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第1話 また始まる

 三度の飯より、ぱが好きだ。


 4月1日の今日、私は! 告白する!! ぱに!!


 現在我がクラスの面々は、仮登校日だってのに教室に勢揃いしている。


 高校2年生を目前に控えた私たちは、皆クラス替えを惜しんでいたのだ。


 僥倖! 追随を許さぬ激運! 奥歯が砕ける程に幸運を噛み締めながら、私は隣の席を見つめる。


 両親のたわけネーミングセンスをやけに気に入っている変わり者にして、あだ名から逆輸入したおかっぱ頭が特徴的な美少年。


 家が近いだけのこの学校が大好きになったのも、このクラスで過ごした1年間が最高に楽しかったのも、この雄英生徒くらい個性溢れる面々が、今こうして一堂に会する程仲良しなのも、どう見積もっても、彼のおかげ。


 オタクもヤンキーもインテリもスポーツマンも、趣味も価値観も違うどうしを繋ぐ懸け橋。


 世界から国境を無くせる男!


 全てのガンの特効薬!


 それこそが、私の大好きな同新おなしん


 岡野ぱ!!


 だから私は、愛を叫ぶ!!


「ぱっちゃん!!」


 勢いよく立ち上がり、教壇にのぼる。


「君に、どうしても、言っておきたい事があるんだ!!」


 一呼吸おいて、「「「ぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!?」」」と歓声があがり、談笑していたクラスメイトに背中を押される形でぱっちゃんが私の前まで歩いてくる。


 距離が近づいてくるにつれて、クラスの期待と興奮が高まり、教壇が最高の舞台に早変わりする。


 ドキドキ高鳴る心の臓。血流の過剰供給。前髪を整える指先の感覚が薄れ、足が地面についているのか不安になってくる。


 そしてぱっちゃんが教壇にのぼり私と向かい合ったタイミングで、クラスメイトの熱視線が集中線の如く突き刺さる。


「すぅー…………はぁー…………」


 目を瞑って深呼吸したら、優し気な眼差しのぱっちゃんと目が合った。


 その瞬間、騒いでいたクラスの喧騒やうるさいほどの鼓動が全て聞こえなくなった。


 言うんだ。今ここで。ずっと秘めてきたこの思いを……!


「ぱっちゃん……」


「何? こっこ」


 真っ直ぐ見つめ返してくれる、やさしい声。


 あぁ、やっぱり私は、どうしようもなくぱっちゃんの事が…………


「他の、何より……ぱっちゃんが――」


 その時、突如として眩い光に包まれた。




***




 気が付くと、僕は真っ白な空間に一人ぽつんと立っていた。


「え? はっ!?」


 自慢のおかっぱ頭を触ってみるも、つるつるさらさら乱れ無し。制服もそうだ。物理的な何かの干渉があったわけではないらしい。

 

