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湾○ミッドナイト

「んん......俺は......」


......眠っていたのか。身体が揺られる。


(俺は何処にいるんだ?)


意識が徐々に戻ってくる。どうやら自分は車内にいるようだ。手足は縄で縛られて動けない。


「起きたんだ」


声が隣からする。見知った声。


「雅..........何処に向かってんだよ」


幼馴染である夜桜雅が運転する車。何処かに向かっていることは確かだ。


「楽園だよ。もぅ誰にも私たちを邪魔させないから安心して」


速度が上がる。首都高を走っているのは確かだ。既に日は沈み、空は暗い。


(拘束されている以上、抵抗するのは得策じゃない。)


機嫌を損ねない為にも今は大人しくしていたほうがいいか。


(ん、様子がおかしい.......)


隣を確認すると、雅は冷や汗をかきながら少し焦った様子だった。


「どうしたんだよ」


質問をする。


「首都高なのに一台も走ってない」


確かに言われて見れば対向車線からもこちらに向かって走ってくる車を一台も見ていない。違和感を感じる。


「..........一おばさんって本当に何者」

「母さん........何を言ってるんだ?」

「そのままの意味。湾岸線の完全封鎖が始まってる。このままいけば捕まっちゃう。」


アクセスを踏む力にさらに力が入る雅。


「み、雅っ、」


一歩でも間違えれば車体は簡単に横転する。それ程の速度を雅は出していた。


(M64/50型エンジン、最高出力は360PS/5,500rpm、最大トルク520Nm。レッドのブレーキキャリパー装備。封鎖する前に突き抜ける)

「湾岸の帝王_______『黒き美鳥』の名は伊達じゃないってこと、見せて上げる。」


えっ、それってブラックバぁあああああああああああああああ速い!!怖い!!!




「_______一様」




インターカムから声が発せられる。夜桜雅を見張らせていた者からの連絡だ。どうやら雅ちゃん達が近付いて来たらしい。


「いっちゃん?」


幸浦出入口から14km離れた本末本牧ジャンクションにて待機をするFC3S。少しだけ、時間を遡ろう。橘京と千城島薫の1on1は京による勝利で幕をとじた。


『うそ......でしょ』どさ

『_______私に挑戦する心意気は認めて上げる。だけどね、心意気だけで真の愛は得られないものよ。京の愛が貴方の掲げる愛を上回ったの。まぁ、何がいいたいかって言うとね.......おとといきやがれケツの青い小娘がっ!!てこと。』


最後のクロスカウンターにおいて最後まで立っていたのは橘京だったのだ。いいや、正確には卒業式場で立っていたのは橘京、ただ一人だった。鴉羽一は保護者席の最後部席から一度も動かず、ただ一人、倒れる群衆のなか立っている橘京へと拍手を送る。


(この場で潰しておく敵は千城島薫さんと龍城ヶ崎玉藻前さんだけ。息子に好意を抱く人間がいるのなら、あの場で彼を助けようとする。だからわざと放送室の出口だけは開けておいて上げた。そしたらなんと見事に餌は釣れちゃった♪あぶり出し成功だね♪)


まぁいちいち有象無象に構ってやれる程、私は興味がないから雅ちゃんもわざと逃がしてその子の始末を任せた。


(見事に誘導成功♪)


有効利用だね♪あぁ、山田廉太郎くんは手厚く手当てしてるよ。彼は最後まで息子ちゃんの味方だったからね。京ちゃんとの結婚の暁には友人代表としてスピーチをして貰わないと。ちなみに余談だけど、龍城ヶ崎さんのボディーガードを全て倒して彼女本人をのしたのは彼の功績だよ。まぁ龍城ヶ﨑さんが意識を完全に手放す前に廉太郎くんもやられちゃったけど。


(そして雅ちゃんが車を購入している事も事前に知っていた。東北に逃げようとするだろうから政府を利用して、湾岸線を封鎖する指示を出す。後は京ちゃんに止めをさして貰うだけ。)


泳がせ泳がせ泳がせ泳がせ泳がせ泳がせ泳がせ泳がせ泳がせ泳がせてぇ!!!.......最後の標的である雅ちゃんに最高の絶望を届けよう。


「時間だよ。最後の仕上げにしよう_________京ちゃん♪」

ワイルドなスピードを湾岸でしようぜ!!!

感想、お待ちしております......

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