Prologue
もしも、人魚姫がこの世界に存在すると言ったら
皆は笑うだろうか
志温「お前まだ高校生になって1日も経ってねーよ?」
陽太「ごめんってまじで」
志温「逆にどうやったら忘れんの笑」
1年生の入学式の日
式が終わり、もう帰る時間に1年教室への階段を登る
俺が教室に鞄を忘れたからだ
ついてきた志温が笑いながら俺を小馬鹿にする
そんなことをしてても、中学の最初からずっと仲が良くて今もこうやって付いてきてくれる。
そんな志温とこうやって放課後に一緒にいると
中学と変わらないと感じれて、高校生への緊張感が和らぐ気がした
窓から光が漏れる
いつもより日差しのつよい今日は、反射する日光が眩しいほどに明るい
前を向いていると目が開けにくくて、横を向く
階段には想像よりも人が多かった
いろいろな人、きっと先輩だろう。
集団で話しながら隣を通っていく。そりゃそうだ、帰る時間なのだから
なんとなくすれ違う人の顔を見渡す。
その時、見つけた。
見つけてしまった。
その子と目が合った
宝「……」
光に当たって、宝石のような金色に光る長い髪
くせ毛のようだ。歩くたびに少しうねった毛がふわふわと浮く
目が合っても、微笑まれたわけでもない。不思議なように見られたわけでもない。
ただ、真顔なだけだ。
その顔はどこか冷たく、でもほんのりと紅く
水彩のように広がる頬の色
陽太「――は」
足が止まる、少し見開かれた目はその子を捉えて離そうとしない。だが、その子は何もなかったように目を逸らし階段を降りてゆく。
一瞬、まるで水のなかにいるような感覚がした
綺麗などという言葉では表すことができない。
そんな言葉では足りるわけがない
童話の中にいる少女より、もっともっと
ずっと、美しい。
志温「…陽太?どうした?」
陽太「……」
「あ…いや、なんでもない」
そうだ。
きっとあの子は人魚姫だった
初めて小説を書きます。初めまして
これからよろしくお願いします




