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華琳さんの祭り箱  作者: 黒崎黒子
4/5

思い出の味

ふと、思い出すあの香り。


醤油、みりん、酒、砂糖、塩、酢、味噌。


夕日を背に、テクテクと、家に帰っていく道すがら、近所から漂う様々家庭料理の香り。


焼魚や味噌汁、煮物や、野菜炒め、そして、カレーライス。


あぁ、思い出の香りって、どうしてこう、ふっと、やって来るのだろうか。



「そう!なんで、本当にふっと、やって来るんだよ!こんな時に!?」



ガキン!


目の前に振り下ろされた太刀を、防ぎながら、俺は怒り心頭で、太刀を跳ね返す。



「北郷!大丈夫か!?」



三対一という、傍から見たら不利な状況に、俺の側へ秋蘭が、現れる。


そうだ、今は戦いに集中しないと!


そうしないと、領土に、こいつらを招いてしまう。



「くっ!うおぉー!とりあえず、その、じゃがいもの煮っ転がし色の防具、今すぐ、外せー!気が散るんだよ!」


「おぉ!?北郷が何やらヤル気に、満ちてるな!」



近くで見ていた春蘭が、目を輝かせて、俺を見つめる。



「あと、お前!さっきから、視界に入ってる、そのスプーンはなんだ、コルァ!!まじめに、戦う気あるのか!?あん!?」



なぜか敵の腰にぶら下がっている、謎のスプーンに、俺は、叫びをあげる。



「というか、変に殺気立ってるわね。さっきから、敵の攻撃というより、敵の防具に、えらく、目がいってるみたいだけど。」



敵をぱっぱっと縛りあげながら、雪蓮が俺を見る。



「あー、ダメだぁー!シースー!焼きそば!焼肉!豚カツ!あー!あー!あー!もぅ、だめだ・・・。」


「「っ!?」」



攻撃を否していた俺だったが、ついに、我慢の限界が訪れた。



「故郷の・・・飯が・・・恋しいいぃーー!!」



一刀は、オロチを大砲に変形させると、辺り一面に、砲撃を開始。



『嬉しくなると、つい、殺っちゃうんだ♪みんなも一緒やって見ようよ!いくよー?ランラン』


「うるせえぇー!竹輪麩!さっさと、仕事しろおぉー!」


『あらー!?』



“ドドドド・・・!!!”



天界時間で、ものの五分とかからず、敵陣を一掃してやった。


その後も、俺の砲撃は止まらない。

否、止めない。



「何もかも、お前らが、お前らが、悪いんだ!」


「はわわ!?ど、どうしたんですか?ご主人様のあの荒れようは!」


「あわわ!?もう、ここに戦なんて、ないよ!もうコレは、ただの一方的な殺戮だよ!ご主人様が、千人の残党を相手に、殺戮を始めたよ!?」



蜀の名軍師が、何やら後ろで騒いでいるが、オレには、どうでもいいこと。


俺は、ただ、目の前の敵を撃って、撃って、撃ちまくるだけ!


そうだ、お前らは、邪魔したんだよ!


俺の、俺の大事な・・・。


「ご飯時を狙って来た、お前らー!全員、最後の晩餐は、しっかり、済ませてきたんだろうなぁー!?」



ぐわぁー!!っと、般若のスタンドを背後に見せながら、一歩一歩、敵陣に歩み寄る。



「うわぁー・・・。ねぇ、祭?これ、やばいんじゃない?たしか、敵は全員捕らえて、情報を聞き出すって、話じゃ無かったっけ?」


「う、うむ。といってものぅ?アレを止めるのは、曹操くらいにしかできんじゃろう?」



後ろでコソコソと、幼女(小蓮)と熟女(祭)が話しているが、関係ない。


俺は、ただ、ご飯を食べたかっただけなんだ。


華琳が、少し大きくなったお腹を庇いながら、一生懸命に作ってくれたご飯を。


俺は、ただ・・・。


「華琳のご飯を食べたかっただけなんだよー!」


「「理由、それかー!」」


「それとは、なんだ、それとは!」



“ドドド・・・!!!”


叫びをあげた敵を睨みつける。


大丈夫。全部、威嚇射撃だから。


ギリギリで、はずしてるから。


前回の“不殺の精神”は、まだ、かろうじて生きてるから。


威嚇して、捕縛しやすいように、一箇所に追い込んだだけだから。


折り重なった集団。その天辺で、白旗がパタパタと、振られている。



「・・・はぁ?」


“ガチャン!・・・パン!”


