一人東京
ギターが好きだ。
ギターは私にとって夢だった。
なくてはならないものだった。
私は、夢をみて東京へ行った。
福岡から飛び出した。
福岡の都心はわりと発達していて都会には近かった。
路上ライブをしてもお客さんはとまってくれる。
私はギターで生きていける。
そんなうぬぼれで、福岡にあるなにもかもを捨てて置いてきて飛び出した。
現実は違った。
私は甘かった。
東京は冷たい。
私はこの東京で歌い続けている。
しかし、誰もとまってくれない。
私をチラっと見ては早歩きでどこかへ行ってしまう。
なぜ?
私はだめなの?
福岡へ帰りたくなった。
何もない部屋。
ギターと楽譜しかない部屋。
寂しい。
一人で今日もまたコンビニのお弁当。
おいしくない。
母の料理が食べたい。
部屋にいると寂しいのでまた外へ行き歌う。
それでも寂しさが増える一方だ。
私は歌う。
誰か聞いて。
私は歌っています。
東京の空気は嫌い。
にごっていて、いろんな汚さがまざっている。
ノドが痛い。
もうだめかな。
部屋に帰り、曲を作る。
ギターを弾きながらしたいけど、苦情がくるから我慢する。
東京は広いけど狭い。
福岡にいたときの純粋な気持ちはどこにいったんだろう。
あんなにギターが好きだったのに。
新しくできた曲。
今の私の気持ちが表れた曲。
聞いていて自分でせつなくなった。
ロコツに帰りたいと言う気持ちが表れた。
外にでて、今日も歌う。
誰も聞いてくれない。
楽譜をめくり、できたばかりの新しい曲を歌ってみる。
一人の女の子が私の前で足を止めた。
私はびっくりして曲をやめてしまいそうになった。
でも歌い続けた。
嬉しかった。
はじめてのお客さんだから。
気持ちを精一杯込めて歌った。
1曲歌い終わると、女の子は私の前に置いていた、真っ白な感想ノートに一言書いてくれた。
「せつない曲でした。私も田舎に帰りたくなりました。また聞きにきます。頑張って下さい!」
「頑張って下さい」
私は真っ白だったノートを何度も見直した。
何度も何度も。
私は頑張れる。
頑張ります。
文章まとまってないかもしれませんが、よかったら評価お願いします(o>x<)o