夜桜雅は違和感を感じる
「＿＿＿＿＿ごめん、今日もバイトだからさ。また明日な、雅！」
生徒会の活動は今日はないために、幼馴染である彼に誘いをかけたのだが断れてしまう。
（あぁ、もどかしい。生徒会やめたい＿＿＿＿＿＿＿）
三年生となり今は五月だ。そろそろと引退の時期ではある。そう、やっと解放されるのだ。
（これで堂々と彼を見守る（ストーキング）ことができる。）
だけど、かれこれ数ヶ月はすれ違いが起きていた。彼がバイトをしているせいだ。禁断症状のせいで手が震える。彼の成分を補給しないと私は死んでしまう。周りを見渡してみると、あの二人も同じ様にイライラとした様子を見せていた。あのふざけた協定を結んだおかげで互いを牽制し合い、平和ではある。だが、彼との接触が前よりも少なくなった。
「はぁ、どうすればいいの？お母さんを出し抜くには私はまだ未熟。情報も力もない。現状、お母さんには全てを搾取されている。」
確実に『彼』のお母さんが背後にいるのは確かだろう。お母さんは確かに地頭はいい。けど、ここまで入念な計画を立てられる程頭は良くない。入れ知恵をされている。
（それにあの二人は戦力外だ。月花とあのパツキンも力にはならない。）
くっ、生徒会の引き継ぎを終え次第、私はあいつらの協定を破る。もう時間はない。彼も裏で何かの用意をしているのも見て取れる。
「雅〜、受験勉強しに図書室行こー」
受験勉強........確かに受験シーズンに突入したんだった。ううん、私には関係ない。勉強はしなくても志望校には受かる。て言うか受ける大学は決めてない。彼の受ける大学に私も行くのだから。彼が受ける大学はまだ知らないけれど。
「あー今日はパス、かな。月花の面倒見ないとダメだから今日は帰るよー」
「えー、雅が来ないならウチも帰るわー」
「帰ろかえろー」
とはいえ、後一月で私の放課後は自由になる。
「＿＿＿＿＿君がなんでバイトを始めたのかはその時にゆっくりと知る事にするよ、ふふ。」
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