「ひぃ!?」



問答無用で、その旗を撃ち抜く。


大丈夫。不殺の心情は、かろうじて、生きてる。と思う。そう信じたい。たぶん。



「あはは・・・。降参とか、ありえないから。」


「い、いやでも・・・。ボク達、戦意は、これっぽっちもありませんし。」


「攻めて来たんでしょ?」


「いや、そもそも、それが誤解で。ボク達、遠方から、用事で、魏の城に来ただけで・・・。」


「はぁ!?なら、なんで、武装してるの?オマケに千人とか、軍隊で来てるの?」



ガタガタと、震えながら、書簡を見せてくる。


これは、華琳直筆の招待状と通行許可証?



「ボク達、曹操様のご結婚を祝福に来たんです。そのお祝いの品があるので、警備は厳重にしてました。」


「・・・。」



はい・・・。この後、華琳にめっちゃくちゃ、怒られました。


はい・・・。当然、ご飯も無しになりました。



数日後 ─。



「そうそう、一刀?そういえば、この前、来た子たちが、お祝いにと、珍しい物をもって来たわよ?」


「え?誰が?何を?」


「あなたが、心を傷だらけにした彼らよ。えーっと、たしか、ここに・・・。」


そういって、取り出したのは、黒に近い茶色の液体の入った瓶。


「ん?これって?」


「彼ら、調味料の研究を生業としてた子たちでね?壺にタレを仕込んでいたら、何やら、珍しい味になったとかで、私に味見をして欲しいと、持ち込んできたのよ。」



大陸一の美食家と言われた華琳のお墨付きが、得られたとなれば、商品にも箔が付くからなー。


そりゃ、バカ売れするに違いない。



「へぇー?そうなんだ。美味しかった?」


「んー。それがねー。」



華琳は顔をしかめると、腕を組んで、瓶を見つめた。



「これ、調理が難しいわ。試しに、拉麺の隠し味や、湯に使ってみたけど。どれも、これも、味が台無しになるのよ。」


「・・・それ、単に毒なんじゃない?」


「違うわよ。調味料なのは、間違いないわ。」



華琳はタレを、小皿に移すと、俺に差し出す。


まー、酒を差し出すように、軽く渡してくるじゃないか。



「不確かなものを愛する夫に・・・舐めろと?」


「えぇ、愛する夫の考えを教えて?」


「へー?素直になったもんだ。華琳から頼られるのは、嬉しいもんだけどさ。こういうときじゃなければー。」


「ふふ。これでも、いつも、頼りにしてるのよ?」



華琳は笑うと、口直しにと、水を差し出し、目の前の椅子に腰掛けた。



「それでは、頂きます。」


「はい。お願いします。」


ぺろりと、匙に付けたタレを舐める。


「ん?・・・あー。なるほど。」



一口で、分かった。これ、あれだ。

天界でも、よく知ってるあれだな。


つまり、また、外史のお遊びが、始まったらしい。



「外史は、暇なのか?」


「何が?」


「いや、こっちの話。そういうことなら、よし!華琳!お腹は空いてる?」


「え?えーっと、まぁまぁかしら?」



俺は、華琳の手を取ると、厨房へと歩き出した。



「一刀の手料理って、私、初めて食べるわ?」


「そう・・・だっけ?あ、そうだね。あのときは、“お菓子”だったっけ。」


「そう。あの珍しい菓子も、また、食べてみたいわ。」



華琳は小さく頷くと、キラキラとした目で俺を見つめる。

なんか、くすぐったくてしょうがないな。



「また、機会があったら、ね。今日の主役はコイツだよ。」


そういって、華琳から預かった瓶を、目の前に置いた。


「これは、調味料で合ってるのよね?」


「あぁ。俺の国では、よく知られた調味料に似てたよ。これだけでも良いんだけど、これも必須だね。」



華琳の前に、別の食材を並べていく。



「卵、食用油、酢、塩、胡椒、砂糖?」


「天の、最強調味料、“マヨネーズ”の出来上がり。」


魔夜寧酢(まよねいず)?」


「ちっがう!マヨネエェーズゥ!!」


「ま、まよねえぇーづぅー!」


「ぷっ!」



一生懸命な華琳さんに、思わず、吹き出してしまう。


当然、真っ赤な華琳さんに、殴られた。


全てを混ぜ終えた物を、小皿に取り、手渡す。



「・・・毒?」


「安心しなはれ。天の万能調味料だよ。」


「そう?それでは・・・。ん・・・。」


チロリと匙に掬い舐めると、華琳は目を丸めて、俺を見る。


はは。気に入ったようで、何よりだねー。


「んん!?なによ、これ!すごく、美味しいじゃない。」


「マヨネーズは、最強すぎるんだ。中毒者もいるほど、依存性が高い調味料さ。しかも、少量で高タンパク、高カロリーだから、この時代には持って来いのものだ。ただし、食べすぎれば、間違いなく、後悔することになる!!」



