カリスマモデルは伊達じゃない
「前髪っちこと『鴉羽』くんとの子供でぇーす→」アゲポヨー
やってくれた..........ありもしない事実をこれ程の観衆が集まる前で言ったのだ。
「ち、違う!!俺は彼女と一度もそう言った行為はしてない!!」
周囲の視線が一斉に自分へと向く。お手洗いに逃げるどころの騒ぎじゃなくなっている。
『え、前髪の奴まじ?』『やばくない』『かおるんとヤッたんか』『裏山けしからん』『●ね』『責任取れよ』『て言うか夜桜さんとはどうなったの?』『浮気とか』『うわぁ、性に爛れすぎでしょ』『言い訳すんな』
教師陣ですらも唖然としている。冗談じゃないぞ。今日は俺が本当の意味で自由になる日だったのに。
(......このままダッシュで逃げるか?)
止められる可能性が高い。けれど廉太郎の助けがあれば.......視線を向ける。
(ダメだ.......)
この状況下で廉太郎が俺の手助けをすれば廉太郎にも迷惑が掛かってしまう。それに逃げを選択すれば周囲には自分が千城島を孕ませたクソ野郎として警察や探偵に終われる存在になってしまう。
(__________万事休すか。)
自分の席へと項垂れる様に座る。今は機を待つしかない。
(あれって確か千城島の御息女、だったわよね。やってくれるわねぇ♪)
主人公の母である鴉羽一は関心した様子で息子達の喜劇を楽しむ。
(京ちゃんにボコられて病院送り。それで龍城ヶ崎家の長女と結託して京ちゃんを脅そうとしたけど、私がそれを止めて逆に脅してやった。牙が抜かれた子犬かと思ったけど.............面白い。千城島薫、気に入ったわ。)
『ぐっ、雅っち!!?離せっ!!!』
壇上では夜桜雅に拘束される千城島薫の姿が目に入る。反対側にはガサキさん、そしてそのボディーガード達を壇上下にで待機させていた。
「貴方、自分が何をしたのかわかってるの?」
「薫ちゃん、これは一体どういうことですの?」
『ウチは『鴉羽』くんの事が好き!!!だから絶対にお腹の子供は二人で育てたいの!!!邪魔しないでよ!!!!』
泣きながら二人に対して叫ぶ。もちろん演技である。それは夜桜雅も龍城ヶ崎玉藻前も理解していた。
『おいおい、離してやれよ』『前髪のことは諦めろって!!』『前生徒会長ならいい人見つかるって!』『かおるん、泣いてるよー!』『可愛そうだろ!』
しかし周囲は理解していない。故に避難の言葉は夜桜と龍城ヶ崎へと向く。その発言らに二人は心底殺意が湧いた。
(この淫乱女..................彼を連れ出した暁に拷問して拷問して拷問して拷問して拷問して二度と日の光を浴びれない様にしてやる。)
(薫ちゃん.................縁の切れ目って言葉がありますよわよね。今がその時でしょう。将来的にわたくしが『鴉羽』さんと婚儀を行う際には友人代表としてお呼びしましょうと思っていましたがこれより死んでしまう貴方ではもう来れませんわよね?)
二人は教師陣により壇上から降ろされて行く。そして複数の生徒達は同情とした様子で千城島薫へと駆け寄っていった。
「あ、おい、何してんだよ、」
前髪の周りの生徒らは彼を千城島の元へと連れて行く。抵抗しようにも数の暴力に勝てる筈もなくただ引っ張られる前髪。
「ま、待てっ」
(......まだ来るな)
助けに来ようとする廉太郎を目で制し、壇上前へとつく。
「ダーリン♡」
そして千城島薫と目が会う。
(あぁなんて____________)
絶望とした様子の自分とは違い、彼女の目には希望と光がただ眩く映る。
(_______________くそみたいな日だ。)
カンソウウレシ!ブクマフエタ!タクサン!




