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9ー⑥

 ハイパーキリンオーを始めとするメサイアの機体達は、己の持つ全ての武器をエゲツナーに叩き込む。


「弾が尽きたら直接攻撃だ!!」


 剣で、槍で、斧で、槌で、弓で、拳で、あらゆる攻撃手段でメサイア達はエゲツナーを殴り、削る。そして、ビームやカウンターの打撃でメサイア達は数を減らしてゆく。


「ヤングン!エンバハル!ヒロアス!リンピオ!」


 散ったメサイア達の名を呼び、悲しむ間もなく残ったメサイア達は尚も強大な敵に挑む。


「英雄ちゃん達……アタシ達の分まで頑張ってねぇん……」


「エーロイ!!」


 エーロイの乗るオルカイザーが撃墜され、残った機体はハイパーキリンオー1機。メサイアはヒーロ、インション、ギェロイ、ヤンセ、英雄の5人のみとなった。


「あと一歩だ……あと一歩、俺たちに力を……」


 満身創痍のキリンオーとメサイア達は、折れそうな心を無理矢理奮い立たせる。闘志は絶望との狭間で弱弱しい火を灯すのみだった。 しかし、


「お父様!」

「父さん!」

「父上!」

「パパ!」


 ふと聞こえる、愛娘たちの呼び声。


「ユリーナ!?」

「シア!?」

「えつ子!?」

「芹佳!?」


 メサイア達は、我が耳を疑う。死に直面したが故に幻聴を聞いたのかと。だが次の瞬間、空間が本のページを捲るが如く開いた。


「ダディー!助けに来たよー!!」


 ヒナコの声とともに、 異空間から現れたのは黄金の巨人、タンジェロン。


「おうヒナぁ!英雄達の娘も連れて来たな?流石はマイドーター!愛してるぜぇ~!!」


 モニターに映るヒナコに対し、ヤンセは手を振る。


「えっ?その子、お前の娘なの!?」


「それにあのロボは何だい!?」


 英雄とインションは後部席に座るヤンセに振り向きながら、問う。


「あの子はオレっちのエンジェル、ヒナコさ!そして、あの機体は俺の相棒・タンジェロン。今キリンオーに付いてる龍の顔は、本来ならタンジェロンの胸パーツなんだぜ!」


 ハイパーキリンオーとタンジェロンは並び立つ。


「エゲツナー!この勝負、お前の負けだ!!」


「オレっち達“父親” はなぁ……愛する娘の為なら何だって出来る!何にだってなれる!テメエごときぶっ壊すくらい、屁のツッパリは要らねえんだよぉっ!!」


 キリンオーとタンジェロンが手を繋ぐ。すると、 二体の巨人は淡く発光し始める。


『何だ……このエネルギーは……?エゲツニウムでも、魔法でも無い………一体、この者たちのどこから……』


「これは、「愛」でござる!」


「わたくし達と、 お父様達の、互いの絆の証!」


「親子なら、誰もが元から持ってる力なんだよ!」


「あたい達のコレを、今から本気でぶつけちゃうんだから!!」


「覚悟しんさい!!エゲツナー!!!」


 キリンオーとタンジェロンは、光の矢となりエゲツナーめがけて一直線に飛んだ。


『ウゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………』


 結晶状の外殻をぶち抜き、キリンオーとタンジェロンはエゲツナーの体中を蹂躙してゆく。


『おのれメサイア……そしてムスメサイア……貴様らにこの身を破壊される……くらいなら……』


「エゲツナーのやつ、自爆するつもりだぜオイ!?」


「そんなの、ラスボスがやっていい死に方じゃないよー!!」


 ヤンセとヒナコの言葉に、メサイアもムスメサイアも、誰一人 として動揺は見せなかった。 そして……




      エゲツナーは爆発した。



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