを漂わせていたものなのだから、美味しくないはずがない。

 だがアンジェリカは、機嫌の悪い表情のまま、紅茶にも焼き菓子にも手を付けていなかった。お茶会などしている場合ではないと、彼女の眼がリリカに訴え続けている。

 

「陛下、肩に力が入り過ぎですよ」

「・・・・!」

「このところの陛下は無理をしています。それで体を壊しては元も子もない」


 ヴァスティナ帝国は着実に大陸侵攻を進めている。領土は拡大され、国力は大きくなっていく一方、国を動かす者達の負担は増すばかりだ。女王であるアンジェリカも仕事ばかりで、気の休まる時は就寝時しかない有様である。

 自分の体に鞭打って、国のため、民のためにと、彼女は身を粉にして日夜奮闘している。それは誰の眼から見ても、無理をしている様にしか見えなかった。皆、そんなアンジェリカを心配している。だからリリカは、彼女をここへ連れてきた。


「この庭の花々・・・・・。誰が手入れをしていたかご存知ですか?」

「・・・・・・私の姉、ユリーシア・ヴァスティナだ」

「ユリーシア陛下も無理をする子でした。体が弱いというのに、皆のためにと国の支配者として凛と在り続けた」

「・・・・・・」

「だから、時々ユリーシア陛下をここへ連れ出しては、よくお茶会を開いたものです。大好きな花々に囲まれ、紅茶を楽しむ少しの時間だけでも、陛下には執務を忘れて欲しかった」

「!」


 亡きユリーシアのような無理を、アンジェリカにもして欲しくはない。誰もがそう願っているが、誰も彼女を止める事が出来ない。そんな、誰も出来ない事を平然とやってのけてしまうのが、帝国宰相リリカなのである。

 

「皆、アンジェリカ陛下を心配しております。ユリーシア陛下のように無理をされては、心配するのも当然です」

「しかし、私は・・・・・・」

「気持ちはわかります。けれど、陛下が倒れたら誰が女王の代わりを務めるというのですか?」

「それは・・・・・・」

「そうだ、陛下が倒れられた時は私が玉座に就きましょう。帝国の絶対的支配者として、まずは------」

「例え私が倒れても、貴様だけには玉座は渡さん」


 もしリリカが帝国の新しい支配者になってしまえば、どんな独裁体制が敷かれるか想像もできない。恐怖の未来を考えてしまったアンジェリカは、その意見を速攻で却下した。

 とんでもない冗談を言われたものの、アンジェリカはリリカの言いたい事を理解している。皆がアンジェリカの身を案じながらも、彼女の気持ちを考えるが故に、無理をし続ける彼女を止められないでいる。そんな中リリカは、彼女の怒りを買うのを承知で、執務から彼女を遠ざけた。全ては、アンジェリカの身を案じての行動である。

 

「すまなかった・・・・・。皆にも、そして貴様にも心配をかけた・・・・・」

「ふふふ・・・・・、わかって頂けたのなら十分です」


 皆に心配をかけていた事を反省しつつ、アンジェリカはテーブルに置かれた皿から焼き菓子を一つ摘み、自分の口へと運んでいった。香ばしい匂いの出来立てビスケットが、噛んだ瞬間気持ちのいい音を鳴らし、彼女の口の中へと運ばれていく。


「美味しい・・・・・・・」

「良かったじゃないかアマリリス。陛下のお気に召したようだよ」

「よっ、よかった・・・・・・・」


 緊張が解け、安どの息を吐くアマリリス。そんな彼女の姿を見て、アンジェリカは不安そうな表情を浮かべていた。他人から見て、普段の自分はどんな恐ろしい人間に見えているのか、内心とても心配になったからである。