「立ち眩み? 幻覚?」


 だが感覚に不自然は無い。確と自分の両足で立っている。


「死んだ? 一瞬で……ガス爆発?」


 確証はない。何を感じる間もなかった。


「はぁぁぁぁ……なんっだよこれ……! 面っ白くなりそうだったのに!!」


 蹴る床も殴る机もないこの場所じゃ、ただ混乱を仮初の怒りに変えて闇雲に叫ぶしかできない。


 フォン


「ん? えっ?」


 その時、目の前に謎のウィンドウが現れた。




――スキル一覧――


〈〈パッシブスキル〉〉

〈強化スキル〉

・身体強化(弱) 5ポイント

・心肺強化(弱) 5ポイント

・手先強化(弱) 5ポイント

・視覚強化(弱) 5ポイント

・聴覚強化(弱) 5ポイント

・嗅覚強化(弱) 5ポイント

・味覚強化(弱) 5ポイント

・触覚強化(弱) 5ポイント

・思考強化(弱) 5ポイント

・回復強化(弱) 5ポイント


〈耐性スキル〉

・物理耐性(弱) 5ポイント

・衝撃耐性(弱) 5ポイント

・斬撃耐性(弱) 5ポイント

・刺突耐性(弱) 5ポイント

・火耐性(弱) 5ポイント

・凍傷耐性(弱) 5ポイント

・雷耐性(弱) 5ポイント

・光耐性(弱) 5ポイント

・魔力耐性(弱) 5ポイント

・毒耐性(弱) 5ポイント

・麻痺耐性(弱) 5ポイント

・睡眠耐性(弱) 5ポイント

・精神耐性(弱) 5ポイント

・呪耐性(弱) 5ポイント


〈〈アクティブスキル〉〉

〈魔法スキル〉

・火魔法(弱) 5ポイント

・雷魔法(弱) 5ポイント

・水魔法(弱) 5ポイント

・風魔法(弱) 5ポイント

・土魔法(弱) 5ポイント

・光魔法(弱) 5ポイント

・爆裂魔法(弱) 5ポイント

・魔力魔法(弱) 5ポイント

・毒魔法(弱) 5ポイント

・麻痺魔法(弱) 5ポイント

・睡眠魔法(弱) 5ポイント

・精神魔法(弱) 5ポイント

・呪詛魔法(弱) 5ポイント


〈システムスキル〉

・索敵(弱) 5ポイント

・隠密(弱) 5ポイント

・偽装(弱) 5ポイント

・看破(弱) 5ポイント

・鑑定(弱) 5ポイント

・収納(弱) 5ポイント

・妨害(弱) 5ポイント

・ポイントロック 0ポイント~


――100ポイント所持――




「なんだ……スキル? 身体強化視覚強化の強化系に、物理耐性火耐性の耐性系パッシブスキル――」


 更に目を下へ滑らせていく。


「魔法もあんの!? 火雷水風土の基本エレメントに、毒魔法とかあんじゃん! ……呪詛魔法やばそう!」


 魔法スキルはロマンの塊だ。男ならその言葉だけで様々を夢想できる。幼少から染みついた生態。遺伝子から淘汰されなかった興奮。


「水と雷でサンダーブリザードとか、火と風でファイヤートルネードとかできんのかな!?」


 他の魔法も気になるものばかりだ。ひとしきり妄想した後、再び一覧を読み進める。


「システムスキルはどれも重要度高そう……名前が強い。名前だけで強い。絶対強い」


 最強スキル鑑定でチート成り上がり勇者の悪役令嬢の私が姉の婚約者から求愛されてもふもふスローライフのおっさん剣聖英雄譚だ。


「ん? ポイントロック、これだけ表記が違う。0ポイント~?」


 試しに押してみると、0が1に変わり、所持ポイントが99に減った。


「うわっ謎スキルに使っちゃった!」


 慌ててウィンドウを探したら、決定を押さない限り振り直せるようだった。


「ふぃぃ焦ったぁ~。でも、これが出来るなら試せるな! (弱)しかないなんてロマンに欠けるぜ」


 試しに一番上のスキル、身体強化(弱)に5ポイント振ってみる。すると、next 身体強化(中)10ポイント と表記された。


「10ポイント。5の2倍。(弱)から(中)でどれだけ違うのか、そういえばスキル詳細とかは一切無い。ガイドも女神もありゃしない。ふふっ、ストロングスタイル。この大いなる意思はストロングスタイル! 自分で確かめるしかない!」


 10ポイントを振ると、next 身体強化(強)20ポイント と表記された。この時点で所持ポイントは90。


「(強)は20。更に倍! 分かりやすくていいじゃないの! ってことは40で(絶)かな?」


 更に20ポイントまで振ってみたが、その予想はあっけなく裏切られた。というか、


「next が無い……(強)で打ち止め……? いや、これだけスキル数があるんだ。20ポイントずつ振ったら5個しか取れない。妥当っちゃ妥当」


 所持ポイントをどう使うか、その取捨選択が兎に角重要。肝心。これが人生の分岐点。それくらいの重さなはず。


「おっ?」


 20ポイントで打ち止めかと思ったが、身体強化には何故かまだポイントを振れるようで、21ポイントになった。そのまま30、40、50、60、と振っていく。


「まだ振れる」


 70、80……


「なんだってんだ」


 90……100ポイント振ったところで、身体強化が(強)から(極)へと変わった。


「おお!! (極)!! 100ポイント全振り!! 全ベット!! ロマンしかないじゃない!!」


 一旦割り振りをキャンセルして、違うスキルでも試してみる。


 どれもポイントは一律。(弱)5、(中)10、(強)20、そして100ポイント全振りで(極)へと変化した。


「一体何者がこんなものを用意してくれたのかは分からないけど、この大いなる意思はエンタメ好きで粋な奴だ! 間違いない!」


 さっきからかなりの時間をかけているけれど、タイマーのようなものは見当たらない。好きなだけ悩めとでも言わんばかりだ。


「粋過ぎる!」


 となれば、じっくりたっぷりねっぷりどっぷりスキル一覧を眺めまわす。


「魔法やフィジカルも捨てがたいけど、やっぱ目を引かれるのはシステムスキル! これだけ異質! 異質過ぎる! それに、」


 索敵、隠密、偽装、看破、鑑定、収納、妨害……詳細はまだ不明だが、


「見るからに、明らかに、対人戦が想定されてるラインナップ……!」


 これが何かのゲームなら、このスキル振り分けの段階で勝敗が決すると言ってもいい。


 ライバルと差を付けるならまさに今。このタイミング。


 ならば、決めたぜ!


「これしかない!! 全振りだ!! オールイン!! 全ベット!!」


 100ポイントきっちり使い切ったのを確認し、勢い任せに決定を押した。


 その瞬間、再び眩い光に包まれた。


 来た時とは打って変わって、ありったけの期待と興奮を胸に、頬を吊り上げ笑う。


 始まるんだ! 何かが!


 日常とは似ても似つかない、想像を絶する何かが!!


「さぁ、面白くなってきやがった!!」


【作者からのお知らせ】

 お読みいただきありがとうございます。

 この小説にはストックもプロットもあまりありませんのでノリと勢いだけで更新していきますが、少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

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