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シャーリー  作者: カメレオン
サブエピソード
35/47

S12後編①

すいません。風邪が長引きまして…気づけばやる気とかいろいろ吸われていました。今日からボチボチ再開します。あっ今回で終わる予定だったのですがもう少しだけ続きます。サブエピソードはそこまで残ってないです。多分あと一話くらいで終わります。毎回嘘ついてごめんなさい。

その指令が届いたのは事が起きる1週間前だった。ここ数日の激務という言葉では生ぬるいそれこそ地獄を体現したような任務をこなしていた頃それはやってきた。

 「沖田小隊長話がある」

 そう言ってテントに来たのは千葉キャンプ地の司令官こと服部だった。普段から人を使うことはあっても自分が動くことはないこの男が動くからにはなにかしら面倒なことが起きると沖田はこの時点で推測していた。

 「了解しました。すぐに行きます」

 だが軍人たるもの上からの命令には逆らえない。今まで好き勝手やってきたグレイブの面々が今日まで生きて来られたのは沖田含む軍属の采配によるものが大きい。特に沖田は出世のコースからは外れたもののその能力は戦闘意外も優れたものだった。

 そのためかこういった話し合いの場やその他重大事項は必ずと言っていいほど沖田が出ることになっている。

 


 「さてこうして来てもらったのは他でもない。千葉前線敵キャンプ地、通称キルゾーンの攻略作戦について話したいからだ」

 「よく上層部が動く気になりましたね」

 「いや…上層部は相変わらず様子見の一言だ。だがあそこは現代における墨俣だ。攻略しなければ我々に未来はない。よってこっちの方で独自に作戦を始めることにした」

 「独自?そんな戦力がどこにあると言うのですか?」

千葉前線は相次ぐ強襲作戦により一般的な戦場とは打って変わった物に変貌を遂げた。本来戦争というのは基地を背後に兵を動かし前線を移動させながら戦う物だ。だが千葉前線に明確な前線区域は存在しない。基本が強襲作戦だからだ。そのため千葉前線ではキャンプはかなりの数がある。逃げた兵が隠れるためのキャンプだ。そのせいか千葉前線は敵も味方も兵力を分散させるという戦場の常識からかけ離れたものになっている。

一方埼玉前線は北海道に行くための最短ルートのためかなりの兵力を集めている。無論敵もそれを突破するために膨大な兵とアンドロイドを投入している。そのためこちらは千葉と打って変わって戦争らしい戦争が起きている。

以上のような理由から必然的に千葉の重要性は高まる。敵軍を攻略するための局所戦の要というのは勿論のことだがそれ以上に千葉に戦力が集まれば必然的に埼玉が手薄になり主戦場攻略のための足掛かりになる。特にキルゾーンの攻略は急ぐ必要性があった。

「キルゾーンの厄介な所は本拠地である東京に近いことが挙げられる。そのためあそこでドンパチやると自然と戦力が集まって消耗戦を強いられる。そうなると補給地が近い敵が有利だ。だからこそキルゾーンの攻略はお前たちみたいな搦め手専門が必要になる。よって極力攻略班の戦力はその後の防衛のためにとっておきたい。」

「我々に死ねと命じるのですか?」

たった一個小隊に敵のキャンプを落とせと言うのだ。これは遠回しな死刑宣告と同じだった。

「そうは言ってない。だがそろそろあそこを攻略しないといけない事実がある。それだけの話だ。上層部は埼玉に多額の金を落としている。当たり前だ、あそこが落ちれば北海道までの道が一気に開く。必然的に千葉は薄くなる。だが敵の戦力は徐々に千葉にも集まっている。これがどういうことか分かるか?」

服部の言葉が舐めまわすように沖田に覆いかぶさる。それは圧力だった。沖田は服部が逃げ道を塞ごうとしていることを感じていた。

「東京だけで用意できる戦力ではない。そういうことですか?」

「理解してるじゃないか。そう間違いなく関西は向こうについた。そういうことだ。だがこっちは埼玉にこそ物資や金はあっても千葉にはない。これじゃあいつの間にか数で押し切られる。だからこそお前たちみたいな人間が一手打つ必要があるんだよ」