「私は・・・・・、そんなに恐ろしいか?」

「はわわわわわわ・・・・・!けっ、決してそのような事は・・・・・!!」

「それなら、私を見てそんな風に恐がるな。私の何を恐がる?」

「あうあうあうあう・・・・・・」

「陛下、そうやってきつい目付きで迫るから恐がられるんですよ」

「!」


 ラベンダーと同じで、アンジェリカも愛想よく振りまくのは苦手である。彼女自身は普通に接しているつもりでも、物静かで目付きの鋭い彼女の表情は、どうしても怒っている表情に見えてしまう。女王になる以前はもう少し柔らかかったが、今は女王としての威厳を保つため、彼女自身が無意識に表情を硬くしてしまっている。

 滅多に笑う事もないため、普段から不機嫌に見られてしまう事も多い。帝国剣士クリスなど、彼女を不機嫌女王と呼んだ事もあるくらいだ。

 リリカに指摘され、自分の態度を反省したアンジェリカ。謝罪のためにアマリリスの方を向き、彼女は頭を下げた。


「アマリリス・・・・・、すまない」

「そっ、そんな!?顔を上げて下さい・・・・・!私は、全然気にしてませんから・・・・・」

「謝罪はそのくらいにして。ほら陛下、せっかくの紅茶が冷めてしまいますよ」


 頭を上げ、テーブルの上に置かれたカップを掴み、アンジェリカは紅茶に口を付けた。

 焼き菓子もこの紅茶も、どこか優しさを感じさせる。紅茶を飲んだ後、彼女は大きく息を吐いた。全身から一気に力が抜ける感覚。張り詰めていた緊張の糸が、紅茶と焼き菓子のお陰で緩んでいく。

 

「ふう・・・・・・。落ち着くな・・・・・・」


 気が付けば、アンジェリカの表情は緊張から解放され、目付きも柔らかくなっていた。気を抜いた事で、責務の重みから一時的に解放され、体が軽くなっている。いつ以来になるかわからない、心と体が落ち着く感覚。いつもは真剣な表情しか見せない女王の顔も、今は少しだけ笑みを浮かべてしまう。

 そんな彼女を見て、リリカもまた笑みを見せる。ラベンダーもアマリリスも、今だけは女王の重圧から解放されている彼女を見つめ、微笑みを浮かべていた。余程嬉しかったのか、アマリリスは微笑を浮かべたまま、嬉しさのあまり涙を流し始めたのである。


「うう・・・・、陛下を休ませられて・・・・・本当に良かった・・・・・」

「あっ、アマリリス・・・・・、何で泣いて・・・・・?」

「だって・・・・・陛下の事が・・・・心配だったから・・・・・・」


 驚くアンジェリカへ、アマリリスは涙を流しながら言葉を発する。

 実は、今日お茶会を開こうと企画したのは、リリカではなくアマリリスだった。働き詰めのアンジェリカを少しでも休ませようと、リリカに相談した結果がこれなのである。紅茶もお茶菓子も、アンジェリカのために心を込めて作り、喜んで貰うために用意したのだ。

 泣いて喜ぶアマリリスと、そんな彼女を見て戸惑うアンジェリカ。二人の姿を妖艶な笑みを浮かべて見ているリリカが、意地悪顔でアンジェリカを揶揄う。


「ふふっ、女の子を泣かせるなんて。陛下も罪な女ですね」

「うっ、うるさい・・・・!」


 すると、リリカの言葉に反応したラベンダーが、ある指摘のために口を開いた。


「リリカ様。アマリリスは女の子と呼べる歳じゃない・・・・・・」

「そうなのかい?でもこの子、見た目は陛下と変わらないじゃないか」

「アマリリスは、メイド部隊じゃ三番目に年上です・・・・・・」


 帝国メイド部隊で最も年上なのは、四十代であるメイド長ウルスラである。どう見ても十代にしか見えない見た目のアマリリスは、メイド部隊では三番目に年上であるとラベンダーが語る。

 帝国メイドの多くは二十代であり、例としてラベンダーの年齢を出すと、彼女は今年で二十五歳となる。二番目が誰なのか気になるところではあるが、三番目である彼女は一体幾つだというのか?


