私は夏から秋に惚れたんだ2
※これは以前に連載していた物語の2です
作る予定はありませんでした
でも気になりました
なんで
杏奈ちゃんはタイムスリップをして
親を探したのでしょう
この疑問はこの続編で判明していく
ことでしょう
「ねぇお母さん、本当にするの?離婚」
「あんな奴と一緒にいてもあなたは
ダメになっちゃう…お父さんは
追い出しておく、メイドを雇うから
大人になって会えるかにかけましょう」
辛くてたまらなかった
出会った日私の事をずっと
見ていた彼に徐々に惹かれていった
でも今はそんな事が変態としか
思えない
常にツンデレっぽかった彼は
よく同情してくれたり
ウインクをしてくれたり
褒めてくれたり
嬉しかった
でもこれは23年前の話
もう私の中にうつる諒介はセピア色に
色あせていた
たまにカラーになり
怒鳴り合う時は白黒にうつる
1人で母校に行く
今までは諒介と行っていた
友達はたまに会う
そして気づかずスルー
同窓会は歌の依頼のついでに楽しんだ
諒介とだけ話して
吹奏楽部の友達を放って
思い出なんて無い
私は無情に
あの時の理沙みたいに
生きている
意味もなく
珍しい何かあるのかな?母校に訪れる人が
多い
人だかりの中には
吹奏楽部だった友達や先輩方
「トロンボーンの高崎さんは
失踪したため今回は
このコンサートにいません。
ご了承ください」
私はここにいる
気づいてもらえないことにもどかしさ
を感じる
ふと誰かが振り向く
「あ!テレビで見たことある」
その声はまるでケンだった
思い出が胸の中をかけてゆく
部活に慣れない時は大変だったそして
馴染んでゆく
少しずつ
部活の仲間がからかっていた
時もあった
大変だった
でも楽しかった
成長していくのが楽しくて
そんなの昔の話だ
今は言い合いの日々
辛かった
楽しかった
荒れた日々にも
楽しみがあった
先生にも歌ってというリクエストが
もらえた時は嬉しかった
小学校時代に痛い経験があったからこそ
あの時が楽しく思えたのかもしれない
何より
諒介に会うのが1番の楽しみだった
諒介がいなければ学校は
ただの苦痛だった
そのことに関してのお礼を言う前に
小さなすれ違いを繰り返し
離婚に至った
ちなみに今までは
諒介が仕事に行ってる間や
気づかない時間帯を狙って
レギュラー番組を
掛け持ち
ゲストとして
テレビ出演をしている
もちろん諒介は
その事を全く知らない
この先は諒介を気にせずに仕事に行ける
それが何よりうれしかった
これで番組の幅が広がる
と思っていた
でも離婚の理由をなんとなく思いついた
よく収録で出かけていた
家に着くと諒介がよく家にいた
彼が浮気を疑うのも当然だ
しょちゅう帰りが遅くなっていた
スキャンダルで疑われないため
芸能界にいない事として
諒介に伝えていた
つまり諒介の中では
専業主婦としか思えない
そしてその間の杏奈は
保育園に入れていた
当然諒介は杏奈が保育園に
入っている事さえ
知らなかった
そして小学校の後は学童に入れて
収録に行った
メイクさんに頼んで
諒介が見ても気付かないように
してもらってた
だがもうその必要もない
諒介はもうこの家にいないし
杏奈は小学六年生だ
ギャラでメイドも雇ってる
何1つ不自由が無い
そして諒介から気持ちが遠ざかる
諒介がジャマに思える
お母さんはもういない
お父さんももういない
私はメイドの晴香と執事のコタ
の3人で暮らしている
お母さんには
「晴香とコタはお父さんと
お母さんだと思って」
私と話が合わない2人と
過ごすほど嫌なことは無い
しょうがないなんて
訳がない
お母さんにお父さんとの出会いを聞いた
中学校1年生の時だと聞いた
その時とは違ってタイムスリップ
ができる
お母さん達を探そう
と決意した杏奈
しかし親には
「勝手に使わないで
不安定だからうまくいかない
かもしれない」
そう言われている
今は晴香がちょっとした会合で
いないため
家にはコタと私の2人だった
だから他の人にはバレにくい
作戦はある
お父さんとお母さんをくっつけて
二人の事を聞く
そしてさっそうとこの時代に戻る
二千…何年だっけコタが
お父さん、お母さんと中学校の時
仲が良かったって言ってたから
分かりそう…
とりあえず聞こうかな〜
「ねぇーお母さんとお父さんが
出会ったのっていつ?」
所詮バカだ気づかないに違いない
「タイムスリップでも
考えてるのかな?そう簡単には
乗らないよ〜」
え〜と気づきました
玲に聞こう!
