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異世界技術派遣会社  作者: 神無
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黒歴史と商業ギルド

響視点に戻ります。やっちまったね。。。


ロヴェルにダメージカットのスキルを、と考えたまでは良かった。


しかし、折角だからスキル名を決めてみようとしたのが失敗だった。


脳内でロヴェルにタックルを決めるラガーマンとか横綱とかが浮かんでもう取り返しがつかなかった。


結局スキル名は“ヨコヅナが乗っても壊れない”になった。しかも特殊スキル扱いだった。本当に申し訳ない。


効果は確実なので安心して欲しい。


因みに、他の候補が某エリート集団が三桁で乗る倉庫になり掛けたのは言うまでも無い。恐らく効果を百分の一にしていた場合は確実にそうなっていただろう。


後悔に苛まれつつも眠りに付き、翌朝。


目が覚めてみればテーブルに美味しそうなスープとパンが配膳されていた。


「おはようございます、エコー様」


「おはよう、ロヴェルさん」


ありがとう朝日、ロヴェルさんを照らしてくれていて。悲鳴を上げなかった私を誰か褒めてくれ。


そんな心境でどうにか微笑みを浮かべつつ響が顔を洗いたいと言うとロヴェルは即座に温い水を洗面器に張ってベッド脇に置いて部屋を出る。とても執事スキル取りたてには見えない。


身支度を済ませるとロヴェルを呼び戻して朝食を取る。最初は後で食べると言ったロヴェルだが、今後の予定を話し合っておきたいと言うと椅子に座ってくれた。どうやら完全に復調したようである。


やるべき事は二つ。衛兵にロヴェルの持っている手紙を届ける事。その際、出来れば信頼できる衛兵が良いと言うロヴェルに頷いて昨日の門番の背格好を伝えておいた。


次に商業ギルドへの登録である。此方は急ぎでこそないが、なるべく早く済ませなければ解放された人達が困る為に今日中に登録だけは済ませる事にする。


「他に何かあるかな?あ、登録の後は従業員用の家が居るよね、、、アパート的な建物を丸ごと借りるか、それとも土地を買うか、、、」


土地を買う場合だとこの場所を離れるのが面倒になるかもしれないので出来れば前者だ。思案しているとロヴェルが「そう言えば」と口を開いた。


「エコー様、“ヨコヅナ”とは魔物の名前でしょうか?」


完全に昨日の黒歴史の話題です、ありがとうございます。


「、、、、、、、まぁ、強い存在ではあるかな。ごめん、勝手に。一応、ダメージカットのスキルなんだけど、、、」


「いえ、エコー様が謝られる必要はありませんよ。そのようなスキルを授けて下さった事に感謝こそすれ、勝手などと思う筈がありません」


「そう?」


「えぇ。そうだ、商業ギルドへの登録の際には業務はどのように?」


「取り敢えず人材派遣かな。技術派遣は極めないと駄目だし」


「、、、人材派遣、、、仲介業のような物でしょうか?」


「近いけど違うかな。派遣した後も私の従業員のままだよ。ただ、給料は仲介先からの物がメインになるね。勿論、私の所で仕事して貰えばその分は用意するけど」


あくまでも保護の為の物でもあるので、在籍はして貰う。仕事先は本人の希望も大きいが、キチンと給金を用意して貰えなかったり不当な扱いがあれば即転職だ。


個人が望む職場を探す為の物が人材派遣、逆に職場に乞われて技術を教える為の技術派遣。


後者は極めるのが必須だと思う。練度が高くないと意味が無いのだから。


だから形式が整ってからやるつもりだと伝えるとロヴェルは頷いた。


「であれば申請は人材派遣と技術派遣ですね。どんな事をするのかは確認されるでしょうが、その内容であれば問題ないでしょう」


「そっか。じゃあ食べ終わったら行動開始!、、、と、言いたい所だけどロヴェルの服だけ用意しようか。はい、どうぞ」


「こ、れは、、、燕尾服ですか、、、!!」


響のthe・執事のイメージで作った服である。響も生活魔法スキルを覚え直した上に着ている服は神仕様なので着替えの手間がマルっと消えた為に空いた時間で用意した物だ。ついでに自分用に無限収納の説明を省く目的の肩掛けの鞄も作った。


魔力創造スキルで作った為に原価零だと言うのに世界に一つだけの品だったりするのだが、響はあまりその辺りを考えて居ない。


ロヴェルは感激のあまり“それが何処から出て来たのか”とか“何故タイミング良く用意出来るのか”と言った疑問をすっ飛ばした。思考放棄とも言う。


折角作った鞄の存在意義をいきなり否定した響だが、その事にまだ気づいて居ない。


大喜びのロヴェルに満足した響は彼にしっかり着替える様に伝えてから商業ギルドの場所を宿の女将に聞いて宿を出た。

順調にチートを使いこなしつつある響さん。

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