小皿を突き出し、ニヤリと笑みを浮かべる。

華琳は、小皿を見つめ、恐る恐る俺に後悔の意味を聞いてきた。



「こ、後悔って、やっぱり毒なの?」


「近いな・・・。食べすぎれば、見る見る内に、肥る!そして、やがて、身体が重くなり、絶望と後悔に苛まれ、死に至る。」


まるで、怖い話を語るように、俺は低い声で、華琳を脅かしてみせる。

華琳は愕然とした様子で、小鉢と俺を交互に見た。


「な、何て恐ろしいものを、天は調味料にしてるのよ!」


「はは!たまになら、大丈夫だよ。そう、怯えなさんな。薬も摂り過ぎれは、毒になる。酒もそう。料理も同じさ。」



俺は鼻歌混じりに、エプロンを着けると、材料を探して厨房を巡る。



「さーて、これがアイツの遊びということは、きっと、調味料に関係した素材がある筈だ。どんな食材を用意してくれたのかなー?」


「何なの?誰の遊びなの?」


「ふふ、“外史”さ。」


「外史?」



期待に胸を踊らせ、食材の保管された扉を開ける。



「・・・なーるほど。そう来たか。」


「どうしたの?」



後ろから華琳が、俺の開けた扉を覗き込む。



「あら、珍しい食材が揃ってるわね・・・。」


「間違いないな。こりゃ、楽しくなりそうだね・・・。」



俺は笑みを浮かべると早速、調理に取り掛かる。



「あ、私も手伝うわよ。元は、私がお願いしたことだし。」


「あ、助かるよ。実は結構、行程が多くてさ。華琳が居るなら、百人力だ。」


「ふふ。そう言って貰えると嬉しいわね。じゃあ、頑張るわ。」


「ありがとう。まずは、これを・・・。」



こうして二人で調理で、仕込みをしていると、何やら食堂側が騒がしくなってきた。



「あー、もう。結局、会議伸びて、お昼、食べ逃しちゃったわ。それもこれも、あの、頭固い連中のせいよ。華琳に言って、首でもはねてもらおうかしら。」


「あはは・・・。さすがにそれは、行き過ぎだよぉ。でも、すごいなー。華琳さんなら、あの喧騒もひと睨みで、黙らせられるんだもん。」


「あれでも、昔に比べたら、丸くなったんやで。たぶんあれや。愛する旦那様の影響やろ。」


「確かに、華琳はん、なんちゅーか、こう、女らしい顔が増えましたよね。」


「恋する乙女は、いくらでも変われるのねー。そういえば、華琳って、私たちの中でも、年下なのよね・・・。いつもは、大人びて見えるけど。時々、一刀の話になると、途端に可愛らしくなって、時々、ギューッとしたくなる時があるのよ。」



等々、華琳の噂話が食堂で、語られ始める。

これがまた、悪口が一切出てこないのが、ある意味、隣の彼女の人望の厚さを物語っていた。



「しぇ、雪蓮ね・・・。いらないことを言って・・・。」



真っ赤になって、奥さんが俯いている。


あぁ、可愛いなぁ・・・。思わず、抱きしめたくなる気持ち、分かるかも。



「まぁまぁ。こうして、噂されるのも、幸せ者の宿命だと思ってさ。ほら、仕込み出来た。量もあるから、皆も巻き込んで、検食してみようよ。」


「はぁ・・・。分かったわ。本当は、貴方と一緒のつもりだったのだけど、仕方ないわね・・・。」



そう。たまにデレるこの子が、僕は大好きです!



「皆のとこに行く前に、ちょっと・・・。」


「え、なに?・・・ちょ・・・ん・・・んん・・・ちゅ・・・。はぁ・・・。きゅ、急に何してるのよ・・・。」


「いや。萌えたから。」


「ワケわからないわよ、ばか。」



照れる華琳の手を引いて、調理場を出ると、皆に声をかける。


皆、大変に驚いていたが、ご飯の話をすると、目を輝かせて飛び付いてきた。

てなわけで、突然ながら、ささやかながらのパーティが始まる。


熱々に焼いた鉄板を準備し、近くに仕込んだ材料を並べ、最後に華琳から預かった調理を準備。


調理法までは教えてないので、華琳もお客さんとして、鉄板を挟んで俺が調理を行うスタイルで行くことにする。


もう、イメージ出来たかな?


