一の劣情
「ねぇ、いっちゃん!次は何をすればいいかな?かな?」
あぁ、本当に京ちゃんは可愛い。本当にかわいい。私が男だったら毎日毎晩抱くほどに彼女が愛おしい。なぜ、世界は私を女に産んだのだろう。同性愛者。確かに皆が私の心情を察すればそう言うのかも知れない。けれど私は同性愛者じゃあない。橘京、いいえ、夜桜京だから私は惚れ込んでいるのだ。
彼女のあの無垢な笑顔。舐め回したい。シたらしたで嫌われるからしないけど。だったらどうしたら京ちゃんと私は真に繋がる事が可能なのかと思考した。確か、あれは高校時代だったかな。書記くん、今は司くんか。彼の存在を見つける事が出来たのは大きい。あれ程の逸材は中々と見つからないものだ。だから私は彼を脅し、京ちゃんとくっつけた。
_______私の計画のために。
計画といっても大それたものではない。私と京ちゃんが『家族』になるにはどうすればいいのか。その一点において、考え続けた。愛する者と一緒になるには永遠に一緒にいるには『親友』と言う関係では物足りない。物足りないのだ。
(だから私は子を産み、彼女に適切な男をあてがい、互いの子同士をくっつけると言う野望を抱いたんだ。)
だけど計画が歪んでしまった。雅ちゃんが違う男と付き合いだした時ははらわたが煮えくり返ったよ。思わずホームセンターへと行き、殺害用具を準備した程だ。
(だけど実行には映さなかった。だって京ちゃんが悲しむ顔なんて見たくないでしょう?)
まぁそれはさて置き、京ちゃんがウチに来て土下座をした。私は驚きよりも直ぐに京ちゃんを此処まで追い詰めた理由を恨めしく感じた。直ぐにそいつを殺すと言う思考が第一に浮かぶ。
「____息子様をどうか私に下さい!!!」
「.............はい?」
直ぐに殺意は収まった。と言うか唖然としてしまい、頭が一瞬真っ白になってしまったのだ。
(かれこれ20年以上は共に時間を過ごして来たけど、京ちゃんがこれ程まで私に懇願する事なんかなかった。)
嬉しい。その感情が先ず第一に感じられた。私を頼ってくれた。京ちゃんが私にお願い事をしてくれた。叶えたい。叶えたい。叶えたい叶えたい叶えたい叶えたい叶えたい叶えたい叶えたいッ___________叶える。そう絶対に。
(息子の事は愛している。親だもの。けれど、京ちゃんは別。京ちゃんは私にとっての指標であり、存在意義。だから、息子を差し出せば京ちゃんの幸せになると言うのならば捧げよう。)
________私の全力を持って。
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