「アマリリスはこの見た目で三十六歳です・・・・・」

「「!?」」


 アンジェリカも、流石のリリカも、自分の目と耳を疑った。

 どこをどう見てもアンジェリカと同じくらい、いや少し上くらいにしか見えない容姿。メイド部隊に於いて、一番幼い見た目でありながら、部隊の中では三番目に年上であり、しかも三十六歳。それがアマリリスである。

 普段からおどおどして、圧倒的に年下であるアンジェリカにびびりまくり、子供のような嬉し泣きを見せるのだが、これでも年上のお姉さん。それがアマリリスなのである!


「おっ、驚いたよ・・・・・。この見た目でその歳とは、若作りにも程がある・・・・・」

「老いを知らないのか・・・・・・」

 

 今日一番の衝撃的事実に、驚きが治まらない二人。一体彼女は、幾つの時からこの容姿のままであるのか、二人はそれが気になっていた。

 帝国メイドの知られざる不思議が公開されるなどしたが、その後はリリカもアンジェリカも、執務を忘れてアマリリスの紅茶とお茶菓子を楽しみながら、四人で会話を弾ませた。開かれたお茶会は、働き詰めのアンジェリカを休ませられたため、無事に成功を収めたのである。

 無理をする主を強制的に休ませるのもまた、帝国宰相の仕事である。

 宰相リリカの午後は、紅茶と花々の匂いに包まれながら、ゆっくりと流れていった・・・・・・。






 日は沈み、夜を迎えたヴァスティナ帝国。

 一つ、また一つと部屋の明かりが消えていく中、宰相の執務室だけは明かりが灯っていた。その部屋では、ランプの明かりを頼りに、執務室の机で一人、宰相リリカが書類を片付けていた。

 昼間とは違い、彼女以外誰もいない執務室。彼女が一人で仕事を行なっていると、執務室の扉をノックする音が聞こえた。

 

「入りなさい」

「失礼しま~す」


 扉を開いて入って来たのは、左手にマグカップを持った、一人のメイドであった。彼女の名はノイチゴ。帝国メイド部隊の一人で、戦闘時は死神の如き大鎌を操る、女性好きの女性だ。

 部屋に入り、リリカの姿を確認すると、ノイチゴは彼女に近付いていき、執務室の机にマグカップをそっと置いた。


「どうぞ、リリカ様」

「ホットミルクじゃないか。いい香りだね・・・・・」

「紅茶や珈琲じゃ、この後眠れなくなりますもの」

「気が利くね。・・・・・ところでこのミルク、何か混ぜたりしていないだろうね?」

「あら~・・・・、私ってそんなに信用ないのかしら」


 帝国メイド部隊のノイチゴは、男よりも女が好きな同性愛者である。女の寝込みを襲う事もしばしばで、メイド部隊の多くは彼女の毒牙にかけられている。

 過去のトラウマが原因となり、ノイチゴは女性を愛するようになった。襲われる方からすれば堪ったものではないが、メイド部隊の者は全員、彼女と同じようにトラウマを抱えている。気持ちが理解できるからこそ、誰も彼女を責めたりはしない。

 とは言っても、それがメイド部隊内で留まっていればいいが、ノイチゴは常に新しい味を求める美食家である。妖艶なる美女リリカは、彼女からすれば最高級食材だ。自分が狙われていると知っているリリカが、薬の扱いに詳しいノイチゴの出したものを警戒するのは、当然の行動だった。

 

「大丈夫ですよリリカ様。今日は何も混ぜてませんから♡」

「今日だけじゃなく、明日もそうして貰いたいね」

「うふふふふ・・・・、それは明日の私の気分次第です」


 確かにノイチゴはリリカを狙っている。

 だが今日は、そういう目的で現れたのではない。香りのいいホットミルクを用意して、リリカの前にノイチゴが現れたその理由は、働く彼女の身を案じているためだ。


「そんな事よりも・・・・・、あまり無理をなさらないで下さい。こう見えても私、リリカ様を心配してるんですよ?」

「ふふっ、陛下ほど無理はしてないつもりだよ」


 この執務室でリリカがたった一人でいる理由。

 リリカは宰相の権限を使い、仕事を終わり切れなかった文官達を、残業させずに帰宅させた。文官達は仕事を残しては帰れないと反論したが、相手がリリカである以上は逆らえず、黙って帰るしかなかった。

