第五章:十四年前の出来事
「×を跳ね返した・・・・・・・?」
話が難しいのと、ありえない事ばかり聞かされたのとで頭がこんがらがってきた。
「跳ね返したというより・・・・拒んだんだ、お前等は」
拒んだ?まあそんな危なっかしい刻印を付けられそうになったら誰でも拒むだろうけど・・・・。
「零から五歳の子供だぞ?そんなちっぽけな頭じゃ理解できんだろ。ましてやお前は当時零歳だったんだからな」
「・・・・ってことは十四年前に起こったのか・・・・ってまた心を・・・」
「人から聞いた話だから詳しくは知らんが、その四百人の子供達は自分の能力を応用・・・?して雑魚神を寄せ付けもしなかったとか
そうじゃないとか」
「無視かですか。しかもなんか曖昧だな」
「しょうがないだろ?その聞いた人ってのは神なんだから。ちゃんとした情報かどうか分からん。なんせあの神だし」
神頼りないっっ!
「・・・・・と、まぁこんなトコだな。んで、お前がやった技の事だが・・・・」
あの×を壊した事か・・・。あれ技だったのか。
「あの技はな、今まで『可能性はある』と言われてきたが、誰も一度も成功した事がない技なんだ」
「ふーん・・・・ってえぇ!?そんな高度な技なの!?つーか・・・・あの変な光の技、一体なんなんだ?」
僕は何をしたのだろう・・・。とりあえず×を壊したのは間違いなさそうだ。
「あの技はな、お前の予想通り×を取り除き、壊す技なんだが・・・」
当たり前の様にまた僕の心を読んだ女は、少しため息混じりで話を続けた。
「前々から天界や魔界ではジャンクの対処法を考えていたんだ。会議や話し合いを何回も行っていた。そこでな、一人の博士が言っ
たんだ。『×なんて所詮とりつき、霊使いや妖怪使いの能力で剥がせないものか』ってな」
ん?魔界・・・?とりつき?
「魔界っつーのはアタシとか妖怪とかの類が住んでる場所のことだ。一口に魔界って言ってもかなり分類されるがな。とりつきって
ーのは、ホラ、よくこっちの世界で言うだろ?『霊にとりつかれた』って。そんな感じだ。人の体に入り込み、支配する」
「ほー。ところで、こんな風に心を読まれるのは君にとりつかれてるって事カナ?」
「博士の意見はかなり有力だった。人々はすぐに試してみた。しかしダメだった」
やっぱり無視ですか。そうですか。
「化け物達を操る様に、×も操れないか、確かに筋が通っているが、なんせ相手は雑魚でも神が付けた刻印だ。簡単には操れない」
「だろうなー・・・。んで、その大技を僕はやってのけた・・・と」
「そゆこと。だからアタシもビックリ仰天なのですよ、勇気君」
僕もビックリ仰天だ。しかも僕、操ったっていうより勝手にそうなったってゆうか・・・・・。
「お前の秘めた能力が爆発したのかもな」
「んー、そーゆーもんなのかな・・・。つーか本当の本当にお前、読心術使えんのか?」
「いや、さっきからこの霊が教えてくれてるんだ」
女はそう言って、女の隣に居る霊を指差した。
「・・・霊って人の心読めるのか。すげぇな・・・・・・人の心の呟きを勝手にバラすなそこの霊ーーーー!!!!!!!」
霊は、ビクッとなってからペコペコと必死に謝ってきた。
「あんまり責めるのもよくないぞ。コイツ、それなりにお前の事好きみたいだしな」
霊は、コクコク、と頷いてきた。
「好かれても嬉しくないし・・・つーかだったら人に教えんなよ・・・」
僕がため息をしながらそう言うと、霊は傷ついたらしく、しばらく部屋の隅でいじけていた。
「あ、そういえば使い魔・・・・・」
「ん?なんだ?」
「使い魔って・・・・名前無いの?いや、ほら!『つかいま』って言いにくいし!!」
「・・・・・・・・・教えて欲しい?」
女は表情を変えずに僕に逆に問いだした。
「いや、教えて欲しいっていうか・・・・あの、教えたくないなら別に良いしさ!!えっと・・・」
一人で焦っていた僕に、女はクスッと笑って言った。
「『ジュエル』だ。勇気」
僕に初めて向けたジュエルの満面の笑みは、僕を馬鹿にしていただけかもしれないけど、とても綺麗でまるで宝石みたいだった。
今回は少し短め?でもないか。とりあえず粗方の説明は終わりました〜;まだ説明する事あるけど、それはまた次回・・・・・・。神のセリフ入れられなかった(;;)残念↓↓