一【挿絵有】
卒業式まで残り_______一日。
「京ちゃん、明日を記念すべき日にしようね!」
高層ビルの屋上。夜桜京の親友かつ主人公の母親、一は焦点があってない虚ろな目で世界を見渡す。
「京ちゃんが私と家族になる.........やっとだ。やっとこの日がくるんだ。」
待ち焦がれていた。この時を20年以上も。
(.........雅ちゃんと結婚すると思っていたけれど、貴方は自らその権利を放棄した。息子ちゃんを襲っていた姿を見るに気を引こうとしての行動なのは分かるけど、悪手だったようね。)
もし京ちゃんが私に対して協力を仰いで来なかったら貴方を支援するために動いていたのに........バカな子。京ちゃんだって雅ちゃんの好意を知っていたから密かに応援していたのよ。
「それなのに.......彼氏をつくるぅ?」
ばかぁじゃないのかにゃ?嘘だとはいえ、それは私の息子を傷つける行動でもあったの。だから貴方が密かに計画しているものは全て邪魔してあげる。もちろん京ちゃんの娘ちゃんだから殺生まではしないけれど...........
「卒業後まで息子ちゃんに会えると思うなよ、小娘」
ハイライトのない瞳で天に写る月へと手を伸ばし握り潰すように拳をつくる。
「はぁ.......京ちゃんは可愛いなぁ。」
携帯の画面を覗き込み、黄昏る。彼女の高校時代の写真。可愛い。京ちゃん好き。
「___________○○一さん、ですよね。」
はじめて橘京と出会ったのは中学二年生。天使。神が作り上げた最高傑作。千年に一度の美少女。
「うん。そう言う貴方は橘さん」
この時の私は何に対しも無関心だった。京ちゃんに対しても最初はそっけなかったと思う。あぁ、あの時の私を再起不能までに殴りたい。
「知ってて下さったんですね。」
「知ってるよ。学校で二大美少女なんていわれてるもん。それで貴方がもう一人。」
「び、美少女........」もじもじ
照れた様子の京ちゃん。まじかわゆい。尊い。とこの頃は京ちゃんもピュアピュアだったんだ。はぁ.....もったいない。記憶の中でしかあの頃の彼女と出会う事ができない。録画機能がついていればよかったんだけどなぁ。
「それで、何のようかな?」
「そ、それは..........私と」
「私と?」
「______________友達になって下さい!」
はうわぁ///かわゆすぎ。なんでこんなに可愛いの?可愛すぎて死にそう。京ちゃんが言うには一年半もの間、友達が出来なかったそうだ。それで京ちゃんは一人でいる私にシンパシーを感じ、話をかけたらしい。
「私にメリットがないよ。じゃね。」
こいつ、まじで殺してやろうか?あぁタイムマシンがあれば本当に半殺しにするまで殴るんだけどなぁ。とまぁ私は損得で動く冷徹人間だった。恵まれた美貌、卓越した頭脳。そして運動神経だって悪くない。流石に京ちゃんの運動神経には劣るけど。
「すげぇよなぁ。一さん、また全国模試一位だってよ。」「まじかよ!?この前なんて美術コンクールの作品が全国区に進出してたぞ?」「一年生のとき、バトミントン個人全国一位とってなかったか?」
私が何かで賞をとるたびに学校は騒がしくなる。うるさい。私はただ静かに暮らしたいだけなのに。
「貴方は私たちの自慢の娘よ」「これで我が家も安泰だな、がはは」
誰にも何も言われず自由に生きたい。期待されたくない。普通でいたい。
(世界の評価基準が甘いんだ。そして周りのレベルが猿並み。だから私がいつも一番をとる。)
努力も何もしてないのにいつも私は一番をとってしまう。なんで私が分かるのにお前たちには分からないんだ?そんな苦悩に私は悩まされていた。
「大丈夫?」
「橘........さん」
橘京は私が何度突き放してもずっと私に声をかけてくれた唯一の人間。二年間ずっとだ。時には冷たく突き放したこともある。けれど、彼女は諦めずに私に話をかけてくれた。
「あ、あぁ.......橘さん。」
涙目になる自分の姿におろおろとする橘京。だけど彼女は覚悟を決めた表情を見せると私を慰めるように抱き締めてくれた。
「大丈夫!京ちゃんが側にいます!」
優しい笑み。私は心が浄化されるような気分に陥る。
(なんだろう、この気持ち。はじめて感じる。)
暖かい気持ち。私は決意した。
「自分で京ちゃんって.........ふふ、いいよ。」
「む、今笑「友達になろう。」え、い、いまなんていいました!」
もし貴方が本気で望む事があるのならそれを叶えてあげる。だって貴方は私を見てくれた。諦めずに見ていてくれたんだ。唯一の友達にして親友。
(だから私は準備をしてきた。立場もお金も。)
____________橘京が望むことを叶える。
「私は京ちゃんの為に............」
生まれて来たのだから。
主人公の母・一(設定)
美魔女。頭脳明晰。天才。身体能力は夜桜京に劣るが運動神経はかなりいい。一般家庭出身だが、その類いまれなる頭脳で『立場』を得る。現在の日本に置いて、大量の国債を買い取り国を支えているのは一である。それだけに止まらず複数の大企業を裏で牛耳っているのは彼女である。経済規模(GDP)を世界第二位に押し上げた実績が過去にあるが、彼女が手を引いた途端に下がった為、日本上層部一同が頭を下げ再び経済を動かすよう懇願したことで現在のGDPは三位へと押し上げる事に成功している。日本国に置いて彼女に反抗を出来るものは恐らくいないだろう。そう、ただ一人の友人を除いて。
作品『感想、待ってるから(扉の隙間から読者を見てます)』ヤンデレ




