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シャーリー  作者: カメレオン
第一章
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シャーリー教育をする②

すいません。短めです。

(名前かぁ。そりゃいつまでも少年呼びはまずいよなぁ。かと言って私が勝手に名前を決めるのも倫理的に問題があるよな。どうしよっか?)

 そんなシャーリーの苦悩はとうの本人には関係ないらしくで何かを期待するような目でシャーリーを見つめている。

 「あのね?名前って言うのは人にとって凄く大事な物なの。だから後でちゃんと決めるからね?少し待ってくれるかい?」

 シャーリーの言葉が通じたのかどこか拗ねた顔に変わる少年。そのまま少年は机に座りまた缶詰とにらめっこを始めた。

 (ありゃりゃ拗ねたか。でもね?君の名前を僕が決めるわけにはいかないんだよ。僕は君の親じゃないんだ。)

 シャーリーは拗ねた少年をじっと見つめていた。


 少年が寝静まる深夜、シャーリーの活動は始まる。

 装備はいつもの変わらない赤いダウンに黒いズボン。そして今回はそれに加え探索用の鉈を持ってきていた。

 現在シャーリーの主な活動は新たな人間の捜索ではなく少年の生活圏の捜索にある。だがこの広い山で自力で見つけるのか困難なことだ。

 そこでシャーリーは来る少年を連れての捜索活動に備えてルート開拓に出かけているのだ。

 (獣道とは言えかなり危ない道も多いからな。余計な木や雑草を処理しておかないと余計な怪我が増える。)

 シャーリーはアンドロイドであり本来怪我を負うことは無い。それは先日の熊との戦いでも分かっていることである。

 だが少年はその身体能力、行動に異常は見られてもただの人間なのだ。余計な怪我を負わせずに行動を行いたかった。

 (しかしいつからこの山はこんなに動植物豊かなワンダーランドになったのかね。流石に狼はいなかったと思うんだけどなぁ)

 昔シャーリーが住んでいた基地がある山はシャーリー達アンドロイド含む多数の人間が暮らす基地であった。そのため軍事施設ということもあり人の手が加えられていたのだが、その様子は名残こそあれどもかつての姿はほとんど消え失せていた。

 現にシャーリーの様子を木の上から猿がじっと眺めている。

 「危害を加える気はないよ!消えな!」

 シャーリーは猿に向かって警告する。例え危害を直接加えられなくても動物がじっとついて回るのは精神的に気持ち悪いからだ。

 シャーリーの警告を聞いて猿はシャーリーから距離を取る。だがじっとつかず離れずの距離を保つ。

 (人間にしても動物にしても警戒されるのは気分が良い物じゃないね)

 シャーリーはため息をつきながら探索を続ける。ここ最近のストレスからかいつもの鼻歌もすっかりなりを潜めている。

 (みんなどこ行ったのかな。私だけ基地に置いて行って。基地の中は荒らされてなかったけど外に銃痕があって…多分攻められたのは間違いないんだろうけどさ。)

 シャーリーが目覚めてから二か月。シャーリーはかつての仲間の捜索を行っていた。だが捜索するうちに仲間どころか、人間はては文明の気配さえもがひどく薄いことに気付いた。

 自分が何年眠っていたのかわからない。だが少なくとも1から2年ということはないだろうと考えていた。

 この二か月間予備電源のチェック、隊員の私物チェックなどをしながら状況把握に努めたが状況が好転することはなかった。

 そんな中でようやく見つけたチャンス、シャーリーにはこれを逃すことは出来なかった。

 「よし!こんなものか!」

 シャーリーの後ろには人が難なく通れるであろう道が出来ていた。

 「あの子が起きる前に基地に帰るか。」

 そんなシャーリーの姿をじっと猿が見ていた。


 「ただいまっと。まだ起きてないよね?」

 シャーリーは基地の中を静かに歩きながら少年が起きてないことを願いながら部屋に戻る。初日に少年に泣かれたのが随分と堪えたようだ。

 「おっまだ寝てるよしよし。」

 シャーリーは寝ている少年を見ながら包帯の上から傷の確認を行う。

 (血が滲んでいない。血は止まったみたいだね。熱も引いたし解熱剤はちゃんと効いてるみたい。)

 保護時当初の少年は傷のせいもあり高熱を出していた。シャーリーはそれを見て解熱剤、抗生物質、痛み止めなどの薬を投与していた。

  (頼むよ。君だけが今の私の希望なんだ。)

 シャーリーは少年の頭をなでながらじっと少年が起きるのを待っていた。眠ることのないアンドロイドにはただその時間が長く、苦痛な物であることを少年は知らない。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 有/無線等の通信は試さなかったのか。 電子機器類が生き残っていれば日付位は判りそうなものだが。 壊(さ)れたか、撤去されたか、内蔵バッテリーが上がる程の時間が経過したか。 いずれこの辺…
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