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(一章)

テーマ:小説(アメニチィー)







入学して一ヶ月余りが経ったある日。




俺は篠原に言われたとおり夜の規定事項を守りつつ、




やり過ごしてきたが、




ここ最近になって薫が落ち着かない事に気づいたのだ…。




昼休みになると俺は購買部へと脚を伸ばすつもりで居たのだが、




けして弁当を忘れた訳ではなく




入学当初から持ち合わせてはいなかったのだ!




それを見ていた篠原は何か言いたそうな面して凝視する。




「どうした!一緒に飯でも食うか?」




「悠君、弁当食べて!」




そう言って篠原は鞄から弁当箱を取出し机の上に広げはじめた。




よく見ると、一人で食べるにしては大きめな器にびっしりと




詰め込まれたおかずは卵焼き、唐揚げ、タコサンウインナーと




おむすびが入っていた!




「わたしが作った!食べて…」




「いいのか?」




「あなたは何時も購買部で買って食べてるのを見ている。




ならば私が替わりに弁当を作って上げる。」




「本当にいいのか?迷惑じゃ無いのか?」




「杞憂」








俺達は和やかなムードの中、




昼食を終盤に差し掛かった辺りで廊下をうろうろしながら




様子を伺っている者がいるのに気付き、そっちに目をやると薫だ。




薫は俺と目が合うと真っ先に駆けより、俺の事を睨み続けている




「どうした?」




「なによ!篠原何かと親密になっちゃて…見てられないわ!」




「何、言ってるんだよ!親密も何も俺は学校以外




篠原と滅多に逢わないんだからどうやったら親密の関係になれるんだ?」




っと言って見たけど、実はほぼ図星何だよな!




まさか見透かされてるのか?




「何、言ってんのよ悠一!私はね今の状況を見て言ってるのよ!




放課後、あんたが何処で何をしようが勝手だわ!




私には関係ないもん!」




「じゃあこの弁当だけ見て嫉視感を妬いているのか?




もしそうなら迷惑だ!」




「バッカじゃない!そんな訳無いでしょ!




くだらない事言ってないでちょっと私の悩み聞いてよ?篠原も一緒にさ!」




何だ弁当で嫉妬深く言われた揚句、今度はお悩み相談の先生か?




一体俺は何を御応えすれば良いんだ!




「私、部活を創ろうと想うのよ!でもメンバーがいなくて困ってるのよ!」




始まった変な予感、どうしよう、何て言ってられない!




俺は口にせずに篠原へ目をやるとまたまた篠原は




俺の事を心配そうに見詰めている!




そんな顔で見られても返答に困る




「部活って言っても何をするかは決めてんのか?」




「まだだけど、人数が揃ってからでも遅くないでしょ!」




「それも最もな意見だが、かと言ってズルズル引っ張るのも何だし、




でも、人数自体が揃うか伺わしい!」




「やる気零じゃないの!あんたに聞いたのが抑の失敗ね!




もういいわ私だけで探すわ!」




そう言って教室から去って行った!




薫が居なくなってから俺は飯の続きを再開し、




篠原へ部活の件も話し合った。篠原曰区




「わたしは入ることには躊躇しないが、




時に猛威で奮い立たせる醸しれない!」




「恐ろしい事言うなよな?」




「って言えば悠君は自然と心配すると和泉から耳にした!」




「はぁ…そう、あいつが変な悪知恵を仕込んだのか!忌々しい!」




「わたしには他にも情報網がある!」




「そうか!尚更興味深いがな!」




「そう」




昼食も終り篠原の会話も糸目も付かず




俺は部活の事を話し始めたのだが、




何しろ読書マニアと呼ばれるくらいなので返答は




勿論『文芸部』の文字以外知らないような口調で連呼している。




これはこれで一人の意見なので参考にするにしても




薫は間違いなく納得しないだろ!




俺はこんな事を考えている間も




篠原はまるで子犬が母犬に甘えるそぶりで




俺に抱き附きながら『文芸部』と連呼していた。




それに気づいた俺は周りの眼を気にし軽く離れた!




篠原は途端にしょんぼりしてしまい、




どうしようもなく俺は慰めの詞を吐いた。




「別に嫌いだからじゃなくてだなぁ!ほらあれだ。




周りの眼というものが在るし、




俺としては大衆場以外なら一行に構わないが…」




予想外の返答に吃驚(びっくり)して俺の事を眼で訴えてきた!




然し、俺はそうは言ったものの何と無く後ろ髪を退かれる想いで在る!








昼休みの終りを告げる予鈴が鳴り俺は次の授業の仕度をしていると、




薫が駆け込み乗車の様に走り込んできた!




「何だ?予鈴が鳴ったんだから静に自分の席に着いてろよ!」




薫は何も返答する余地もなくメモ用紙を俺の上着の胸ポケットに捩り入れ、




帰る間際に篠原に同じ様な用紙を渡し、




成瀬の机に置き、さっさと自室に帰って行った。




何しに来たのかは不明だが、メモ用紙に眼をやると…。




『放課後、テラスにて待ってま~す!    雅』




ってこれ呼出しだよな!篠原も同じく上記を確認中だった。








本日の業務終了を告げるベルが鳴り、




我先にと言わんばかりに駆け出す者を横目で見ながら俺はというと、




運悪く掃除当番に当てられ居るので直ぐには帰れそうもなさそうだ。




俺は篠原に伝言を託し只管、掃除に剥ぐんだ。




その甲斐あって予定よりも十分ほど早く切り上げる事に成功した。




俺は急いで中庭のテラスへと足を延ばした。




既にお呼ばれされた面子は揃っており、井戸端会議を開催していた!




「悪い、遅くなって…」




「良いわよ!聞いてるから」




「で、何の話しをしていたんだ?」




「決まってるじゃない!部活よ!」




「そうか、じゃあ決まったのか?」




「人通りは決まったけど、名称がまだはっきりしないのよ!」




「多数決で決めて意見が割れたら数を絞ってやり直せば良いだろう!」




「そうね!」




然し俺はまだ方針すら聞いていないんだがな…




まああれだ、為せばなると言う奴だ!




散々粘った揚句の果て結局、当日決定は断念し翌日へ持ち越された!






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