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第七章:夢オチ…なわけない

またまたふざけたタイトルです。内容もやっぱりふざけきってます☆

「ふぁ・・・・・んー・・・・・」


伸びをし、辺りを見回した。


「・・・・・・・・・・あれ?」



昨日は結局ジュエルに絞められて、ジュエルの分の夕飯も作らされて、ジュエルに僕のベッドを占領された

んだよな・・・・・・。うあ、踏んだり蹴ったりだったな・・・昨日の僕。


でもなんでそんな僕がベッドで寝てるんだ?


    

僕はベッドを撫でてみた。もしかして・・・・・・・


「もしかして・・・昨日の事、全部夢だったんじゃ・・・・・!!!」

そうだそうだ、きっと長ぁーい夢で、やっぱり霊とか能力とかなんてなくて、神なんていなくて、使い魔なん

てのもいなくて、それでそれで・・・・・・・


「それで、なんだ?」

「それで・・・やっぱり僕は普通な人間で・・・・って・・・」

「はよ」


    


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ジュエル・・・さん?」

「はい?」

「これは・・・・・・・・現実?」

「じゃあ(つね)ってやろうか」



                        ギュムッ



頬を抓られた。

「あれ?痛くない・・・やっぱり夢なんだ!!!!僕には能力なんて無いんだ・・・・・・!!!!」

「なわけない」




                     ギュムムムムム!!!



「いたたたたたたた!!!痛い痛い!!!!!」

「目ぇ覚めたか?」

「やっぱり現実なんだぁ・・・・・・でもなんで僕ベッドに・・・?」

「アタシが運んどいてやった。流石に床で寝るのは可哀想だと思ってな。まぁついさっきの事だけど」

「可哀想だと思うんなら僕のベッドで寝るな!!!」


    

僕は顔を洗いに洗面所へ向かった。


    

やっぱり本当なんだ・・・。夢オチがせめてもの希望だったのに・・・・。

『夢オチってなんか危ないこと言ってるね?』


猫耳を生やした少女が、僕に語りかけた。

「えっと・・・・・猫・・・・・・娘だよね?・・・小さい頃よく遊んだ・・・・・・」

『あ、覚えててくれたんだ?』

昨日の夕方になるまでは全く忘れてたけどね。

「君も魔界とか天界とかの人なの?」

『そーだよ?魔界の中の「キャッツタウン」に住んでるの』

「魔界の中でも色々別れてるんだ・・・・そういえばジュエルがそんな事言ってたっけ・・・・」


僕がそう呟いたときには、もう猫娘の姿はなかった。遊んでたときも、いきなりいなくなっちゃってたっけ。


顔を洗い、朝ご飯の準備をした。とりあえず、ジュエルの分も。



「おーい、朝ご飯作ったけど食べるか・・・・って、あれ?」

いない・・・・・さっきまで僕の部屋にいたのに・・・・・・


僕の服が「ちょんちょん」と引っ張られた。振り向くと、そこには幼い男の子の霊がいた。

『あのね、羽が付いたお姉ちゃんが、「出かけてくる、朝ご飯はいらないって伝えとけ」って』

出かける・・・・?どこへだろう?別にどこでもいいけどさ。





「今日も元気ないな?なんかあったか?勇気」

 学校で、健が心配そうに僕に尋ねた。


うん、そうなんだよ、なんかあったんだよ!!使い魔っていうのが来て、安西さんと戦って、霊を操って・・・・もう

ハチャメチャだよ!!・・・・・・・・・・・・・なんて言えないよぉ・・・。

「なんか悩んでるんなら俺に言えよー?一人で溜め込むのは体にも悪いしさ」

「な?」と言いながら、健はニコッと笑った。嗚呼、久しぶりに聞いた労わりの言葉・・・・。健、ありがとう!

でも悩みは言えない。言ったら変人扱いされそうだし・・・。


「勇気・・・・なんかすっごく顔色悪いぞ・・・?俺、なんか変な事言ったか?」

いつの間にか僕の顔は青褪めていたらしく、健にあらぬ心配をさせてしまった。

「大丈夫、なんでもないから・・・・・・」

と言ったとき、健の視線が僕の首筋にあたった。

「勇気、ここ、どした?」

健は自分の首筋に手を当てて言った。


首筋?特に何もないと思うけど・・・・・あ、昨日ジュエルに鎌で切られたんだ!!命に別状は無かったけど、結構深

くやられたんだよな・・・・・血がドバドバと・・・・・ひっ!思い出したくない!!!

