21 「H」と「ERO」
んなっ! トンデモ情報のオンパレード!? 何をどう理解したらいいのか収集付かない感じだけど、ひいおじいちゃんヤバいな! 「HERO」っていうより、もはや「H」で「ERO」じゃん!
「ウヒョァーッ! ちょーっとユキくん! ちゃん? モフらせて貰ってもいいかなーっ!?」
ゴスッ! プシューっと音がしてきそうなハルのチョップがアキの頭を直撃する。
「アキ? もう少し大人しくしてなきゃダメだよ? 後でゆっくりね?」
はいっ、と返事をしたアキは首根っこを掴まれた猫の様にダラーンとなっている。
「よし、一通り自己紹介は済んだね。聞きたい事は山ほどあるだろうけど、後でちゃんと答えるから、先に建物内の案内をしようか」
アルさんがそう促すとハルが手をあげた。その隙にアキが素早く逃げ出して、ユキちゃんに駆け寄り、めっちゃ近い距離で話し掛けてたけど、嫌われたりしないか心配になる。
「あの、アルさん! その前にウチ、言っておかなきゃいけない事があって……」
と、ハルが前置きして話し始めた内容は。今回の事件で敵から得た重要な情報だった。
敵の名称は、白の帝国『Weiße Reich』。場所はギリシャ、サントリーニ島に本拠地を構え、首魁の名は『アイネ』という所まで引き出すことが出来たらしい。
「そうか! ハル、よくやってくれた大手柄だよ! どうやらそのアイネっていう奴が、例の漆黒の炎を受け継いだって事で間違いないようだな。それに、その男の言動から察するに、何らかの方法で他人に力を与えられる手段があるって事だろう? 何か心当たり、もしくはどう対処したもんか、皆、何かアイディアはないか?」
アルさんはそう言ったが、たかがイチ中学生のアタシたちに何かが分かるはずもなく、淡々と進む話をただ聴く事しか出来なくて、とてももどかしい。
「うーむ、私とイロハが能力を覚醒させた切っ掛けは、リンが思念干渉をした事に他ならないんだが、他人に能力を与えるというのは聞いた事がないな。だが、手掛かりならすでにサクラが見つけてくれたようだぞ、サクラ、頼む」
「ハイ ホンジツノ セントウエイゾウヲ サイセイシマス」
何もない空間に突然映像が映し出された。これは、半透明なサクラさんと同じホログラムなのだろうか? もの凄い技術だ。しかも映像はどこから持ってきた!?
「コノ クロイカゲデスガ ヒキハガサレ コチラノオトコニ トウゴウサレタ トカンガエラレマス ソノゴ カゲヲヒキハガサレタテキハ カツドウヲテイシシマシタ ハンタイニ トウゴウサレタ コチラノクロイカゲハ カツドウヲカッパツカ コノコトカラ シッコクノホノオガ ノウリョクヲアタエル イッタンヲニナッテイルト スイソクサレマス」
サクラさんがめちゃくちゃ流暢に、かつ、アタシらにも分かるように説明してくれた。
「ふむ。私もサクラと同じ見解に達した。やはり、敵首魁アイネを叩かねば、この戦いに終止符は訪れないという事だな。なら、叩くにはどうしたらいい? 恐らく相当強いだろうが」
「タラ、アル。最初にやるべきは、ナツ、アキ、ハル、三人の能力を底上げする事ダ。思念干渉はまダ試していないんダろ? それに、出来れば武器はあっタほうがいい。アルの持っている武器と同程度のモノは欲しい所だ。もう一つ、ユキも含めて四人で特訓しろ。もちろん時間も欲しいダろう。となっタら、アレコレ悩む前に、やる事は一つしかないダろ?」
えっ、イロハさんかなり幼く見えるけど、ユキちゃんのお母さんらしいし……ん? んん? そう言えばさっきユキちゃん「お父さんはリン」て言ってなかった? ひいおじいちゃんだよね!? って事はイロハさんもユキちゃんもアタシよりめっちゃ年上!? なにぃーーっ!?




