第十七章:キレました☆vor2
TESUTOが終わりましたーーー!!!
やった!やった!
小説の更新も再開です〜^^b
バンバン書くぞーーーーーー!!!!
今、僕はどんな顔をしているのだろうか?
いや、なんとなく分かるけど。
きっと、犯罪現場を見てしまったいたいけな少年の様な顔をしてるだろう。
それとほとんど同じ状況だしね。
「結菜・・・・・・・・これで何回目だ?」
「ん?学校のパソコンいじくったのは六・・・八・・・あ、丁度十回目かしら?」
十回!?よく捕まんなかったなぁ・・・・。
「他」
「そんなの覚えてるわけ無いじゃないー☆」
なんなんだ、この漫才の様なやりとりは。
とりあえず普通じゃない。
あぁ、さっきの健の「俺とアイツはただの他人」宣言はこのためか。
「俺のデータまで見て無いだろうな・・・」
「健の見たってなんのメリットにもならないじゃない?リスク犯して見る程でも、ね?」
「うわっ!なんか安心したけどムカつくっっ!」
「えーっと、お取り込み中みたいなんで僕はこれで・・・」
「「ちょっと待てぇーい!!」」
ち・・・・やっぱりこの状況じゃ逃げられないか・・・・・。
「・・・・・・・って事で、勇気。これが俺のただの奇人幼馴染、葉咲結菜。悪い事は言わないから関わるな、って言いたいところだけど
もう目ぇ付けられちゃってるしな。ご愁傷様。南無南無」
「ペットは飼い主に似るって言うよね。つまり近くにいる者同士はどうしても似ちゃうもんなんだよね。つまり健も奇人だった
んだ?へー・・・近づくな異人」
「あ、勇気怒った?ご愁傷様って言ったの怒った?それとも南無南無?」
「ここで怒るべきなのは私だと思うんですけどねー・・・ふふふ、奇人かぁ」
「おい、なんで俺の『奇人』には怒って、勇気の『異人』には無反応なんだ」
「異人なんて素敵な響きじゃない・・・!!勇気くんらしいユーモラスな言霊だわ」
「どうも」
「ここまで完璧な差別受けたの初めてだ、俺」
なんか僕まで会話が漫才っぽくなってきたな・・・。あ、この小説の会話文は元からそうか。
「お、結構暗くなってきたなー」
空を見上げると、夕焼けはもう終わりかけ、夜の空になり始めていた。
「勇気、お前時間大丈夫か?」
「え?あぁ・・・・」
帰ってご飯作らなきゃ。
ちょっとでも遅くなるとジュエル煩いんだもん。
第一、この状況を早く抜け出したい。
さっきから健と葉咲さんのボケとツッコミのエンドレス。
それに巻き込まれる僕の身にもなれってんだ。
・・・・・・まぁ、見てて結構面白いけど。
「勇気くん、帰っちゃうの?」
「え?あ、うん。そろそろ・・・・」
よし!これで逃げられそうだ!!
なんか葉咲さんがこの世の終わりの様な顔でこっちを見てるけど気にするもんか。
自分が第一! 鬼?悪魔?人でなし? ふん、それで結構!!
邪魔さえ入らなければもう帰れる。
そう、邪魔さえ入らばけれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あれれ?勇気君ー?」
・・・・・・・・・・・・・・ば、帰れたのに、ねぇ?
「安西さん?」
「あ、やっぱり勇気君かー。勇気くんの家ってこっち方面じゃないよねぇ?」
「ちょっと友達と話してて・・・・安西さんは?」
安西さんの家もこっちの方面では無いはずだ。
「私?私はねぇ・・・・・フフフ、超!大人気コミックス『ばじるそーすで召し上がれ☆』の最新刊を買ってきたのでぇす!!」
安西さんが頭に掲げたのは、絶対に一冊以上は本が入ってあるだろう、パンパンになった書店のレジ袋(って言うのかな?)だった。
「あー、それ今日発売なんだっけ」
「そー!だから家に帰った途端制服も着替えずに本屋さん行って買ってきたのー。で、ついでに目に付いた同人誌も多々・・・」
「だからか。そんなに袋が破裂ギリギリなのは」
「えへへ。『ばじそー』買ったら帰ろうと思ったんだけどね〜。好みなアンソロジーの新刊の表紙がめちゃくちゃ可愛くて」
安西さん、そちらの専門用語は通じない方々もたくさんいらっしゃるから。
例を挙げれば、僕の頭の上に腕を乗っけてる健。「全く意味が分からない」といったご様子ですよ?
