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鉄の塊

職もないまま、実家の六畳間でカメラを磨いている。


気がつけば二十四になっていた。

実家の天井は、昔よりも低く感じ、

心だけが置いてきぼりだ。


 友人たちはみんな社会人。スーツを着て、通勤電車に揺られ、誰かに必要とされている。

 その一方で、俺はだらしない格好に似合わないカメラを片手に途方にくれる毎日。


 「社会不適合者」


 その言葉がリビングから聞こえてくる。


 まるで働かない俺を説教してるみたいで胸が痛い。



 「あんた、朝ごはんここ置いとくから」



母はこんな俺をなにも言わずに接してくれる。

普通なら怒るだろうに、、。

いや、もう諦めているのだろう 

きっとそうだ。


そんなことを考えながら横になる。

ふと目線をおろすと小学生の時の卒業アルバムがあった。


懐かしい、アルバムをめくっていくと「私、僕の未来」

と題された卒業文集があった。

俺のことだからろくなこと書いてないだろう


 僕は特に将来の夢とかは無いけど、誰かのヒーローになりたい。だって助けてもらってばかりやから、、。


ヒーロー、今もなお助けてもらっている。親の年金に頼り、働くということに意味だけを探し何も見つからない

まま、もう悪役なのかもしれへんな。


 昨日の親父の言葉がよぎる。

「あいつは、まだ働かんのか。カメラの何がいいんか知らんけどあんなん鉄の塊やろ、あれの何がええんや」


親父にとっては鉄の塊でも俺は、俺は、、

もういい否定するやつの話なんかどうでも




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