「暴力でも・・・受けてんのか?」

健は厳しい顔つきで僕に言った。

「まぁ・・・・受けてるって言えば受けてるかな・・・・・」

思わず口が滑った。

「マジで!?誰に!?親とか?」

「や、親とかじゃないから安心して!!つーか今の発言取り消しっっ!!!」

「この学校の奴か?だったら俺がとっちめてやるけど・・・・」

いや、きっと君にも手が負えないと思うよ・・・・。なんせ相手は未知の生物だし・・・・。鎌とか縄とか取り出す奴だし・・・。

「暴力って言っても!喧嘩みたいなもんだし!!大丈夫、全然平気だからさぁ!!!」

とりあえず嘘を付いた。あながち嘘でもないんだけどさぁ・・・。

「勇気って喧嘩とかする奴じゃないよなぁ・・・?ま、平気なら良いんだけどさ」

健はまたニコッと笑って自分の席に着いた。改めて人の優しさが身に沁みる・・・・。




放課後、教室を出ようとしたら後ろからもの凄い衝撃と痛みが走った。

「っっっったぁああーーーー!!!!!」

「え?ゴメン、そんなに痛かった?」

後ろを振り向くとそこにはメイが居た。どうやら僕に突進したらしい。

「そんなに強くぶつかったつもりじゃなかったんだけど・・・・」

痛みの原因は、多分安西さんと戦った時の傷だ。お腹以外にも何箇所か鉄パイプを喰らったから・・・・・。


そう言えば、安西さんは・・・・・?

僕は辺りを見回した。今日は休んでなかったと思うけど・・・。


「斉藤君・・・・」

名前を呼ばれて、前を向くとそこには安西さんが立っていた。

「あの・・・昨日の事なんだけど」

「う、うん。安西さん、ジャンクになってたからって気にする事ないと思うよ?えっと・・・とりあえず×は無くなったんだし!」

「ジャ・・・ンク?なんの事か分かんないけど、あの時私何かしてたの?」

え・・・・・?覚えてないのか?あ、そう言えば正気に戻った後もそんな事言ってたっけ。

「気が付いたら斉藤君が目の前に居るし、しかもボロボロだし、私は何したか覚えてないし・・・・」

「えーーーっと・・・・・・・・」

『能力使って暴れてました』なんて言えないし・・・・・。

てゆーか安西さんって自分の能力に気づいてるのかな?あの時×は取れたけど傷は残ってたからまだ能力はあるんだよなぁ・・・。


「ちょっとぉー!二人で何の話ぃー???アタシ除け者ぉ??」

忘れてた。メイが後ろに居たんだった。コイツに聞かれるとマズいな・・・・。

「メイ、急用があるから!ばいばい!!」

そう言って安西さんを連れて校門の外へ出た。





「・・・・・私が風を使えるのは小さい頃から知ってたけど・・・」

家の方向が一緒だったので、帰りながら事情を説明した。

僕と違ってすぐに状況を理解してくれた。僕なんて今でも信じられないのに。

「私がね、風を始めて使ったのは二歳の頃なの。嵐の日に、看板が弟目掛けて飛んで来て・・・・気づいたら私は風を止めていたの」

「なんか凄いな・・・・」

「弟はその時零歳だったから覚えてなかったけど・・・弟のベビーカーを押していたお母さんはかなり驚いちゃって」

そうだよなぁ・・・・・・。自分の娘が風を操ってたらそりゃ驚くわな。

「神の落とし子だのなんだの騒いでたけど・・・その時位からかな。記憶が時々飛ぶようになったのは。最初は少しだったんだけど」

「ジャンクとして暴れてた記憶はないんだな?」

「うん・・・・。気づいたら知らない場所に居て、その場はめちゃくちゃ。親達は『障害者を授かってしまった』って絶望してた」

酷い話だ。すっごく、辛い話だ。


「・・・それで、私は『ハンター』とやらになっちゃうのかな?」

「うーん・・・でも元はジャンクだったワケだし・・・・・」

ホントのところ、どうなんだろう?