 服部の話は憶測だが恐らく真実だろうと考えていた。アンドロイドを駆使した高度な連携作戦により埼玉前線は押し切られつつある。事実少しづつ前線は下がっている。奪われた物資は千葉で取り返しているが千葉に流れてくる物資の量は埼玉だけの物とは思えないものがあった。

 そして何より少しづつ補給部隊のレベルが高い物に変わっているのだ。戦車などの武装も今では比較的当たり前に見るようになった。関西が落ちた。下手をすればさらに西も。

 早急に東京攻略をしなければ間違いなく敵の牙は北海道に届くだろうことは予想できることだった。

 「この戦争は日本人と日本人の戦争だ。相手が外国人なら東京にミサイルをぶち込んで更地にすることもできるだろう。だけども相手は同族だ。家族、親戚、身内は何人いるだろうな。そこにミサイルなんて打てるわけがない。理解できたかお前たちの価値が」

 服部の言葉は悪質だった。事実を冷静に理解させつつなおかつ自分たちの価値を高める。こうして他の代替案を出しにくくするのだ。この男が司令官の座に上り詰めたのはこの悪性からくるものだった。

 「…我々だけでは流石に不可能です。兵を頂きたい」

 「…いくらだ」

 「中隊規模で落とすのが理想ではありますがそれでは意味がないのですよね…となると最低でも50人。50人で一個小隊を作る許可を頂きたい」

 服部は考える。万が一攻略に成功したときのために中隊を進軍できるように上層部に話をつけている。そこから兵を持ってこなくても現状キャンプにいる人間を導入すれば50という数は直ぐに充足できる。

 だが逆に今回の攻略が成功した際相手の侵攻を誘発した場合はどうだ。他のキャンプ地を統合しても敵の侵攻は防げるだろうか。ここが落ちれば埼玉は益々厳しくなる。それほどまでに50人の兵と言うのは貴重だった。

 「悩んでも仕方がないか…よかろう。ここのキャンプ地から持っていけ。人選は任せる」

 「ありがとうございます。では失礼します」

 こうして沖田達は死地に向かうことになった。



 「というわけで恐れていたクソみたいな任務だ。喜べ」

 沖田はグレイブ達を集めテントで作戦会議をしていた。面子はグレイブの面々のみである。

 「やっぱり来ましたか…で司令官の要求は?」

 「敵キャンプ地の大まかな殲滅、または地雷原と敵キャンプ地の主たる障害である超長距離狙撃アンドロイドの排除、加えて敵援軍を防ぐために無線中継器の破壊を行う必要がある。つまりは潜入工作だ。」

 「…やってらんねぇ。で?こっちの戦力は?」

 「ここの10名を加えた計50名の歩兵。武装はアサルトライフルにハンドガン、スモークグレネードと手榴弾を基本武装とする。使う機会はないと思うが迫撃砲の申請もしてある」

