第十一章:記憶の声
テスト終わりましたーーーー!!バンザーイ、バンザーイ!!!! これでやっと小説更新出来ます;;よし、頑張るぞぉ☆
少しながら、血などちょっと残酷な描写があります。いや、ホントにちょっとなんですけど!!;;ほとんどの人が「な〜んだ、こんなもんか」とか言うと思いますが、極度に苦手な方はご注意を。
――――勇気
誰?
――――普通なんて無いんだよ、勇気
誰なんだ?
――――普通な人間なんていないんだよ
何を・・・・・・
普通――― 能力――― 不幸な事故――――
違う、事故じゃない。事故なんかじゃない。 普通じゃなかったから・・・・普通じゃ・・・・・・・
「勇気?」
目を開けると、ジュエルが僕の顔を覗き込んでいた。
「どうした?悪い夢でも見たか?」
ふと我に帰ると僕は汗まみれだった。
「夢で・・・・・・声がした」
「声?」
誰の声だったけ?聞いた事がある声だった。あれ?そういえばあの声、なんか言ってたような・・・・・・・・・。
「早く着替えろ、出かけるぞ」
「へ?出かけるってどこへ・・・・・」
「ジャンクのいる場所だ」
ワケが分からない儘パジャマを着替え、朝食を作った。
「ジュエル・・・・・ジャンクのいる場所って・・・・」
「今はさっさと食え。後で話す」
なんでそんなに急ぐ必要があるんだろう?謎は深まるばかりだ。
朝食を食べ終え、とりあえず外へ出た。
「・・・・・・・・で、どこに行くのさ」
もう答えてくれても良いだろう。多分ジャンクを狩りに行くんだろうけど・・・・・・。
「えーっと・・・・あ、あったあった」
何か紙を取り出したジュエルは、それを読み上げた。
「『ハンター・斉藤勇気 使い魔・ジュエル
お前達の近辺にジャンクが発見された。ただちに狩って来い。
ジャンクのレベル、一 ジャンクの能力、水使い』」
「・・・・・・・・は?」
僕の口から間抜けな声が零れた。
「『発見された場所、ショッピングビルディング「プラス」内
また、かなり×に取り込まれているため、辛うじてまだレベル一だが成長する恐れ有り。
健等を祈る。』」
ジュエルは一通り読み上げふぅ・・・と息着いた。そしてまた読み始めた。
「『追伸 あそこのシュークリームマジ美味いんだけど!!買ってきてぇ〜♪』」
「おいっ!!!」
「どした?勇気」
「『どした』じゃなくて!なんだ、最後のふざけた追伸は!!また神か!!?」
「違うぞ。これは天界の中で神々の次にお偉い大総統様直筆の手紙だ」
なんであちらのお偉い様方は皆軽いんですか!?ホントに大丈夫かよ、この世の中。
「ジャンクに出会う確立なんて奇跡に近いからな。ジャンクの居場所が発見されたら一番近くに居るハンター達に知らされる
様になってるんだ。便利だろ?」
「はぁ・・・・・・・。まぁ便利っちゃ便利ですけど・・・・」
別に僕らが狩らなくても良いんじゃないのかな?面倒臭いし、危険だし。
「そんな勢いじゃとても優勝できないだろ?」
「・・・・・・・・今度はどいつだ・・・・・どの霊がチクリやがった・・・?」
「化け物操り者なんだからその位自分で防げ。まだまだ甘いな」
あ、そっか。でも常に操るのって大変そうだな・・・・。別に防がなくても良いか。
「じゃ、行くか」
「ジュエル、行き方分かるの?」
「地図も同封されてたからな」
「どんくらいかかりそう?」
「そうだな・・・・この位なら飛べば五分ちょいで着く」
飛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぶ?
今なんて言いましたっけ、この人。あ、さっき顔洗った時に耳に入った水がまだ残ってるんだな。「飛ぶ」なんてありえないし。
「適当に霊を集めるかー・・・あ、お前等ちょっと乗り物になれ。つーか嫌でも操る」
如何にも嫌がってる霊達をジュエルは無理やり操っていた。わぁ、なんか泣いてるよ?霊。
暫くすると、霊は姿を消した。そして・・・・・・・・
ふわ・・・・・ふわっふわっ
ジュエルの体が浮いた。
「って、ぇぇぇぇぇぇええええええええええええ!!!!?」
目を擦り、もう一回ジュエルに目を向けると・・・・・・・・
「う、浮いてる・・・・・・・」
「当たり前だろ、飛ぶんだし」
いやいやいや、君、当たり前の意味を間違っている。当たり前は「普通」の中に生まれるものであって、けして「異常」な中から
当たり前は出来ないんだよ?