玲は小学校の頃から友達だったそう
よく食事に付いて行くうちに
連絡をとる仲までになった
<ねーお父さんとお母さんが
出会ったのは二千何年?>
第一タイムマシンはお父さんが
開発して改良中の物だ
玲が知ってるわけがない
おっと!返信が来た
<2016年だよ!>
そういえば他の人はいなかったのかな
でもお母さん素性のしれない人
みたいな状態で戸籍上のなまえを
4つくらい持ってるくらいなのに
どんだけ玲と仲がいいのだろう
まぁそんな事はいい
タイムマシンを見つける事からだ
お父さんの部屋にあるはずだ
よく入る時に見たような気がする
お父さんの部屋は
気持ち悪いくらいにものが無い
それは当然だ
引っ越したのだから
でも棚が1つ残ってる
中をおそるおそる見る
タイムマシンだった
見つけたのは良かった
でも使い方が分からない
説明書は
お母さんの部屋?
見に行くと机の上に説明書があった
分かりやすい…
意図的すぎないかな
とりあえず見る
分かった
12歳でも分かるくらい単純とかヤバい
タイムマシンに乗って2016年に行く
「いってきますぅ
さよなら2039年!」
そして旅だった
ヤバい…
吐き気が止まらねぇー!
ちなみに今グルグル回るタイムマシン
に乗っている
もしかしたら乗る人がいるかも
タイムマシンに乗るときは
エチケット袋が必須の持ち物です…
やっとだ…
23年戻るだけでこんなにかかるのは
さすがにひどい
持ち運び式というのが唯一の救いだ
ポケットにタイムマシンをしまって
探しに行く
(ここは東横町です)
ひたすら大通りを歩き続ける
お父さんみたいに足が早ければ
良かったんだけど…
駅が見えた
ここは木場のようだ
私の知る木馬では無い
みんながセグウェイを乗りこなし
巨大ビルに吸い込まれるように
入っていくようなところかと思ってた
でもみんなは吸い込まれるように
地下に入っていく
巨大ビルは何個かしかない
でも道の形はそんなに
変わってないようだ
適当に左に曲がって進んでいく
イトーヨーカドーは慣れてる
なかが違うのだろうと
思った
でも来たのは親を探すためだ
大きな歩道橋(これは塩胡橋です)
にさしかかったときに
見覚えのある人がいた
しかも同じ人が二人もいる
これはチャンスだと思って話しかけた
「ねぇねぇ、お母さん
お父さんどこ?」
一応聞いた
親なら分かってくれるはずだ
「あなたのお父さんの名前は
何て言うの?お母さんの名前は
何て言うの?」
本人確認…的なやつかな?
答えておく
「お父さんは諒介
お母さんは理沙!」
違ったらこれマズいやつ…
「あなたは何年生まれ?」
「耳貸して!2027年だよ」
怪しまれそうだったけど念の為
本当の歳を教えておく
「お父さんの昔の苗字知ってる?」
「末本諒介!」
お父さんと少なくとも知り合いだろう
と思ったから教えた
「お母さんの昔の苗字は知ってる?」
「高崎理沙!」
さすがに自分の名前を言われたら
気づくだろう
「私ねあなたのお父さんの場所
知ってるよ、でも今いろんな
事があって会わせられない
でも一緒にいてもいいならどうにか
なるかも」
分かってくれたようだ
そういうことで
お母さんと
一緒に逃げる事になった
ひとまず千洲に行くそうだ
おっと!大軍に追いつかれちゃった!
ていうか
大軍の中にお父さんみたいな人いる
お母さんのために急いで逃げなきゃ!
間一髪隠れられたでも
もう一人のお母さんがいない
お母さんの母校の校庭に
着いたそして
大軍ともう一人のお母さんも
着いた
話を聞く限りだと
正々堂々と戦って決着をつけるようだ
お母さんは運動ができないはずだ
なのに片方のお母さんは
アクション映画の主人公みたいに
強いそして強い
でもお母さんは泣きながら言った
「何で私達は戦うの?同一人物
だって忘れないで
自分で自分を殺すなんてこと
したくないのたとえ次元が違ってもね」
見ているこっちまで響く
そんなにいい人だっけ?