「えーっと、漫画の話?」
「うん、まぁ」
「あ、笹本くんも読んでみる?面白いよー。ね、勇気君」
あえてそこで僕にふりますか。
「うーん、面白いっちゃ面白いけどさぁ」
「何、勇気も読んでるのか?」
「・・・・・・・・・・・安西さんに無理やり薦められてさ・・・」
「でも全巻読み終わったでしょー?いやー、さすがにうちの弟には薦められないからさ。少女漫画」
「え、それ少女漫画?」
健の声がなんか僕の身体のどっかに刺さっていく気がする。
「少女漫画・・・・読んでるのか?勇気」
「・・・・・いや、だから安西さんの薦めで・・・」
「最新刊、見終わったら貸すからねー」
安西さん、なんでこのタイミングでそれを言うのですか。
だから最後まで読むのを拒んだんだ!!知られたら絶対こんな風になるって分かってたし!!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・え、えっと!そういえば葉咲さんは安西さんと初対め・・・・・ん?」
葉咲さんや、なんでそんなに震えてるんですかぃ?
しかも周りに生々しい殺気を振りまいて。
質問されたのがそんなに嫌だったのか?
僕はただ、この健の視線から逃れようとしてただけなのに。
「勇気君・・・・・・・」
「は、はぃい!?」
葉咲さんの前で声が上がったのはこれで二度目だ。この人の不のオーラというか、そういうのが怖い。
「この人・・・・・・知り合い?」
葉咲さんの人差し指の先には、さっきから満面の笑みの安西さん。
「え、まぁ、知り合いと言えば・・・」
「んー?勇気君と私の関係?それはもう親密な関係だよぉ」
ゴワッ
な、なんか葉咲さんの後ろの殺気がもっと大きく、濃くなっていくぅ!
「あのさ、安西さん・・・・・」
「あ、そういえば前から思ってたんだけどさ、『安西さん』って固っ苦しいよ」
「え、じゃあ・・・・・『深雪』?」
ゥゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
ちょ、もっと大きくなったってば!!どうするよ、これ!
「あ、良いね、それ。じゃあ、勇気くんも『勇気』かなぁ?」
「まぁ、ジュエルにもそう呼ばれてるし別に良いけど・・・」
「じゅ・・・・・える?」
ゴフアッッッッッッッ
葉咲サンノ殺気ガ 溢レ出シタ
ドウスル?
△逃ゲル
△ズラカル
△脱走スル
よし、全部の選択肢が逃走だ!闘争じゃないぞ!逃走だ!
逃げるが勝ち!!
勢いつけて、ダーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッシュ!!!!
「お、勇気発見〜」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんで今日はこうも邪魔が入るんだ。
「あ、ジュエルさん〜今日もお美しいー」
「ジュエル・・・・」
「ん?勇気達の知り合いか?」
「これが・・・・・・じゅえる?」
「なんでこんな時に・・・・・って、え?」
ジュエルみたいな使い魔は、普通の化け物達と違って霊力が強い。
だから、霊力が高い人なら結構ハッキリと見える。
けど、それはあくまで霊力の高い人の場合。
見たところ、葉咲さんと健はそんなに霊力は高く無い。ていうか、ほとんど無いに近い。
なのに、なんで見えるんだ?
「それはアタシが現世でも一つの固体として存在することが出来る、云わば『きぐるみ』みたいなもんを被ってるからだ」
「また読心!?」
「あー、そういえばシャムちゃんもときどきそんな風に実体化して、学校とかに遊びにきたりしてたなぁ」
「え、シャムもそんな事するの?」
「んー。ああ見えてシャムちゃんも結構いたずらっ子のわんぱく坊やだから」
意外だー。ただのベタじゃなかったのかー。
「勇気、知り合いか?」
「あー・・・・えっと・・・」
「勇気の従姉のジュエルです。いつも勇気がお世話になってます」
「って、うぉい!何勝手に嘘ついて・・・」
「あー、なるほど!確かに美形なとことかそっくりっすねー」
健、騙されてるし・・・。
しかもいつもよりニコニコしてて、やけに猫かぶってる。
「あ、勇気。今日、ちょっとむこうに帰る用事があってな。メシはいらん。明日の夜には帰ってくる」
「え?あー分かった」
「ど、どどどど同棲!!!?」
また葉咲さんが何かを叫び始めた。
まぁ、実質的にはそうなるけどさぁ・・・。
「うふふ、同棲なんてものじゃないわよ?ちょっとこっちの方の高校に用事があったから、その間泊めさせて貰ってるだけなの」
「だってさ。だから落ち着け、結菜」
「健は黙ってて・・・・・・。従姉同士は結婚だって出来るのよ!?」
何を言いだすんだ、この人達は・・・・。
ジュエルもよくこんな嘘っぱちがスラスラと出てくるもんだよ。
「あ、もう行かなきゃ。じゃあね、勇気、深雪、お友達の皆さん」
ジュエルが僕の肩に手を置いた。
やっと災厄が去る・・・。もう葉咲さんの背後のどす黒いオーラが爆発寸前だよ。
これで僕も帰れば一件落着だ・・・・・・・・・・・・・と、僕は思っていた。
僕の身体が引き寄せられた。多分ジュエルだ。肩に乗っている手に力がこもっているのが分かる。
そんな事を考えてると、頬に何かが触れた。
なんだろう?
