一体、どうなってやがる!?【挿絵有】
俺は一体、何を見せられているんだ.........
「お前のせいでウチの前髪っちはぁあああああ!!!!」バチン
「っ、ウチのじゃなくて京ちゃんのですぅ!」バチ
壮絶な女の殴り合いを体育館のど真ん中で行う夜桜京と千城島薫。突っ込みどころが多すぎて何処からツッコミを入れればいいのかわからない。
(京さんが卒業式場に入場すると同時に激昂した千城島が走りだしてドロップキックを決めようとしたんだ。けれどそれを京さんはカウンターのラリアットで地面へと捩じ伏せた。綺麗に決まった千城島は胃液を吐き出しつつも気合いで立ち上がり、互いにビンタの応酬が始まる。)
あまりに痛々しい光景ではあるがウェディングドレスを纏い、ブーケでビンタをする姿は絵になっていた.........うん、笑い事じゃないことは重々承知ではある。そしてビンタの応酬は殴り合いへと昇華し、周りへとも被害が拡がっていく。そう被害が拡大しているのだ。
『前からてめぇのことは気にいらなかったんだ!!』『俺の彼女に手を出したの知ってんだからな!!』『私が彼のこと好きなの知ってたよね!!』『祭りじゃあーーー!!!』
乱闘。まさにそこは大乱闘スマッシュ○ラザーズ。東京○ベンジャーズ然り、ヤンキー漫画のように殴り合いが広がる。しかも母親、一の采配なのか知らないが体育館が封鎖されて誰も出られない現状だ。
「_________わたくしの夫を捉えなさい。」
乱闘騒ぎの中、ポツリとその場に立ち尽くしているとそんな言葉が聞こえて来る。その声の方へと振り替えると、ガサキさんのボディーガード達が自分を捉えようと迫っていた。そして直ぐに片腕を捕まれるが。
「っおおおおおらぁあああああああ!!!!!」
BOOM!!
自分の腕を掴んでいたボディーガードが殴り飛ばされる。
「なっ、貴方は!!」
その様子をみていたガサキさんが驚きの表情を見せる。
「何をぼっとしてんだ、親友!今が逃げ時だろ!!行けぇええええ!!!!」
迫り来るボディーガード達を行かせまいと廉太郎が道を塞ぐ。
「くっ、くそ!恩にきる廉太郎!!!」
「山田って呼べって..........言っただろおおおおおおらぁああ!!!!」バキン!
.........メインエントランスは封鎖されているにも関わらず、保護者達が体育館から逃げようと密集している。他に出口がないか周りを見渡していると。
「せーんぱい♪こっちです♡」
手を捕まれ、体育館にある放送室へと連れられる。そして放送室の扉を閉め、そのまま出口から外へと出る。どうやらこの出口だけは見張りや、鍵はかけられていなかったらしい。
(神はおれを見放していなかった.......)
逃げられる。この町から。この歪んだ愛を向けてくる狂人達から。
「着いてきて下さい、せーんぱい♪」
「ま、待ってくれ、」
手を繋いだまま離さずに微笑む彼女は自分を校舎内へと連れていく。抵抗しようにも彼女の力が強く反抗出来ない。
「ま、蒔苗、一体どこに行くんだよ!」
「ここです♪」
一年生の教室に連れられた自分は後輩である丘蒔苗と対面する。丘は窓を開け、風が教室内を駆け巡る。
「今しかタイミングが無さそうなのでいいますね。」
目を瞑り、覚悟を決める様子を見せる丘蒔苗。
(まるで告白の準備をしているような__________)
そして真っ直ぐと鴉羽の目を捉える。
「___________________先輩の事が好きです。」