お父さんと殴りあうような人な
はずなんだけど…
「もう終いにしよう」
まさかもう一人のお母さんまで!?
もう一人のお母さんがもとの次元に
戻った後お母さんは
こう言った
「私言いたい事があるの諒介、来て」
ありえないくらいに声が漏れている
「本当は諒介が」
「好きでした」
好きでしたがキレイにハモっていた
一応聞いておく
二人の事を
こんなに会話の多い二人になったのは
二人共ユニークで
席が近かった事が理由らしい
ユニークとはいっても
お母さんはほぼほぼキチガイで
お父さんは明るくて笑いを取れる
という個性があるようだ
もう時間的にもあれだったので
お母さんの住むマンションの
泊まる部屋に泊まらせてもらった
翌日夕方の16時まで
二人の話を聞きながら遊ぶ予定だ
親子だけれど一応同年齢だ
3人でカラオケや映画を楽しんだ
合間合間で二人の事を聞いた
いっつも暴れていた明るい
二人だったそう
そして授業中におしゃべりしてるうちに
惹かれていったらしい
お父さんが褒めるほどの歌という事は
聞いていたけどお母さんが
ここまでビブラートがすごいのは
予想できなかった
ほかにも2016年の時に大ヒットした
映画をみてキュンキュンした
楽しかった
まだこの時代にいたい
だから延ばす
明日はお父さんとお母さんの
クラスメイトも呼んで遊ぶらしい
それだけ遊べば心残りは無いだろう
呼ぶ人を聞いたら知り合い率が
すごかった
執事のコタや真花とかたくさんいた
王様ゲームをする予定みたいだ
お父さんとお母さんの子供に会った記念だと聞いた
私が王様になれば親や親の友達を
思いのままにできるのだと思うと
嬉しく思った
今日あの時代に帰ると思うと
さびしくなる
こんなににぎやかな人たちと
楽しめるお父さんとお母さんが
うらやましい
でも聞いた感じだと
楽しさはだいたい
お父さんとお母さんがベースだと
そろそろ時間だから
待ち合わせ場所に行く
王様ゲーム
当たるかなー何言おうかなー
そう考えながら部屋を出た
そしてみんなと対面のとき
おととい会ったけど名前とかも
ほとんど知らない
だからこの機会に
はじめましてをして
楽しもうと思う
みんなの顔と名前を一致させたところで
ゲームが始まった
最初から当たって
執事とハグという何気におかしなことを
する事になった
やりたくはないけどあの決まりがある
<王様の言うことは絶対>
その後もまだ当たらない
でも28巡目
やっと当たった、長かったー
何を言うか考える…思いついた!
「お父さんとお母さんの事について
一人ずつ話して!」
本来の目的を果たすためだった
そうするとみんなが口をそろえて言った
「キチガイで明るくて騒がしい二人」
と言った
それならあの方法だ!と
ひらめいた
そうしてゲームが終わって
雑談をしたりショッピングをして
みんなと別れた
「もう帰るのか…」
大怪我もなくちょっと
酔っただけで済んだ
お父さんに会ったら言っとこうかな
という事で元の時代に帰ってきた
残りは親を会わせて
昔の授業中みたいに楽しくおしゃべり
をしてもらう
ただ問題がある
通常じゃありえないくらい
根本的で難関な、
親にラインをブロックされてるため
会わせること自体が困難だ
そうだ!
コタを利用しよう!
でもタイムマシンの時も疑われた
つまりすぐバレる
昔のコタはそんなに疑い深い人
じゃなかったんだけどなー
しかし方法ならまだあった
晴香の方なら連絡を
つけてくれるかも!
昔もそんなに疑い深い人
じゃなかったらしい
今も同様、ドッキリやり放題同然だ
ただ、まだ会合的なやつから
帰ってきていない…遅いな〜
その間のんびりとラインでもしようと
スマホを開いた
でもすぐ飽きるだからちょっと
お母さん達の母校に行ってみた
吹奏楽部のコンサートがあるらしい
この展開は予想していなかった
"吹奏楽部の"コンサート
は終わっていた
しかし歌手としてお母さんが
コンサートをやっていたのだ
何となく2016年に行った時の事を
思い出した気がする
お母さんがお父さんに歌を褒められて
自信を持てた
だから歌を極めようと思えた
そう言っていた気がする
なら…あの方法がある!