そう、今日のご飯は・・・。



「天の国のソウルフード、お好み焼きだ!!」


「「おこのみやき・・・。」」



既に、数名の口から涎が出ている。



「なんやろう。名前を聞いただけで、こう、来るもんがあるんやけど・・・。」


「実はウチもなんです。姐さん。なんでか分からんけど、こう・・・叫びたなるんですわ。」


「分かるわ。こうやろ?せーの」


「「な、なんでやねーん!」」



二人の三国志産、関西人が声を揃えて叫びをあげる。



「はーい、お客さん。静かにねー。」



俺はカチャカチャと、タネを混ぜながら二人を制すると、鉄板の温度を確かめる。


因みに、鉄板は三国の絡繰王、真桜特製の改造調理台である。



「名付けて、可動式鉄板焼きくん一号や!」


「ば、爆発しないわよね?」



テーブルを確認しながら、華琳は苦笑する。


※大丈夫です。爆発オチはありませんのでご安心ください。



「テロップも流れたことだし、そろそろいいだろ。」


「一刀、手呂伏って?」


「何でもないよ。気にせず、さぁ、行くぞ!」



俺は華琳の質問を流しつつ、第一陣を戦場へ投下した。


お好み焼きは、簡単に見えて意外と奥が深いのだ。

神経を使う料理の一つと言ってもいい。


ここで、知らない人はいないと思うが、一応説明しておこう。


お好み焼きは、小麦粉とキャベツなどを使用する鉄板焼きの一種で、日本の庶民的な料理だ。


水に溶いた小麦粉を生地として、野菜、肉、魚介類など好みの材料を使用し、鉄板の上で焼き上げる。



「っと!ここだ!」


『!?』


俺はコテを使って、生地を返すと、再び待つ。

ここで、やってしまいがちなのが、焦って生地を押さえる人がいる。

それはやめた方がいい。中の空気が潰れ、外に逃げてしまうと、固いお好み焼きになり、美味しさが損なわれてしまうのだ。ま、常識だな。


焦らずじっくりと、時間と手間暇をかけた方が、いいものが出来るのは、世の常ってことさ。



「もういい頃合いだね。」



最後に、華琳から預かったソースをハケで塗り、特製マヨネーズをかけると、青のり等の調味料をふりかけ・・・そして。



「完成だ!お好み焼き!」


『いえーい!!』



なれないだろうから、こちらで切って、それぞれの皿に移していく。



「頂きます・・・。ん・・・。んん!」



華琳が最初に、一口。それに続いて皆も頬張っていく。



「これは、美味しいわね!今まで、こんな味は食べたことなかったわ。」


「本当ね!これ、“そーす”だったかしら、是非とも、商品化するべきよ。」



華琳や雪蓮は満足そうに頷いている。良かった。



「この“まよねーず”も美味しいね!ねぇ、ご主人様!これも、販売してみないかな?」


「桃香、お気に入りね。でも、それ、食べ過ぎると大変な事になるらしいわよ?肥るって。」


「ええぇー!?そ、それは困るな・・・。あー、でもでも・・・!美味しいんだよねー。」



桃香は自身のお腹と、お好み焼きを交互に見ながら頭を抱える。

十分、細いんだから、気にしなくてもいいのにね。


笑顔で盛り上がっている横で、なぜか、さっきまで上機嫌だった二人が沈んでいることに気付いた。



「ど、どうしたんだ、二人とも。口に合わなかった?」


「うう・・・。なんや、これはぁ。なんで、涙が・・・。」


「わかりまへん・・・。なんか、一口食べたら、急に胸が苦しくなって・・・。」


「なんだ!?まさか、食あたり!?」


「ちゃうねん・・・ちゃうねんで・・・。」


「なんでやろー・・・なんでやろー・・・。」



俺は焦って、二人の様子を確認するが、腹を痛めたとか、そういう雰囲気ではなさそうだ。もっとこう、精神的な何かに、異常が。あぁ、そうか・・・。



「二人とも、無性に米が欲しくなってない?」


「「な、なんで分かったんや!?」」


「あぁ、やっぱり。」



どうやら、二人の中に眠っていた虎を起こしてしまったらしい。


因みに米というのも、天の国の一部地域では、半数の人がお好み焼きをおかずとして食べているからだろう。


恐ろしいな、関西魂・・・。時を超えて、三国時代までやってくるとは。



「まぁ、口に合わなかったわけではないなら、良かったよ。」


「むしろ、お代わりしたい!」


「はいはい。」



俺は差し出される皿に、焼いたお好み焼きを乗せていく。

喜んでくれて何よりだ。


さて、タレはまだあるし。

中華麺もあるので、焼きそばでも作ろうとしたとき・・・。



「失礼します!隊長!」


「ん?どうしたんだ?」



食堂に入ってきた北郷隊が、俺に駆け寄ると、そっと耳打ちした。



「どうしたの?一刀?」


「うん。敵が攻めて来たらしいよ。文字通り、鴨がネギ背負って・・・。」


「え?」



どうやら、外史の気まぐれは、まだまだ続きそうだ。


因みに、華琳に好評価だったソースは奇跡のソースとして、販売される運びとなった。


商品化に伴って、華琳が寄贈したソースの名前は、その心におおきな波を打ったことから(ろう)という字と、素朴ながら確かな存在を主張していたということから()という字が送られた。


知ってか知らずか、後にこのソースは、『浪花(なにわ)』と呼ばれることになった。




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