つーかホントに飛ぶのか!!!!!!
「・・・・・何ボーッとしてるんだ?急げ」
「この状況で呆気にとられない人ってどれ位いるのでしょうか?」
「お前も出来るだろう?早くやれ」
やれって言われても!
「操って霊の力を取り込むんだ。霊が浮ける能力を使えば誰でも浮ける」
浮くのは誰でも出来るのでしょうが、例を操るのは誰でも出来ないのでは無いのでしょうか?
ツッコミたい事はまだまだあったけど、きりがないので取り合えずジュエルの言う通りにやってみた。
えー・・・っと、操りながら力を取り込む・・・・・・・・・・・どうやって?
「ジュエ・・・・・・・」
「いいからそれとなくやれ」
横暴かつめちゃくちゃだぁ!!!!
それとなく・・・・・・・それとなく・・・・・・・・・・・・こんなんで取り込めるのかなぁ?
スゥ・・・・・
霊が透けてる・・・・・・・・・・?あ、消えた・・・って消えたぁ!!?
ふと僕は手を見てみた。それは輝いていた。ていうか光に包まれていた。
×を壊した時と一緒・・・いや、違う。あの時の光よりも透明感があって・・・・・・・。
「そろそろ取り込めただろ。じゃあ飛べ」
またもやこのお方は無茶な事を仰る。
「はぁ?」
「いいから浮け!」
「そんなぁ・・・・・・・って、うわ・・・・わわわっ!!!」
ふわふわと地面が離れて行く。バランスを崩して倒れそうになったけれど、地面にはぶつからなかった。空中で体が留まっている。
僕等は飛びながらショッピングビルディング「プラス」に向かった。こんな事して人に見られたらどうするか、と聞いて見たが、
「どうせ人間共には鳥とかにしか見えないだろ。もし正確にアタシ達を見たとしても、誰もそんなの信じやしないだろうしな」と
言って、顔色すら変えなかった。僕は心配でならないのに。
「ジュエル・・・」
「ん?」
「ジュエルも僕みたいに霊使えてたけど・・・・魔界とかの人って皆そういう能力あるの?」
「皆ってわけじゃないぞ。アタシ等もな、一人一人違う能力が備わっていて、使い魔は同じ能力を持っているハンターの下へ行く
んだ」
「そうだったの?じゃあシャムも・・・・・」
「深雪と同じ、風使いってこったな」
へー・・・・・・・。シャムもそんな凄い能力持ってたのか。つーかジュエル、いつから安西さんの事を「深雪」って呼ぶようになったん
だろう?ま、ジュエルが「安西さん」なんて言ってたら気持ち悪いけどね。
「あそこだな」
ジュエルの指差した方向には、「プラス」と大きく描かれた看板が飾ってあるショッピングセンターがあった。
「あそこかぁ・・・。あれ?でもなんか静かだな・・・・・」
ジャンクがいるならもっと騒がしいはずなのに・・・。
「いっつも暴れまわってたら人間が来ないだろ。少し学習してるみてーだな、あのジャンク」
「あ、そっか・・・。でもさ、なんでジャンクって人間を傷つけたりするの?これも雑魚神の意思?」
「まーそんなトコだな。ジャンクに付いている×はそれぞれ付けた奴の意思に反応し、それが×の意思となる。つまり人間と限らず
色んな生物を滅ぼすようになってるんだ」
酷い・・・・・・・・・・・・・・・。そんな自分の都合だけで・・・・・・・。
「・・・・・・・とりあえず、この世のジャンクを全部お前が助けてやれ。そうすれば死人は出ない、優勝する、で一挙両得☆」
「最後のやつがなんか自分のためっぽいぞ!?しかもなんでそんなに優勝したがるかなぁ・・・・」
「だってなんでも叶えてもらえる特典があるんだぞ?お前は望みとか無いのか?」
「別に・・・・」
「夢が無いなー」
「うるさいなぁ・・・・」
僕は普通に生きたい。それを神に叶えてもらっても、普通じゃない手段で普通に過ごしてる事になる。あー、ややこい!とにかく普通
のがする事じゃない。異常だ。
でも・・・・・・ホントになんでも叶えてもらえるのかなぁ?だったら・・・・・・・・・・
「ジュエル?」
「ん?」
「あのさ・・・・、その・・・なんでも叶えてくれるって・・・・・・・」
「よし、ここで降りるか」
「えっと・・・・って降りる!?どうやって・・・」
「てきとーに」
「適当!?無理無理!!バランスが・・・・うわぁ!!!!!!」
間一髪、コンクリートスレスレのところで止まった。というより、僕の心のコントロールで動くから、落ちる事は無いらしい。ジュエル
が言っていた。
ジュエルに「なんでも叶えてもらえる特典」について聞きそびれた・・・・・。また後で聞くか。
「普通に人いるね・・・・」
「だな。マズイ・・・・このままじゃ被害が大きく・・・・・・・・・・・・・」
ガシャーーーーーン・・・・パリ・・・・バキバキバキ!!!