 それを聞きグレイブの面々は高らかに笑った。

 「はっはっは…無理でしょうこれ?」

 「そう思うのが正常だ」

 「だって狙撃兵がいるのに装甲車などの武器は一切なし?加えてたったの50人で攻略って自殺しろってことじゃないですか」

 それを聞き沖田は頭を抱える。

 「まぁな。だけどまったく攻略できないか?って言われたらそうでもない」

 沖田はそう言い地図を広げる。

 「目下の問題は侵攻ルートが分からないってことだ。どこから攻めたら地雷の被害がないのか、狙撃を受けずに済むのか…これが分かれば対策はとれるってことだ」

 「言ってる理屈は分かりますがそれが分かればとっくに攻略できてると思いますが」

 「そうだな。実際偵察に行った索敵班はことごとく全滅、または一人程度生き残って帰還。散々な結果だ。普通のやり方じゃ間違いなく無理だ」

 沖田の言葉は含みを持っていた。その言い回しにグレイブの面々はイラつく。

 「何が言いたいのかハッキリと言ってくれますか?」

 グレイブの面々はイラついていた。沖田の言い回しもそうだがここしばらくの激務で神経をすり減らしているのだ。自然と言葉に棘がたつ。

 「じゃあ言おう。お前ら外道に足を踏み込む覚悟はあるか?」

 そう言って沖田が語った作戦は想像を絶するものだった。



 それが起きたのは夜が深くなった頃だった。夜間哨戒の班が活動をしていた頃だ。合理派の千葉前線キャンプは基地建設のために増えた人間とアンドロイドを使い夜間の警戒任務を増やしていた。

 千葉前線キャンプは今後の攻略のために本部である東京から多数の兵器を貰っていた。だがその輸送途中、度々自由派と見られるゲリラ部隊に強襲を受けキャンプ地から基地に発展させる計画に遅れが出ていた。

 最近は強襲作戦も減り順調に物資が送られるようになったことからキャンプの空気はどこか弛緩していた。

 それもそのはず合理派の千葉前線キャンプには東京の軍本部で開発された最新型のアンドロイドが支給されていた。合理派と自由派のアンドロイドはそもそもコンセプトに大きな違いがあった。自由派は武装の流用と戦場での汎用性の高さから素体そのままのアンドロイドを使うことが多い。だが合理派は徹底した特化型アンドロイドである。

 この特化型アンドロイドの凄いところは一部機能に限れば人間をはるかに上回る戦闘能力を発揮するところだ。キャンプ地などでは見張りとして狙撃タイプのアンドロイドを配置すれば周囲二キロに渡って監視、狙撃する。加えて外さない。

 見張り台などに配置していることが多いため迫撃砲や戦車の攻撃を受ければかなりヤバいのだが現状敵がそのような作戦に出たことは無い。恐らく東京からの援軍を警戒しているのだろう。

 そのようなこともありここのキャンプ地は比較的安全圏なのだ。兵もどこか気が抜けてポーカーなどに興じる始末だ。その一方では警戒用のアンドロイドが忙しなく動いている。

 「ここの基地が完成したら千葉も本格的に攻めるんだろ?」

 そう言ったのは合理派の兵士の一人だ。

 「あぁ。ようやくだ。ちゃんとした戦争になれば結果が出るのは早いだろうな」

 男はそう言いながらカードを切る。どうやら手は悪いらしい。

 「一気に航空機で攻めるわけにはいかんのかね」

 片方の男は自身があるのかカードは変えずにそのままだ。勝ちを確信しているのだろう。態度に優勢なことがにじみ出ていた。

 「それは上の指針じゃないのさ。向こうにだって優秀な人間はいる。本当の幸せのためにはそういう人間には残ってもらう必要があるからな。むやみやたらに殺すわけにはいかんのさ。レイズお前は?」

 「随分自信があるんだな、コール。向こうについた人間が戦争が終われば言うこと聞くほど素直には思えんがな」

 「それについては同感だ。だが戦争が終われば戦う力はなくなる。そしたら嫌でも生きるしかなくなるさ。さて勝負と行こうか」

 男二人は同時に手を見せる。

 「ツーペア」

 「残念、フラッシュだ。てかツーペアで偉そうにしてたのかよ」

 「仕方がねぇだろう。揃う気がしなかったんだよ」

 男二人はそう言いながら笑った。この空間は戦場から切り離されていた。そんな時だった。

 「伝令です!」

 「なんだ」

 男の言葉はどこかイラついていた。せっかくの賭けを邪魔されたからだろうか。

「キャンプ地から三キロ離れた旧住宅地にて火災発生。原因は不明です」

「味方の被害は?」

「現状確認できませんが直ぐに消火活動に向かったほうが良いかと思われます」

千葉前線キャンプは田園を潰して作られたキャンプである。近くには川がありそう簡単に火が延焼する心配はない。だが万が一ということもある。早めに手を打っておくことに変わりはなかった。

