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第五話。

こんにちは。


このあいだSになった白石秋斗と申します。


僕はココアを飲みながら今後の中学校生活においてどのような...


「白石さーん、聞いてますかー?」


「え?聞いてますよ?聞いてます!」


「なに狼狽してんですか」


「で、なんでしたっけ?」


「ですからあ...」


僕は飲み干してしまったココアのカップに次の飲み物を注ぐべく、席を立ち...


「なんで聞いておきながら飲み物をとりに行こうとしてんですか!?」


「だって僕Sですから。」


「だからSになるなああああああ!」


面白いなあ。


「分かりましたよ。つまり笹川さんが友達と話しているのを盗み聞きしたんですよね。」


「...」


「どうしたんですか、ぽかんとして。」


「話を聞いていないと思っていたのに...」


「そりゃあ僕は十人の声も聞き分ける豊聡耳(聖徳太子のあれ、「とよとみみ」と読む。)の使い手ですから。」


「使い手!?」


「まあそんなことどうでもいいんです。」


「いや前回、どこでそんな情報を?って言ってましたよ!?」


「前回とか言っちゃだめですよ、この世界の住人として!」


「で、どうでもいいからなんなんですか?」


「はあ...いいですか?僕らの最終目的は鳥肌さんと神野さんをカップル、もしくはそれ以上のいやーんな関係やあっはん

うっふんな関係にすることです。」


「カップルは分かるけどその後のはなんですか。」


「本人に言ってください。」


「ていうか、鳥肌さんて...」


「で、そのためにはまず神野さんが鳥肌さんのことを好きにならなくてはいけません。」


「軽くスルーしましたね。」


「そのために僕らは作戦を練るべくここにいるのです。」


「無視ですか。そうですか。」


「で、関野さん、何かいい方法はありますか?」


「そうですねー...洗脳ができればいいと思います。」


「というわけで今回は鳥肌さんのおっとこまえ!なところを見せることにしました。」


「おっとこまえ!なところってどんなところですか」


「それは禁則事項です。」


「禁則事項にしてどうするんですか」


「とにかく、八月二十四日!この日は何の日か分かりますか?」


「八月二十四日...北京オリンピックが閉幕した日ですね!」


「そんなこと言ったらだめです!時間軸が狂っちゃうから!!」


「時間軸が狂うとか言っちゃだめですよ、この世界の住人として!大丈夫ですよ、みんなが生きている時代の一年後ってことにすれば!」


「みんなってなんですか!とにかく八月二十四日、この日は祭りの日です。」


これだけ言うと関野さんは全てを理解し、大きく頷きました。


「なるほど、そういうことですか。」


「そういうことです。」


「私たちは変装とかしないでいいんですか?」


「いいですか、尾行すると言うと黒いメガネをかけて相手の後ろでこそこそとやってるイメージがありますが...」


「黒いメガネってサングラスじゃないんですか」


「そんなことをやったら逆に目立つだけです。」


「またスルーですか、スルー多いですね」


「僕らは誰にも怪しまれないようにカップルのふりをして鳥肌さん、神野さんに近づきます。」


「...カップル?ちょ、ちょっと待った!あいや待たれい!なんですか、私たちは腕くんだり焼きそばを同じ箸でたべたり

ましてやお互いのかき氷を混ぜて変な色にしなくちゃいけないんですか?」


「いや、一番最後のはいらないと思いますけど。嫌ですか?」


「いやいやいや、いくら白石さんでも腕を組むのは恥ずかしいですよ。」


「そんなに僕のことが嫌いですか...」


「言ってませんよ!?」


僕はおおきくためいきをつきました。


しょうがないですね、この手段を使うしかなさそうです。


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