面接その2
いよいよ技術派遣がみえてきたかな。。。
そう言うとロヴェルが部屋の外に出る。すると一人の男の子を連れて部屋に入った。緊張した様子の彼は響を見て少し首を傾げたが改めて着席を促すと直ぐに緊張の波に飲まれる。
「最初はエドガンからね!よろしく」
「は、はい!エコー様!!」
エドガンは両親に売られた所為で奴隷商に捕まっていた子だ。と言っても十五歳なのでこの世界では成人と見做される為に孤児院には入れないらしい。
響は予め受け取っていた雇用希望書を手に取りつつエドガンに聞く。
「じゃあ、一応名前を名乗って年齢を教えて」
「エドガン・エイブラムです。十五歳!」
「元気があって良いね!じゃあ、エドガン、先ずは得意な事を教えてくれる?」
「喧嘩!、、、あ、違っ、、、えっと、、、」
エドガンがしまった!と言う顔をするが別に年頃の男の子だし、、、と響は笑う。
「喧嘩か、、、腕っ節が強いなら衛兵ってのも手だけど身元とか厳しそうだし、冒険者?いやでも別に戦わなくても良いよね。例えば大工の仕事とかどう?」
「楽しかった、です、、、」
その返事に笑みを深めつつ響は手元の書類に視線を落とす。
「希望書には力持ちってあるね。素手の喧嘩とかが得意なの?」
「だって武器なんて買えないし、、、あ、いや、その、そうです!」
ふとその反応が気になったが、響は続く項目を見て納得した。
「そっか、武器が好きなんだ。どんなのが好きなの?」
「あ、、、剣が好きです!この街にも有名な鍛冶師が居るんだ!、、、です。ドリス親方の飲み友達だって聞いて、一目で良いからその人の武器が見てみたいって!!」
鍛冶師か、と響は小さく頷いた。現状では契約はしていないが親方の飲み友達だと言うなら候補に入れても良いだろう。
しかし、其処まで言って何故かエドガンは悲し気に目を伏せた。
「俺みたいなスキル無しじゃ鍛冶師にはなれないけど、、、でも、憧れてて、、、」
「あれ?エドガンはスキル覚えて無かった?」
咄嗟に鑑定してしまったが、確かに“槌スキル”を覚えて居る。筋力が付いて覚えの良さそうなエドガンに親方が教えたら暫くして覚えたそうだ。
しかし、エドガンは苦い顔をした。
「エコー様、鍛冶師になるには鍛冶スキルか鑑定スキル、それから土か火の魔法どれかが必須です。槌スキルは鍛冶師になってからでも習得出来るから、と」
そっと教えてくれたロヴェルに礼を言いつつ考える。
恐らく一番努力でどうにかなるのが槌スキルなのだろう。鍛冶スキルに覚えが無かったのでヘルプ機能で調べてみた。
【鍛冶スキル】
複合スキル。土魔法、火魔法、槌スキル、鑑定スキルの要素があるが、鍛冶に特化した系統になる為に通常のスキルとは別物となる。
「エドガン、一番覚えたいスキルと言われて浮かぶのは何?」
「、、、鍛冶」
「そっか。憧れだもんね。よし、取り敢えずエドガンは槌スキルを伸ばそうか。親方からも手伝いのお願いが来ててね?」
「、、、うん。俺、親方好きだし、エコー様の為に頑張るよ!!」
「いや私の為じゃなくて良いからね?でもありがとう」
良い子だなー、と思いつつもこんなに憧れててヤル気もあるのに雇われないのか、と悲しい気持ちになりつつメモに“鍛冶”と“親方に要連絡”と記して手元の書類に挟んだ。
エコーは基本的に子供に優しいです。