振り向いて見ると、そこには結構ドアップなジュエルの整った顔。
えーっと。
こんなに顔が近いって事は、多分ジュエルの唇が当たったんだな。距離感が、なんかそんな感じだ。
「頬にキスをした後」って感じの距離。そうだ、まさしくそれだ。
って事は僕、キスされたのかな?
ま、別に頬にキスなんて外国じゃ挨拶みたいなもんだし。どうって事ないけどさ。
ただ、僕の目の前にいる人物にとっては、どうって事ありそうだ。
ぶごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごご!!!!!!!!!
「ジュエルさん大胆だなーあはは」
健、笑い事じゃない。
「あの女・・・・・許すまじ」
「ちょ、葉咲さん!落ち着いて!」
今にも刃物を取り出しそうな形相の葉咲さん。すっごい怖い。
「あ、あのさ、アイツ外国育ちなの!だから名前も「ジュエル」だし!ほら、外国だとこーゆーのって挨拶・・・・・」
「ここは日本よ、勇気くん・・・」
ごもっともな意見!!
「あ、ああ!もうこんな真っ暗!僕、帰らなきゃ」
「あ、私ももう帰んなきゃー。シャムちゃんが『ばじそー』を待っている〜」
気のせいか、今、どこからかシャムの様な声で「適当な事言うな!」っていうツッコミが聞こえた気がする。
「えっと、葉咲さんばいばい!!また今度!」
「ばいばいー笹本くんと葉咲さん〜。あ、あと勇気・・・」
安西さんが僕の腕をぐいっと引っ張る。
頬が、唇の様なものが当たるのを感じ取った。
振り向くと、ニコッと微笑んでいる安西さんの顔のアップ。
うわぁ、デジャヴ。
「じゃ、ばいばい〜愛しの勇気♪」
「ちょ、安西さ・・・・」
「安西さんじゃなくて深雪!」
「え、あ、深雪・・・・・・・ってそうじゃなくて!」
たたた〜っとかけていく深雪。
「ちょっと待てぃぃぃ!!!!!!」
そんな事を叫びながら深雪を凄まじいスピードで追いかけていった葉咲さん。
取り残された、僕と健。
「勇気・・・・・・・・・・・・・・・・・・お前も大変だな」
「健ほどじゃないよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「はは、そうだな・・・。あれはもう化け物の領域だからな」
「まぁ僕の周りの奴等もそんな感じだけどね」
実質、そうだし。
「あのさ、健。今日僕ん家誰もいないからさ、うちでご飯食べない?愚痴をおかずにしながら」
「おー、俺も今勇気誘おうと思ったところだ」
「なんか無性に色々愚痴りたくなってきた」
「俺も」
「そうだ、そこのコンビニでなんか飲み物とお菓子買ってこうか」
「パーティー気分だな、あはは・・・・」
その夜、僕達は多分一生分くらいの、女の子についての愚痴を言い合いました。
とてもスッキリしました。なんか肩が軽くなった気分です。
同じ苦しみを味わっている友達って、良いなぁと、改めて実感しました。
健とは、また長い付き合いになりそうです まる
ラブ要素満載なのに、色気が全く出てこないのがこの章の凄いところ^^(爆
前々回の方が寧ろ執筆していてこそばゆかったです。
今回キレて貰ったのは結菜ちゃん。
ジュエルと深雪に遊ばれましたww
いち早く「この子が勇気に惚れてる葉咲さんか…」と察知し、いち早くいぢめちゃいました^^
でも、結局のところ一番の被害者は勇気と健ですね。
二人とも精神的にやられてしまいました(笑
可哀そーにwww