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8ー⑩

「ヒデオ・クルミ!」


 戦艦の目前で響く声。 そして、2隻の艦の間に大型のエゲツナーロボが現れた。


「お前は……」


「ホアホーマか!?」


 それは、3ヶ月前に国防軍に鹵獲されたホアホーマ専用有人エゲツナーロボ『マウヤケソ』だった。


「ホアホーマさん、生きていましたか。3ヶ月も連絡を寄越さないとは、何をしていたのですか!?まぁいいでしょう。今すぐそこのメサイア達を討ち取りなさい。そうすれば大帝陛下も許して下さるで……」


 エキセントリックボウイからベーターが言う。 が、ホアホーマ の取った行動は彼の想像もしない事だった。


「吾輩の答えは……こうだ!!」


 マウヤケソの把持した大剣が戦艦の1隻を両断した。すかさず上昇し、距離を取ったマウヤケソはもう1隻の戦艦に腹部から大砲を発射。瞬く間に2隻の戦艦を沈めた。


「ベーター!そしてヘイト・ライマン!!よくも大帝陛下を謀殺し、あまつさえ3年もの間、吾輩を謀ってくれたな!」


 ホアホーマは国防軍の捕虜となった後、ウンババ大帝の正体を知るや、国防軍へ協力する事を申し出た。マウヤケソは英雄らに奪われたエゲツニウム炉の代わりにMMSと同じプラズマ融合炉が使われている。


「メサイア達よ、吾輩は貴殿らと利害が一致した故、 共闘を申し入れる!」


 ホアホーマはマウヤケソの左拳を差し出す。


「我々の故郷を滅ぼした者の一員と手を組むのは気に入りませんが」


「今は猫の手も借りたいからねぇ」


「強さだけなら心強くもあろう。どうする? 英雄よ」


「ホアホーマ、一時休戦だ。だが、こいつらをブッ倒したらまた勝負しようぜ!」


 英雄はキリンオーの右拳をマウヤケソの左拳に突き合わせた。


「望むところよ!ヒデオ、ベーターとエキセントリックボウイは吾輩に任せ、お主らはヘイトを討て!!」


 次元穴からエキセントリックボウイが姿を現すと、船底から一機のエゲツナーロボ、オジャパメンが飛び出した。


「ヘイトさん、頼みましたよ?」


「解ったよベーター。……知ってしまったか、ホアホーマ将軍。だが、悪いのは騙されていた君だよ。 そしてヒーロ、インション、ギェロイ、ヒデオ……今度こそ地獄へ送ってやる!真のメサイアはぼく一人だ!!」


 オジャパメンは両腕のブレードにエゲツニウムを込める。


「終わるのは貴様だ、ヘイト!」


「僕たちは一度お前に殺されてるんだ。仕返しはキッチリさせてもらうよ!」


「同じメサイアである某たちが、貴様を討つ!!」


「そして、護るんだ……妻と娘の待つ世界を!!」


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