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シャーリー  作者: カメレオン
第一章
13/47

シャーリーと写真と少年⑧

少し筆が乗ってきてるのでもしかしたらもう一回更新あるかもです

 「それでは状況を説明してもらおうか」

 場所は遊園地にある駐車場。少佐が攫われてから10分程度で軍の部隊が到着した。現場を確認するとすぐに当事者であるシャーリーと咲は駐車場に停まってある軍の車に叩き込まれた。

 「それでは私S12から説明させていただきます」

 シャーリーはすぐさま当時の状況を説明した。テロと思わしき不審な車両があったため少佐は軍部に応援を呼ぼうとしたこと。その間シャーリーは娘である咲の保護に努めたこと。トイレで暴漢に襲われている咲を保護している間に銃声と共に少佐が攫われたこと。これらの状況を簡潔に分かりやすく説明した。

 「なるほど…つまり君は護衛対象を放ってそこの女の子を助けに行った?それで間違いないね?」

 言い方に悪意はあったが事実その通りだった。いくら少佐の命令とはいえ優先度で言えば少佐の護衛の方が重要だ。完全にシャーリーの判断ミスと言えるだろう。

 「前線の英雄が人一人守れんとは何事だ!何のために貴様らアンドロイドに高い金を支払っている!」

 (お前みたいな下っ端が言っても説得力ねぇよ)

 シャーリーは過去にない苛立ちを感じていた。少佐を攫われたこと、咲の前で男が怒鳴っていることそれら全てがシャーリーを苛立たせる原因になっていた。

 「お言葉はご尤もですが現状優先すべきは少佐の捜索、保護でありここであなたの説教を聞いてる場合ではないと思いますが?」

 シャーリーは横に座る咲をそっと抱き寄せる。普段なら飛び出さない言葉が出てはいるものの頭の芯はどこか冷静なのだろう。現在のシャーリーの優先事項は軍ではなく自らの護衛対象だった。

 「そんなことは分かっている!分かっているから貴様に聞いているのだ!」

 「ならば建設的な質問をお願いします。人の人命がかかってる。ここで無駄な時間を浪費するつもりはありません」

 もはや事情聴取にすらなっていなかった。両者共に頭に血が上っている。これではまともな話し合いなど出来るはずもない。

 「貴様大体なんだ?その口の利き方は?たかがアンドロイド風情が偉そうにしくさりおって。お前たちの主人は私達人間だ。分かったなら逆らうな!」

 男が目の前で拳を振り上げる。その瞬間シャーリーの頭のなかで何かが弾けた。シャーリーは男の腕を掴みそのまま体を入れ替え壁に叩きつける。車体が大きく振動する。

 「アンドロイドだからなんだ?人間だからなんだ?今そんなことがこの場に関係あるのか?少佐が攫われたんだぞ?お前たちのするべきことは捜索だろう。それもせずに恫喝か。お前みたいな人間は軍にはいらない」

 今この瞬間、シャーリーに残っていた僅かな理性は完全に消えていた。ここにいる咲すら目に入っていなかった。

 「もういいよ、お前」

 シャーリーはそのまま開いている片方の手で男の頭を掴む。折るつもりだ。シャーリーがそのまま力を下向きに込めようとした瞬間車の扉が開かれた。

 「何やってるの!」

 そこにいたのはマリリンだった。マリリンはツカツカとヒールの音を鳴らしながらシャーリーの目の前まで来て思いっきりシャーリーを殴った。

 人間の打撃ならびくともしないはずのシャーリーが飛んだ。シャーリーの体は運転席近くまで飛ばされた。

 「こんな小さな子の目の前であなたは何をしているの!」

 殴るだけでは飽き足らずマリリンはそのままシャーリーの胸倉を掴み上げ顔を何度も叩く。

 「少しは冷静になりなさい!」

 「お前もだ!」

 そう言ってマリリンを止めたのはマリリンの護衛対象の将軍だった。

 「急に走り始めるからなにかと思えば…大丈夫か?シャーリー」

 そう言って将軍はシャーリーに手を伸ばす。

 「結構です。それより早く少佐の捜索を始めてください」

 シャーリーは将軍の手を無視して立ち上がった。将軍は呆れながらも望み通りの言葉を紡ぐ。

 「今動いてる最中だよ。とりあえずそのことで話がある。場所変えるからもう一回話そうや」

 そう言ってシャーリーを車外に誘導した。

 シャーリーは咲と目が合った。

 「ごめんね」

 シャーリーは一言そう呟き車から出ていった。

 咲はマリリンと二人車に取り残された。



 「すまんなうちのやつが迷惑かけた」

 今度は将軍専用の車。中にはシャーリーと将軍以外には誰もいない。

 「いえ、正直助かりました」

 「珍しいなお前があんなに取り乱すの。俺生まれて初めて見たよ」

 「そりゃここまで感情豊かになったのはつい最近ですので…そんなことより本題を」

 将軍は笑いながら謝るとシャーリーにもう一度当時の状況を聞く。マリリンに殴られたせいか少し落ち着いている。

 「猟銃の男に、アンドロイドねぇ。変態はこっちで取り調べしてるがまだ意識が戻らん。とりあえず今身元を探ってるとこだが…間違いなく軍属じゃねぇな」

 シャーリーも同様の見解だった。暴漢の方はボクシングを使って素手でシャーリーを倒そうとした。人間がアンドロイドを倒すなら専用の銃、含むその他武装が必要になる。近接用のグローブもないことはないが効率が悪い。警備用のアンドロイドがあちこちうろついているこの時代で犯罪をするならそれなりの武装がいる。軍属ならそのあたりにも理解があるだろうとの考えだった。

 「となると金で囮に使われたとかそんなもんだろうな。大した情報は期待できんな」

 「今の捜索状況は?」

「とりあえず該当する車を見つけるために検問を敷いてあるまだ10分~15分程度だからそこまで離れてないはずだ。直に見つかるだろう。お前には車が乗り捨てられる可能性も踏まえたうえで独自に捜索をお願いしたい。頼めるか?」

聞かれるまでもなかった。

「勿論です。ですが1点お願いがあります。私の武器を手配してください」

「お前の武器って前線で使ってたあれか?相手はアンドロイド含めて二人だろう?」

「二人でもただの人間じゃないんですよ」

シャーリーは男が弾を素手で掴んだことを説明した。

「弾を素手で止めるか…となると合理派がらみか。こうしちゃいられん。警備も含めて兵を出す。シャーリーお前も付き合え」

将軍は車のエンジンをかけ車を走らせる。目的地は基地だろう。何をするにしてもあそこが一番早い。

二人は焦る思いを胸に秘めただ早く基地に向かうことに集中した。



「お疲れ様です」

だがそんな二人を止める存在があった。

「法務の人間がなんのようだ」

基地につくなりシャーリー達を武装した集団が囲む。だがその武装は軍のものではなく警察組織のものだった。

「あぁあなたはどうでもいいんです。用があるのはそこのアンドロイドです。S12あなたに国家転覆罪の容疑がかかっています。急ぎその身柄を拘束させてもらいます」

男は将軍を押しのけ気持ちの悪い笑みを浮かべながらシャーリーに迫る。

「ご協力をお願いしますね?」


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