サボり仲間
6月。梅雨だと言うのに朝日が眩しい。俺ほど眩しくねぇけどな。
最近独り言が多いのはアレだ。うん。クラスに馴染めないとかないし。
教室の窓際の一番前の席に俺は座っている。だから、悪魔でそのせいで一人なんだよ、な?
「見ろよ。ナル木がまた自己陶酔してるぜ?」
「やだぁ!」
サブキャラが何かほざいてる。はぁ。息が苦しい。俺は授業チャイムが鳴る前に教室を後にした。
そりゃそうだ。自信家でナルシスト。それで暴言の激しい俺を誰も相手にしない。自分でもダチにしたくないしな。
「はっはっはー!」
「かーえで。また独り言かよ。」
サボり場の体育館地下室の倉庫に唯一つるむヤツがいる。
ソイツは自分勝手で自由なのに、いつも気が付けばクラスの中心にいるようなキャラ。
俺が狐顔ならコイツは子猫だな。背は俺より低くて色白で女顔なのに人気者なんだ。
「白浜卓士。」
「いきなりフルネとか、相変わらず意味不でウケるなお前。」
子猫卓士は、無邪気な笑顔を俺に向けた。いつものアイドルスマイルとは違う自然な笑顔だ。
「楓ってさ、幸田咲音と幼馴染みなの?」
いきなり真顔で言うから、
卓士が腰掛ける壁の反対側にある跳び箱に飛び乗り俺は笑った。
「腐れ縁ってヤツだし。」
「ふぅん。」
そこから無言とか。
めっちゃくちゃ気になるんだけど。
「何で楓が嫌われてるか知ってる?」
3分後にいきなり喋られて俺は一瞬意味が分からなかった。
「余計なお世話だ。ムカツク。」
「幸田咲音。」
コイツから咲音の名前を言われると、何故かイライラする。
「さっきから何を言いたいんだよ。」
不適な笑みを浮かべた卓士は、楽しんでるとしか思えなかった。
「幸田さんが原因なんだ。って言ったらどうする?」
頭が真っ白になる。
細かい埃が体育館の床の隙間からもれる光で姿を現す。いつも卓士とバカな話をして過ごすこの時間さえ、俺には息苦しくて
神様なんかいねぇ。
そう叫びたくなった。