 その後彼女は、今日の担当メイドであったラベンダーも仕事から解放し、執務室に一人で籠った。文官達が片付けきれなかった分の仕事を、自分で片付けるためだ。

 

「お優しいですね、リリカ様は・・・・・・・」

「私は自分の責任を果たしているだけさ。自分の部下の力不足は、宰相である私の責任だからね」

「マストール宰相も同じでした。今のリリカ様と同じように、夜になったら先にみんなを帰らせて、一人執務に没頭していました」

「知っているよ・・・・。そうであった亡き宰相からこの職を受け継いだのだから、彼に恥じぬ仕事をしないといけない。それが私の背負う、宰相の責務さ」


 帝国前女王ユリーシアに仕えていた、亡き前宰相マストール。厳しい人物であったが、一心に女王へ尽くす彼の姿は、文官達から信頼を集めた。誰からも信頼され、誰からも頼られた、厳しくも優しい宰相。現宰相リリカは、彼の様に在らねばと、皆に見えないところで奮闘しているのである。

 普段から優雅に、時に凛として、常に余裕ある姿を見せるのは、皆を不安にさせないためだ。リリカの全ての行動には必ず意味があり、一切の手抜かりはない。一国の宰相として、彼女はこれ以上ないくらいその身を捧げている。そんな彼女を皆が信頼し、辛く苦しい仕事が山積みでも、彼女のために頑張ろうと思えるのだ。


「リリカ様のそういうところ、私は大好きです。とっても惚れちゃったんで今から抱いてもいいですか?」

「今日は駄目だよ。これが終わったら、あれの様子を見に行くつもりだからね」

「そんな~。私、我慢できないわ~♡」

「我慢できないならメイド長の寝込みを襲ったらどうだい?私と同様に、彼女も美人じゃないか」

「それ、結構命がけなんですよ。今まで何度お花畑を見せられた事か・・・・・・」


 気を遣ったノイチゴとの会話を弾ませ、彼女が部屋を出て行った後、リリカはノイチゴの淹れたホットミルクを飲み、少しだけ休憩した。

 その後、残りの仕事を全て片付けたリリカは、部屋の明かりを消し、執務室を後にした。城内にある大浴場に向かい、そこで体を洗った後、彼女が向かったのは自分の寝室ではなかった。

 今日の仕事を終えた彼女には、まだ予定が残っている。自分の寝室へは向かわず、彼女は一人、ある人物の寝室へと向かっていくのだった。






「おや・・・・・・?」


 夜も更けた頃。明かりが消えた暗い寝室の中へ入っていくと、リリカの目の前には、ベッドに眠る一人の男と、彼の傍で椅子に座ったまま寄り添うようにして眠る、一人の少女の姿があった。

 リリカが入った部屋は、帝国参謀長の寝室である。ベッドで眠っているのは、帝国参謀長リクトビア・フローレンス。親しい者は彼をリックと呼ぶ。そんな彼の傍で眠っているのは、槍士レイナ・ミカヅキであった。


「可愛い子だ・・・・・」


 眠るレイナの髪を撫で、微笑みを浮かべるリリカ。起こさぬよう少しの間彼女を愛でた後、寝室にあった毛布を手に取り、眠るレイナの上にそっと毛布を掛けた。

 先の戦争で重傷を負い、どうにか一命を取り留め、永い眠りより目覚めたリック。回復したと言っても、まだ彼の体は全快ではなく、今も治療を続けている。

 毎日ノイチゴが診察し、薬を飲ませるなどの治療を続けており、リックの看病はメイド部隊のリンドウが行なっている。そして毎日必ず、リックのもとに見舞いに訪れる者達がいて、彼の調子を確かめるのだ。しかし、こんな時間に見舞いに訪れる事はない。レイナがここにいる理由は、見舞いのためではなかった。

 

