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4-33 ゲームのハジマリ

「みんな〜〜っ、そろそろゲーム始めちゃってもいいかな~?」

「お、お~」

「も~っ! みんなノリが悪いぞ~~~! そこは『いいとも~♪』って返してくれなくちゃ駄目でしょ♪」

「い、いいとも~~」


 ええっと天美さん? みんなタモさんとか知らないからっ! 知らない人にネタの強要はやめようねっ


「良くありません~~~~っ!!! 今すぐ元に戻してくださぁい〜っ!!」


 女子高生ヂマリちゃんが烈火の如く怒っているが、あまりのかわいらしさにほっこりしてしまう。顔を真っ赤にして天美をポカポカと叩くが、攻撃力は一切無さそうだ。でも流石にウザくなって来たのか、天美はヂマリちゃんを羽交い締めにすると口を塞ぎ、話を続ける。


「じゃあ、改めて概要を説明するね〜♪

 侵略宇宙人の猛攻で、地球は地球は大ピンチ! 最後の希望は、不思議な力で閉鎖空間に保護された私達6人よ!」


 あれ? 微妙に設定変えてきた? そりゃまあ、侵略宇宙人の方が判りやすい感じではあるけどさ。だけど、ファンタジックな異世界で宇宙人なんて単語を聞くのは何だか新鮮だ。


「今の私達はただの高校生だけど、実は伝説の勇者の生まれ変わりなの。だけど勇者の力を取り戻すには、この学校で試練に挑み、6人の勾玉を手に入れないといけないわ。ワタシの勾玉はすでに手に入れているから、残りは5つね。

 さあみんな! 頑張って試練を乗り越えて、勾玉を手に入れてちょうだいね! 頑張ってゲームをクリアしてくれた良い子には、特別にご褒美を上げちゃいま~す♪」


 気だるそうに聞いていた3人が、ご褒美と聞いた途端にどよめいた! 即物的だな君たちはっ! 分かりやすくて大変結構っ!

 そこでヂマリちゃん、必死の抵抗で天美の拘束から逃れる。


「おやめくださいハジマリサマァ! こんな事やってる場合じゃありませんよぉ! 早くワタクシを元に戻してください! そうでないと、宇宙人が! ウチュ〜ジンがっ!!」

「こぉら慈麻里ちゃん! ワタシは弁財天美よ! あなたはワタシの姪って設定なんだから、ワタシのことは『天美ちゃん』って呼んでちょうだい! ゲームの間は『ハジマリサマ』も『お母サマ』も禁止ね」

「で、でもハジマ……」

「天美ちゃんっ!」

「あ、あ、天美ちゃん……」

「そう! それで良いのよ、巫姫慈麻里ちゃん♪」


 天美は慈麻里ちゃんの背後から肩の両肩を掴むと、私達に身体を向けさせ、姪っ子を紹介するかのように話し始める。


「さてお立ち会い♪ この子はワタシのカワイイ姪っ子、巫姫慈麻里ちゃんで〜す♪ ゲームで不正をしないよう、巫女姫としての能力は一切使えないようにしています♪ つまり今のヂマリちゃんは,か弱い人間の女の子と同じなの。いじめないで仲良くしてあげてね♪」

「で、でもハジ…じゃんくて天美ちゃん! 宇宙人が! 宇宙人が迫っているんですよ!」

「そうよね〜、慈麻里ちゃん♪ 侵略宇宙人のせいで今、地球は地球は大ピンチなのよね〜♪ だから急いでゲームをクリアしなくちゃ♪」

「う………はい……」


 天美から解放された慈麻里ちゃんは、そのまま私の側に歩み寄ると学ランの裾をギュッと握った。不安がっている? いや、考え事をしているようにも見える。

 天美は天美で何だかおかしい。なんだか言動の節々に刺々しさを感じる。


「もしかして天美ちゃん、怒ってる? 待たせちゃったのはゴメン。謝るよ」

「………怒ってないっすよ? 怒ってないっす。ワタシを怒らせたら大したモノだ〜」


 そこで長州力さんをぶっ込んできますか。ネタに走れる程度には冷静……なのかな?


「君は、生き残ることが出来るか! 参加型アトラクション『ハジマリ高校演劇部最終章、エクスデウスマキナ編』、今度こそ本当にハジマリです! さあさあさあ! 良い子のみんな! 探索にいってらっしゃ〜い♪」


 ゲームのハジマリを宣言するや否や、天美は私達5人を追い出すと、部室に鍵を掛けて閉じこもってしまった。

 これって怒ってる? やっぱり怒ってるよね? 


「なあオトっつぁん、これからどうすりゃいいんだ?」

「探索しろって言ってたし、とりあえず校内を回ってみよう。きっと何か出てくるよ」


 やらないって言ってたから大丈夫だと思うけど、でもさっき何だか刺々しかったしなぁ……

 どうかデスゲームとかじゃありませんように。

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