誓約
前回から続いて誓約のオハナシ。
では改めて、と響は神聖魔法による誓約を行った。
ロヴェルとしては神殿に行くのだと思って居ただけに驚いたが、取り敢えず誓約が為されているかステータスでチェックする。響も鑑定を使って見てみた。
【ロヴェル・ハルトン(27)】スケルトン
職業 執事LV6
HP 33/33
MP 50/50
スキル 生活魔法(極)交渉(極)執事(極)料理(極)礼儀作法(極)
特殊スキル ヨコヅナが乗っても壊れない
称号 スケルトンの希望 エコーの執事
状態 通常(エコーとの誓約)
「、、、あれ、レベル上がってない?しかもステータスも上がってない?」
「ステータスは先日から徐々に上がって来て居ます。恐らく職業レベルとスキルが関係しているかと、、、」
「へぇ、、、あ、誓約済んだね」
「、、、失礼ですが、何処に記載がありますでしょうか?」
「状態の横に、、、嗚呼これ鑑定持ちじゃないと見れないとかかな?」
「恐らくは。神殿では確認に鑑定石を使うそうですから」
へぇ、と頷きつつ響は安心して事情を話す事にした。異世界や神様の話を抜いた事情―――主にスキルの話を。
「、、、では、エコー様は任意のスキルを習得する事が出来る、と。そしてそれを譲渡出来るのですね」
説明を聞いたロヴェルはそう言って納得したように頷いた。そして真剣な瞳で響を見た。
「権力者が聞けば黙っておかない存在でしょうね」
「うん。そんな訳だからあまり知られたくないし、この事は誓約を交わした従業員にしか話さない。他では空間魔法とちょっと特殊なスキル持ちって位だけで通す」
「畏まりました。、、、この部屋で話して問題ありませんでしたか?」
「それは大丈夫。今はこの部屋に空間魔法で中の音が外に漏れないようにしてるからね」
元々は二階の部屋を借りたので階下に迷惑を掛けない為に張っている結界だが。それを聞いたロヴェルは安心したように頷いた。
「では、今後も話は此方で、と言う事で宜しいですか?」
「うん。これからもよろしく、ロヴェル」
改めてそう言って手を差し出した。ロヴェルは響の手を両手で取って額に当てると「此方こそ」と少しだけ震える声で応えてくれた。
次回はロヴェル視点です。