少女は今日も生き延びた
アクションに挑戦しました。
よろしくお願いします。
「じゃあ、いってきます」
そう言って玄関のドアを開けて一歩外に出る。
瞬間、弾丸が目の前を通りすぎていった。
私は弾丸の発射された場所まで身を低くして近づくと、自動発射装置を持っていた鉄パイプで叩き壊す。金属片が飛び散る。それが落ちきる前に私は足を踏み出して、次の自動発射装置が出てくるであるであろう壁の穴に鉄パイプを突き刺す。
中で機械が壊れた音がしたが、気にせず刺したパイプを引っこ抜いて走り出す。
背後で何か大きな落下音がしたが振り向かない。振り向くなんて隙を見せたら死ぬ。それが銃弾によって蜂の巣になるのか、高圧電流によって丸焦げになるのか、それ以外なのかはどうでもいい。死んだら駄目だ。
前方から何かが飛んでくる。鉄パイプでそれを薙ぎ払う。耳で捉えたのは金属音だ。おそらく弾丸以外の金属片の武器だ。弾丸の場合、銃声が聞こえてくる。サイレンサーは使ってこない筈だ。
毒やガスの入ったカプセルなどではなかったことが確認出来たので、私はそのまま鉄パイプを持って走り続ける。無論、その間も注意は怠らない。左後ろから作動音が聞こえたので道を左寄りに走れば、またもや弾丸が斜めに通過し、前方右の壁に着弾する。脆い材質の壁なので破片が飛び散って私を襲う。
薙ぎ払うのも面倒で私は右腕で顔面を庇って通り抜ける。破片が腕に当たるが長袖のパーカーのお陰で傷つくことはなかった。
腕を元の位置に戻す間も無く、足元が不穏な音を立てたのを察知し、左手に持っていた鉄パイプを投げて、三メートルほど先の行き止まりにあるボタンを作動させる。
そのまま二、三歩踏み込んだあと、最後に思い切り地面を蹴る。
床が消える、目の前の壁が開く。
左手で跳ね返ってきた鉄パイプを掴むと、開いた壁の先の地面に倒れこむ。体に衝撃がくるが、もとから覚悟していたので歯を食いしばって痛みに耐える。しかし悶えている暇はない。
膝から下が開いた壁の外、地面のない場所にあったので、這って前進し身体を全て地面のある場所に移動させる。その後、すぐに壁がまた閉まった。
閉まるスピードと閉まった後の音が、もし痛みに悶えて足を放置していたら、壁に圧縮されて使い物にならなくなったことを示していた。
パチパチパチ
閉鎖された空間に響く、生存成功を証明するわざとらしい拍手の音源に、私は安堵をすると同時に苛立ちで舌打ちをした。
「クリア。ツクエノウエノ、サンドイッチヲ、トッテイクガヨイ」
食べ物を手に入れるのに、何故、命を危険に晒さなきゃいけないんだ!
食べ物は大切です。
ありがとうございました。