緊急事態で呼ばなきゃ!
お父さんを呼ばないといけない!
でも手遅れだ
今から呼びに行っても戻った時には
もうコンサートが終わっているはずだ
コンサートを開かせる作戦にでた
でもお父さんを呼ぶのは困難だろう
なぜなら離婚を切り出して
お母さんを家から追い出したのは
ほかでもないお父さんなのだから
しかも今お父さんとは通信不通だから
きっと元カノのゆいと
楽しんでいるだろう
本当にラブラブなカップルに
お母さんが入り込んだ形で
ゆいも嫉妬しまくっていた
しかもイラつきを隠しきれないほどに
お母さんの友達から聞いた
片思いでフられるより
付き合ってたけど別れる方が
尋常じゃないくらいに辛いことを
そりゃあ説得とかしないと
イラついてもこっちは口を出せない
だから親友を使う
コタなら連絡がとれる
いつもならバレたとすると
黙って引き下がるけど
今回だけは諦めない
2016年のときみたいに
暴れていられるくらいのキチガイなら…
話した結果親の再婚を手伝って
もらうことになった
お父さんを呼びだし
コンサートの手配まで
してくれることになった
と言ってもコンシェルジュの
笠井奈緒さんを呼んでくれただけ
なんだけどね!
でも自然とお母さんが歌手という事が
分かるようにテレビの生放送も
用意してくれた
まさかあの元キチガイ今カンペキボーイ
のコタがここまでやるとは思わなかった
ここまでやらせたからには何が何でも
再婚させる!
そしてコタから
「晴香が5日後会合から帰ってくる」
との報告が!
これで日付も決まる!
そして日付が決まってからは特に
コンサートの予定がどんどん
決まっていき順調だった
時間もあったために作戦も思いついた
「私がお父さんとお母さんにとっての
最高の日にしてやるから!」
と杏奈はつぶやいて空を見上げた
※注意
・ここからまた理沙視点に戻ります
・時間はコンサート四日前の夕方になります
久しぶりにコタからラインが来た
「四日後の日曜日15時に二中に来て」
呼ばれるわけが分からない
同窓会はとっくにやったし
呼んだのはコタだ
先生の伝言をするわけがない
つまりは前のことで何かさせよう
だなんて魂胆なんだな~
と察した
いろいろと聞く
驚くことにコンサートの生放送でオファー
が来たという
物事を聞いては用意のエンドレスをした
まさかコンサートの依頼が舞い込んだなんて
コタから聞く日が来るとは…
晴香にセッティングを頼んで
コンシェルジュの笠井さんに挨拶を
すませて予定を聞く
新聞や雑誌の取材を受けていく
時間は分刻みの予定表通り
ずいぶんと忙しいけれど日常だ
中学の時は暇すぎて教科書読む日常だったな
と過去を振り返る
そして衣装のセットをすませて
時計をふと見ればもう18時
もうすぐスタンバイだった
裏口を通ったら誰かとぶつかった
「あ!ごめんなさい!」
「こっちこそごめんなさい!」
そして誰かとぶつかった理沙は顔を上げた
通り過ぎようとした
そのときその人は
「サインください!ファンなんです」
と引き留めた
「はい!もちろんですよ」
初めて本名のサインを無性に書きたくなった
芸名や偽名ばかり書いていた自分に感じた
違和感はガン無視で書いていた
(高崎理沙)
その人を見ると驚きに満ちた顔で棒立ちしていた
でも私もその人を見て今までで二番目に驚いた
好きな人に告白されるのと同じくらいに驚くなんて
その人より先に私はたった一言の言葉を紡いだ
「久しぶり、会いたかったよ゛諒介″」
これは最高の再会なのだろう
諒介は言葉も発せないまでになっている
その後諒介に様々な事情説明を済ませて
奈緒や杏奈、コタ、晴香にこのことを話すと
「うまくいったね!呼び出すのも大変で
理沙のメイクタイムにあっちこっちのポスター
張り替えるの大変だったんだから」
ポスターを見ると諒介と私の共演だと
書いてある
さらにコンサートの招待客はほとんどが
あの日私が巻き添えにした人たちらしい
「私から一つ提案!これコンサートじゃなくて
盛大なパーティーにしよ!
そしてわがままひとつ!パーティーの主役
もらうよ~」
こうしてありえない再婚を機に私は本名での
活躍を始め諒介との共演も始まり何より
あの時いたみんなとの再会も果たした
end...