「わかった。中隊を率いて消火活動にあたれ。ないとは思うが万が一住民がいた場合には手厚く保護するように」

そう言ってキャンプから200人ほどの部隊が出発した。重労働が予想されるため装甲車とアンドロイドもついている。

「火災ねぇ。どう思う」

「分からん。旧住民が残っていて不始末で起きたのかも知れんし、敵の罠ということも考えられるが…それにしては派手すぎる。今まで強襲作戦しかしてこなかった連中のやることには思えん」

「同感だ。どちらにしろあのあたりにはまだガスなどの生活跡も多い。被害が大きくなる前に片づける必要があるな」

 そう言って男二人は部隊からの連絡を待った。



「それにしても酷い火事ですね」

装甲車の中で男が言う。どこか他人事なのはこの男だけではなかった。

「どこかの馬鹿が燃やしたんですかね。住民は残ってないはずなんですが」

東京テロが始まった瞬間、帝は北海道に移住した。それを境に多くの国民は引っ張られる

ように北に、北に避難した。とは言ってもすべての国民が北海道に入れるわけではないため東北地方などにまばらに避難している。なお急激に人が入ったことで北海道は大幅に開発が進んだようだ。

 「恐らく残ってないな。完璧じゃない。たまに残ってるホームレスの爺さんなんかが巻き込まれたこともあっただろう」

 「じゃあ今回はそれが火でもつけて起こした事件ってことで間違いないですかね」

 「罠を警戒しろっていう上からの指令もあったが流石に街に火をつけるような真似はせんだろう」

 そんなことを話しているうちに目的地に着く。火は燃え広がり住宅一戸が燃える程度の被害はとっくに過ぎ去っていた。火は大きくなり家どころか街全体を包み込もうとしている。

 「こりゃ酷いなぁ。どうやって消火しましょうか」

 「とりあえずキャンプ地に延焼しないように食い止める他ないわな。ヘリ飛ばすのが正解何だろうが撃ち落されるからなぁ」

 「こういときは敵味方関係なく消火に当たりたいものですが…無理でしょうねぇ」

 そう言いながら部隊は消火に向けて動き出す。川から水を持ってくることでキャンプ地への延焼を防ごうとする。最新の消化機械を用いて火に酸素の供給を止める案もあったがここまで燃え広がれば対して効果はないだろうというのが共通理解だった。

 「隊長伝令があります」

 「なんだ。街の捜索をさせていたアンドロイドが人影を発見したとのことです。武装などは見受けられなく恐らく住民である可能性があるとのことです」

 隊長と呼ばれた男は考えた。

 (こんな前線地域で住民?)

 「数は?」

 「三名ほどとのことです。あちこちに動いていることから恐らく逃げ遅れたのではないかと」

 「分かった。装甲車で救出に向かえ。各隊員は装甲車の救出がスムーズに行くようにルートの作成、また対象地域への延焼を防げ」

 隊長と呼ばれた男は三人で出来る罠を考えたがこの燃え盛る炎の中三人で出来ることなどないだろうと考えた。なにか武装を保持していれば話は別だがその気配もない。恐らくは地元ホームレスの生き残りだろうと考えた。

 「消火活動には時間がかかる!無茶をせずに確実な消化を行うぞ!」

 


 装甲車の中では男二人が生存者の捜索に神経をとがらせていた。

 「しかし、本当にまだ住民がいたんですね。驚きましたよ」

 「恐らくはホームレスの生き残りだろうとのことだ。まぁ兵士なら自分で仕掛けた罠に引っかかるなんて間抜けはしないだろう」

 言葉は軽いが顔は真剣そのものだった。国が分かれることになっても余計な人死にはないほうがいい。それがこの部隊の共通理解だった。

 東京テロでは多くの死人が出た。それは彼らにとっても望んでいた事態ではなかった。合理派すべてが人類の間引きを望んでいるのではなくやむにやまれぬ事情で合理派についている者も多い。特に軍属あがりはその考えは多くいた。合理派の考えは急激に広まったものではない。それは宗教のように最初はゆっくりと浸透していった。気づけばその声は国の中でも無視することの出来ないものに変わっていた。

