第4話リアルでドキュン?
二人の間の中間地点で会う約束だったのに、交通費出させるの悪いから会いにいくとこうからメッセージが来た。今までの男とは違うな、と思いながら期待に胸膨らませてみたりして。
「早く来ないかな」
最寄り駅に迎えに行く手はずになっている、一応、車あるから余裕よ。時間ギリギリになるかなと考えていたけど、こうの提案のおかげで少しだけど時間に余裕を持つ事が出来た。
──今、駅についたよ
──分かった、迎えにいくね
なんだか恋人みたいじゃない? ふふふと微笑んでいる自分が気持ち悪くて、余計笑いそうになっちゃう。そこは我慢して、大人らしくクールでいなきゃね。第一印象って大事だから。
そんなこんなで考えながら運転しているとあっという間に駅についちゃった。スマホで情報を共有しながら、二人の赤い糸が結ばれる、これが運命なのかな。こんなちぽけな事で幸せを感じる事が出来るのっていいよね、それでもその幸せに気づく事なく徐々にこうへと近づいていく。
「あの……」
そう声をかけると金髪で細身の男性が振り向く。ぽりぽりと頭を掻きながら「りるさんですか?」と聞かれるとこくんと頷いた。
「よかったー、間違ってたらどうしようかと思った」
「ふふふ、あたしも」
お互い緊張していたのか、顔を見合わせながら笑いあった。見た目はかなりチャライ感じだけど内面は優しそうだと思ったの。今まで付き合った事のないタイプの男性だった。目つきは鋭いけど、イケメンだと思う。女装したら綺麗に映える感じの人だと思った。
出会いはそんな感じ、色々な話をしたよ、するとね自分がマイナスに思ってたトラウマとか凄く理解してくれて、色々、語り合った。あたしの部屋でこうが持ってきたゲームを一緒にしたり、眺めたり、凄く話しやすい人だった。今思えば、女慣れしてる人だと思うよ。
だってさ、話も楽しい、新しいものを見せてくれる、そんな人いなかったから、全てが新鮮で面白い人だなって思った。後で聞くと仕事はしてなくてギャンブルで生計を立ててるんだって聞いて、余計驚いた。
正直あかさに話したら、あり得ないと言われるだろうけど、知らない世界を知ってるって素敵だと感じたの、素直にそう思った。
「俺達、気が合うね」
「だね」
「……付き合う?」
そう言われたのは次の日だった。急に台風が来ちゃってさ警報が出たりしたから泊まっていく事になったのね。自分の部屋で他の人がいるなんて、それも男性、正直かなり焦った。
付き合う前にお互い抱きしめあって、淡いキスもした。こんな事初めてだったから運命を感じてたんだと思う。
あたしって痛い奴だよね──