第二章:使い魔
「あの・・・今なんて・・・?」
いきなり現われた女に色んな事を聞かされ混乱気味(つーか完璧混乱してた)僕は、
やっと人間らしい言葉を言うことが出来た。
「だから・・・」
「めんどくせぇ」と言わんばかりにため息をし、女は言った。
「簡単に言うぞ?お前、ハンター。化け物、操れ。ジャンク、狩れ。」
うん、すっごい簡単な説明。めっちゃくちゃ簡単。簡単な説明・・・なんだけどさぁ!!!
「すいません・・・もう一度・・・」
「ちっ・・・もの分かりの悪い人間め・・・」
今の説明で全部理解できる奴なんていないんじゃないかな、バッキャローめ♪
「お前は、今日から、ハンター、だ。」
「うん」
「なぜなら、お前は霊や化け物を、操れる、から、だ。」
「うん」
「その能力で、ジャンクを、狩れ。」
「うん」
「・・・こーいうことだ。」
「うん」
「分かっただろ?さすがに」
「全然」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カーン!ゴングがなったね、試合開始☆
「『全然』じゃ、ねーだろーがぁぁあああ!!!てめぇの頭ん中どうなってんだ!!!!脳ミソ入って
ねーのか!?ぁあ!?」
「こんな説明で分かるわけないでしょ!!!つーか僕の頭はいたって正常です!!!」
「てめぇの頭の事なんか知るかボケ!!!」
「じゃあ聞くな!!!!!!」
はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カーン!第二ラウンド開始☆
「んだと!?てめぇアタシを誰だと思ってやがる!!」
「ンなの知るか!!!」
「使い魔だ!!!」
「もっと知るか!!!!!!」
「いいからとっとと理解しやがれ、カス!!」
「カスとはなんだ不法侵入!!訴えるぞ!!!」
「んなもん裁判官を操ればいいこと・・・ふっ」
「威張れることじゃねぇし!!つーか操んなよ!!」
「自分のピンチを自分の能力で回避して何が悪い?」
「なんかソレっぽい事言うなぁぁあああ!!!!」
ひとしきり叫んでやっと落ち着いた僕は、もう一回女に尋ねた。
「ハァ・・・ハァ・・・あなたは誰なんですか?」
「ふぅ・・・・アタシはジャンクを狩るハンターをサポートし自らを武器化する魔の者、『使い魔』だ。」
女も落ち着いたらしく、今度は真面目に答えてくれた。
「・・・・・・・・・。」
「いきなりの事で混乱したんだろうが、薄々感づいてはいただろう?霊や化け物を操れる事に。」
「・・・・・嘘だよね?」
「まだ信じてないのか?」
「霊なんているわけないじゃん・・・冗談・・・そうだ、母さんの冗談だな・・・」
「残念ながら、本当だ。」
「そうだそうだ・・・今日から僕が一人なのを思って・・・そうだろ・・・?」
「証拠ならあるぞ」
「どこにそんなもの・・・・!!」
僕はこの現実を受け止めたくなくて必死に冗談だと思い込ませた。
しかし、そんな僕とは裏腹に女は表情ひとつ変えずに僕の額を指差した。
「お前のその包帯の下の傷。それが証拠だ」
僕には小さい頃から額に傷があった。
なんか「ハリーポッター」みたいで目立ちそうだから包帯を巻いて隠しているんだけど。
「この傷は・・・僕が小さい頃に怪我かなんかで・・・・」
「そうみせかけて、神がつけたんだ。」
神だって?何言ってるんだこの女。
「神はな・・・」
女はちょっと呆れた感じで説明し始めた。
「毎年毎年、この世の中ではたくさんの子供が生まれてくる。だいたいは「特技」を持って。しかし、たまに特技が全く
ない、かわいそーーな子供もいるわけだ。」
・・・・・なんかムカついてきたぞ・・・
「でな、不憫に思った神はそーゆう子供に「特技」を与えたんだ。最初はごくごく普通の・・・しかし!神はある年から
つまんなくなってきて、『どうせなら☆』と、なんかもんのすごい能力を与えちゃったんだ。」
神軽いなー。
「そしたら神はまっちゃってさ〜・・・『よし☆来年からもこれで行こう!!』とか言い出したんだよ〜困っちゃうねー」
神ノリいいなー。つーか本当に神なのか?その言動からして・・・。
「ちゃんとした神だぞ。あれでも。年老いたじーさんだ。」
「じーさんかよ!?って心読まれた!?」
「お前の顔みりゃ分かるぞ。誰でもな」
そうかなぁ・・・あれ?そういえば・・・
「おい!使い魔・・・だっけ?今の話にこの傷の説明が全然ないぞ!」
「はぁ?お前鈍いなー・・・そんなの神が特技を与えた時、『この能力で世界を騒がせたらどうしよう・・・♪』とか言っ
て見分けがつくように子供の身体につけたに決まってんだろ」
分かるか!!しかし神若いな!じーさんだろ!!
「とりあえずこういう事だ。他に質問は?」
「えーっと・・・ジャンクって何?って事かな・・・」
「あれ?言ってなかったか?」
この女どんだけ物忘れ激しいんだ。いや、自分の考えお構いなしに言葉がでてくるのか・・・?この女ならありそうだな。うん。
「ジャンクと言うのはだな・・・ん?気配がするな・・・」
「へ?けはい?」
僕は気の抜けた声で女の言った事を繰り返した。気配?なんの?
「説明すんのもめんどうだしな。百聞は一見よりナントカって言うだろ?行くぞ!!」
一見よりってなんだ。よりって。それだと百聞のほうが一見より勝ってる感じじゃないか。しかもそこまで出てんのになんで
『しかず』が出ないもんかね。てゆーか・・・どこへ?
とりあえず女に言われるがままに行ってみると、着いたのは・・・
「・・・学校?」
中学校だった。僕がいつも通ってる。創立者がお茶好きだった事から、名前は『紅茶中学』・・・なんでやねん!!
「ここら辺にいるな・・・・」
女は辺りを見回しながら、そう呟いた。
「いるって・・・何が?」
普通の疑問。
「この話の流れで分かれっ!!この小説を無駄に長くする気かっ!!」
普通じゃない返答。
しかもなんだか危ない事言ってるよ・・・
「・・・来るぞ・・・」
「へ?」
ひゅおおおぉぉぉぉぉぉ・・・・
ん?風?・・・にしては妙な感じだな・・・僕の直感からして・・・ってまた直感!?
風の事に気をとられていたら、いつの間にか僕の目の前には女の子が立っていた。
「・・・・え?」
「おい!ぼーっとするな!!」
次の瞬間・・・・・・・・・・・・・ バシュッ!! ドグッ・・・
「うが・・・・!!」
何かが飛んでくるような音とともに、鈍い痛みが走った。
痛さの中目を開けて辺りを見ると、そこには僕にぶつかって来たらしい鉄パイプと・・・安西さん?クラスメイト
の・・・割と目立たない子・・・が・・・なんで・・・
「大丈夫か?斉藤勇気・・・」
「これ・・・何・・・?」
変な日本語になりつつも、なんとか言葉を発せた。鉄パイプはお腹に命中して、かなり苦しい。
そんな中、女は少し薄笑いしながらこう言った。
「あれがジャンクだ」
もっと早く投稿したかった・・・(/_;)
やっぱり小説書くのって難しいね。でもそこが好き!!(なんだコイツなんて思わないでください)