 それは人間関係にも多くの影響を与えた。軍に限らず会社、家庭が二つに分かれることも珍しくはなかった。自分の信条関係なく気づけば合理派、自由派についていた者も少なくはない。

 そんな中で元々正義感の強い軍属、警察などの治安維持機関はせめてむやみな人死には出さないというのが共通の理解になっていた。助けられる命は救う。それにこしたことはないのだ。

 「先輩。今何か見えました」

 男がそう言ったのは十字路の交差点だった。

 「方向は?」

「左です。例の三人ではないですが小さな子供らしき人影が」

 先輩と呼ばれた男はハンドルを左に切る。すると確かに子供が走っていた。恐らく年は中学生に上がるころくらいだろうか。小さくはないが確かに子供だった。

 「俺先に行きます」

 男が車を降りる。

 「お嬢ちゃん?どうしたの?ここは危ないから車に乗ろうか」

 だけど子供は反応しない。男に背を向けてゆっくりと歩く。暑さで朦朧としているのかその足取りに力はなく顔も下を向いている。

 (これは危ないな。早く助けないと)

 男はそう思い子供の前に行く。

 「辛かったね。もう大丈夫だからお兄ちゃんと一緒に行こうか」

 「…おか…さん」

 「うん。お母さんかい?大丈夫。僕たちが探してあげるから」

 「本当?」

 「あぁ本当さ。だからほらお兄さんの肩に捕まって」

 男はそう言って手を広げる。子供は男の肩を掴んで体の前におぶさる。

 「よしそれじゃあ車に乗ろう」

 男は子供を抱きかかえ車に戻る。火はすぐそこまで迫っていた。先輩が気を効かせて車を近くまで運んでくれている。

 「戻りました」

 「おう。怪我の有無は確認したか?」

 「いえ今から確認します。お嬢ちゃん。一旦放してくれるかい?」

 だけど子供は反応しない。それどころか力をぐっと込めて離さないようにする。

 男はそれを恐怖から来ているものだと考えた。男の手は子供の背中をゆっくりと叩く。

 「大丈夫。もう怖いものはないから」

 「……あるよ」

 「うん?何が怖いの?」

 「怖いもの…あるよ」

 子供の力が強くなる。手だけでなく足までを男に絡ませる。

 「わたしが怖いのはね…お前たちだよ」

 瞬間装甲車の中は光に包まれた。



 「標的クリア」

 そう言ったのはグレイブの面子の一人だ。男は双眼鏡を使いながら次々に爆発する街を見ていた。

 「しかし考えましたね。引きこもりには出てきてもらうってことですか」

 「あぁ。子供を戦争に利用するから気分悪いがな。坂本に言った言葉が返ってきやがる」

 「子供って言っても心理機能のないただのアンドロイドですよ。ちょっと細工はしましたが」

 「それでもだよ。あの子の兄弟、姉妹を殺してるようで気分が悪い」

 その言葉に男は黙る。男は沖田と違いアンドロイドに対する心構えが出来てはいたがS12のことを含めて考えると思う所があるのも事実だった。

 「でも…やらなきゃ死ぬのは自分達ですよ」

 「分かってるよ。でもやりたくないものはやりたくないさ」

 男たちはそう言いながら爆発と炎に包まれる街を見ていた。次々と車が爆発する。その車を捜索しに次の車が。酷い悪循環だった。

 「さぁ装甲車が少なくなったらあとは分かってるな?」

 「えぇ。奪って突撃。道は敵が使ったものを使いなおす」

 「さぁもう一仕事しようか」

 男たちはそう言いながら燃え盛る街をじっと見つめた。その目には覚悟があった。


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