そんな音と、周りの人の悲鳴が聞こえた。
「ジャンクが暴れ・・・・・!?」
ズガ・・・・・・・・ン バリ・・・バリバリ・・・・・・
背後で異様な音がした。振り向くと・・・・・ジュエルが蹲っていた。
「ジュエ・・・・・!!!!!!」
ジュエルに駆け寄ると、今度は同じ様な音が僕のすぐ隣で。
音がした方をよく見てみると、グシャグシャになったコンクリートの地面と・・・・電気?
「ジュエル・・・・・・・これ!!!」
なんで電気が!?ジャンクの操るのは水だったはず!!!
「た・・・ぶん・・・・・水の・・・中に・・・・・・・・電気を・・・・・流し・・・・・・・・・・」
既に目が虚ろになり、コンクリートに血を垂らしながらジュエルはフラフラと立ち上がった。
「ジュエル、もしかしてさっきの・・・!?」
「油断した・・・・・雑魚と言えど、直に喰らったのは・・・・やばかったかもな」
安西さんの時も凄かったけど・・・・これはレベルか違う!!
ん?レベル・・・・?そういえばさっき大総統の手紙で・・・・・・
『また、かなり×にとりこまれているため、辛うじてまだレベル一だが・・・・・・』
この次なんだっけ?えーっと・・・・えーっと・・・・・・・あ!思い出した!!
『だが、成長する恐れ有り』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヤバくない?
『健等を祈る』
ど、どうしょう・・・・・。つまりレベル二になっちゃうかもしれないって事だよね?つまり安西さんの時と桁外れ・・・・・・・。
うわぁぁあああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
とりあえず一旦非難しなきゃ・・・・
・・・・・・・イヤー!!!! だ、誰か・・・・・・・ キャーーーーー!!!・・・・・・・
あ、まだ建物の中に人が・・・・・・
・・・・・・く・・・来るなぁぁ!!!!!! ば、化け物ぉ!!!!!
「ばけ・・・・・もの?」
ドクン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――化け物め――――― ――――近づくな―――― ――――普通じゃない・・・・――――――
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フツウジャナイヤツハニンゲンジャナイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――――でもな、勇気。普通な人間なんて・・・・・・いないんだよ
「ゆ・・・・・うき・・・・?」
ジュエルの声でハッとした。
なんだ?今のは・・・・・。僕の・・・・・・・記憶?―――なわけない。僕の記憶なわけない。こんな事、なかったじゃないか。
「ジュエルはここで待ってて」
そんな事を必死で自分に言い付けていたら、僕の口が勝手に動いた。
「待っててって・・・・・お前あれに一人で戦うのか!?無茶・・・・・・・・・・」
「このジャンクはきっと僕と同じ様に傷ついてるはずだから・・・・・・・・・・・・・・・」
僕と同じ?何が?僕は僕自身に尋ねるように心で呟いた。
ジュエルからキャンディーを引っ手繰ったらしい。僕の手の中には赤い飴玉の入った小瓶があった。
「おま・・・・・・勇気!!!」
後ろでジュエルが叫んでいる。
僕の足は、ショッピングビルディング「プラス」内へと向かっていた。
う〜む・・・久しぶりの執筆なんで少し感覚が鈍ってます;;早く戻さねば・・・!!
今回は少しシリアスめ?でした。勇気が普通を求める本当の理由、そして過去に何があったのか・・・・・みたいな事に繋がっていきます。まだ先の事ですがね。気長にお付き合い下さいませ〜