    

安西さんと別れて、家に着いた。ドアを開けると・・・

「おかえり」

そこにはジュエルが立っていた。

「え・・・と、ただいま・・・?」

なんとなく半疑問系になってしまった。

「ジュエルこそ戻ってたんだ?つーかどこ行ってたのさ」

「ちょっと天界へなー。神にハンターを無事確保したって伝えてきた」

確保・・・・・。僕はなんかの事件の犯人か。

「神な、お前の事気に入ってたぞ?写真見せたら『何この子!!ちょーカワイイんですけど!!ヤバッまじかわぁ〜♪一人称、

「僕」って言ってそー☆』ってな」

「やっぱり神って軽い・・・って!いつの間に写真を!?」

「だって神が欲しがるんだもん」

欲しがるからって隠し撮りかい!!

「神はカワイイ子に目がないからなー。勿論カワイイ女も好きなんだが、女顔の男も最近ハマってるそうだ」

「なんか危ないな、神・・・・・・・」

確かに僕は結構女顔だけど・・・・・。


「あ、そう言えば」

僕は安西さんの事を思い出した。ジュエルに聞いて見ると・・・・

「勿論」

と、簡潔な答えが返ってきた。

「え、じゃあ安西さんもハンターに・・・・」

「当たり前だろ。ハンターは多い方がジャンクを狩る効率が良くなる」

まぁそうだろうけど・・・・・・・。

「きっとそいつの所にも使い魔が行ってると思うぞ?」





―――――少し前の安西宅・・・・・・


「あれ?お母さん居ないのかな・・・?」

どうも、安西さんコト安西深雪(あんざいみゆき)です。さっき斉藤君と別れて家に帰ってきたんだけど・・・・・・。

「いつもこの時間は居るのになぁ・・・・。あれ?拓も居ない?」

弟の(たく)も見つからない・・・。買い物でも行ってるのかな?


私の部屋に続く階段を上っていると、部屋から人の気配が・・・。

    

                   ガチャリ・・・・・・・・


恐る恐る部屋のドアを開けて見ると・・・・・



「お、帰って来た帰って来た〜♪」

そこには猫耳の少年・・・・って言っても私より年上らしき男の人が立っていました。十七歳位かな?

・・・・・・・・・って冷静に分析してる場合じゃないか。

「どちら様ですか・・・・・?」

「使い魔様です」

ニコリと笑った使い魔と言う人は、ゆっくりとこっちに近づいてきた。

「使い魔って事は・・・私はハンターになるんですか?」

「へ?なんで分かってんの?」

さっき斉藤君の話に出てきたし・・・・。

「・・・・・・・とりあえずそーゆう事。よろしくな、安西深雪ちゃん♪」

「猫耳・・・・・・・・・・・・・・・」

「ん?あぁ、これか。・・・ってなんで震えてんの・・・?」

自分でも身体全体が震えてるのが分かりました。斉藤君の時も堪えてたけど・・・・・もう我慢できないっ!!!



「か・・・・・・・・」

「か?」



「かーーーーーーーーーーあいいーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



「へ!?・・・ってうわっ!!」


私の可愛いもの好き魂が我慢できずに、使い魔さんに飛びついてしまいました。斉藤君の時も結構危なかった・・・・。

    

「猫耳なんて萌えの基本問題と応用問題みたいなもんですーーー!!!!」

「なんか意味分かんない事言ってないで離れろ!!苦しい!!!」

「いーやーでーすーー!!ギューーーーーー!!!!」

「いたたた!!力を入れて抱きつくなっっ!!!」



この後、私はまた暴走してしまった様です。あと、この使い魔さん、シャムと言う名前だそうです。

名前も可愛くて、またまた暴走しちゃいました。テヘ☆

神のセリフ出せて良かった!!あ、神はオカマじゃありませんよ?決っっして!!


深雪ちゃんも出せて良かった〜。ホントはここまで出しゃばらせるつもりじゃなかったんですが・・・^^;この手が!!この手が勝手にぃぃいいい!!!(殴


因みにシャムも違うハンターの使い魔になるはずでした。でもノリで深雪ちゃんの元に・・・。これはこれで面白そうだからいいや♪(計画性0

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