「傍にいないと、心配で堪らないか・・・・・」


 看病を終えたリンドウが寝室を出た後、レイナはここへやって来た。リックの傍に付き、彼を起こさぬよう静かに見守っていたのである。傍に付いていなければ、彼がまたどこかへいなくなってしまう。そしてまた、傷だらけとなって帰ってくる。いや、今度は帰って来ないかもしれない。そう思うと、怖くて堪らないのだ。だから彼女はここにいる。


「愛されているね、リック」


 優しく微笑むリリカは、二人が眠るベッドの上に腰を下ろす。

 眠るリックの顔を近くで見て、彼女は安心していた。悪夢に魘される事なく、今日はよく眠っているからである。

 前回の戦いで肉体強化の薬を使い、その副作用に今も苦しむリックは、何事もなく眠れる日が少ない。高熱に苦しむ日もあれば、全身に奔り続ける痛みに苦しむ日もある。だが、一番彼を苦しめるのは、高熱でも痛みでもなく、絶望しか見せない悪夢だった。

 

「代償か・・・・・・」


 これは、彼がたった一人の少女を救うために払った代償。

 救うために使った薬。そして、拷問を受けた時に使われた薬。二つの薬の副作用は、後遺症として残るかもしれない。彼を襲う悪夢は、薬が見せる幻覚のようなものだ。

 リックが見る悪夢は、大切な者達が失われていく光景。それは彼が最も怖れる、絶望的な瞬間だった。


「もっと早く、助けられていたなら・・・・・・」


 誰もが彼女と同じ事を思っている。後悔しない者などいなかった。リリカだって、皆と同じなのだ。


「後悔したって、仕方ないのにね・・・・・」


 自分達はできる事を全てやった。命を救えただけでも十分だ。そうとわかっていても、後悔はしてしまう。だから彼女はリックの傍に寄り添う。彼の支えで在り続ける。

 眠るリックの頭を優しく撫で、彼の額にそっと口付けをするリリカ。

 これは彼女のおまじないだ。今はただ、幸福な夢を見続け眠っていて欲しいと、そう願いを込めたおまじない・・・・・。


「メシアやユリーシアのように、私はいなくなったりはしないよ・・・・・・」


 リックにとって最愛の二人。悪夢の中には、彼女達が失われる光景もある。

 生涯決して忘れる事がないだろう、最愛の者達とのかけがえのない記憶。それが彼を支え、同時に苦しめていた。

 リリカもまた、彼にとっては大切な存在だ。最愛の二人のように、絶対に失わないと誓っている。それがわかっているからこそ、彼女は約束する。 

 

「私は傍を離れない。だから安心しなさい・・・・・」






 悪夢に襲われてない事を確認し、しばらく彼の傍に寄り添い続けた後、リリカはリックの寝室を後にした。自分の寝室へと入った彼女は、着ていた紅いドレスも下着も脱ぎ、裸になってベッドに潜り込んだ。

 長く、そして濃密な一日。宰相リリカの一日が、やっと終わる。

 帝国の宰相であり、才色兼備の絶世の美女。不思議で妖艶な女性だが、彼女はとても優しい。その優しさに、今日も多くの者達が救われた。多忙にもかかわらず、どんな難しい問題も華麗に解決して見せ、皆から絶対の信頼を集め続ける、皆のお姉さん的存在。優しい女神のような彼女は、明日もきっと誰かを助け--------。


(明日は誰を揶揄おうか・・・・・。そうだ、ラフレシアの黒歴史をみんなの前で語って聞かせよう。ふふふっ・・・・、あの子はきっといい顔で悶えてくれる・・・・・・)


 ・・・・・・優しい女神はではなく、悪に堕ちた邪神かもしれない。明日誰をいじるか計画を立てながら、温かい毛布の心地よさに抱かれ、彼女は眠りに落ちていく。

 これが、自称美人で天才な宰相リリカの華麗なる一日。

 明日もまた、彼女の華麗なる一日の中で、罪のない誰かが悲鳴を上げる事だろう・・・・・。



~終~

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