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Episode 3.詐欺喫茶店

 女性の後を付けて十数分。奈々子達は駅にやって来た。

「やべえな、見失ったぞ?」

 と、奈々子は健一を睨み付けた。

「ったく、あんたがもたもたしてっからいけねえんだ!」

「そんな事言ったって、奈々子ちゃん足早いんだもん」

「あの女が走ったんだからしょうがねえだろ」

「でも・・・」

「あぁ、もう良い。何処かでコーヒーでも飲もうぜ」

 奈々子はそう言うと、辺りを見回した。そして、喫茶店を見付け、そこへ入って行った。

「いらっしゃいませ」

 店員・・・否、マスターは笑顔で頭を下げた。

「マスター、コーヒーお願い」

 そう言って奈々子は空いている席に座った。

 マスターが注文の品を作りながら聞いた。

「お嬢ちゃん、学生さんだよね。学校はどうしたんだい?」

「色々あってね、抜けて来た」

「要するにサボりって事だね?」

「まぁ、そんなところかな」

 マスターとそんな事で盛り上がっていると、健一が入って来た。

「遅いぞ」

「ごめん・・・」

 そう謝ると、健一は奈々子の隣の席に座った。

「マスター、俺もコーヒーを」

 マスターは微笑して、これかいと小指を突き立てた。

「「違え!」」

 二人の声がハモった。

 二人は一瞬、顔を合わせると、直ぐに戻した。

「はい、コーヒーどうぞ」

 と、マスター。

 奈々子は、出来立てのコーヒーを一口飲んだ。

「マスター、このコーヒー、スーパーのだろ」

ギクッ!──マスターは焦った。

「確か、赤羽の前にある東○ストアだった様な・・・」

「な、何を言ってるんだい君は?冗談はよしてくれよ」

 マスターは更に焦った。

「200円で買える物を、600円で売って良いの?それって詐欺じゃないか?」

「奈々子ちゃん、からかうのはよせって」

「別にからかって無えよ」

 すると、他の男性客が、

「何だこれは!?」

 と、飲んでいたコーヒーをぶち撒けた。

「マスター、このコーヒー東○ストアの200円の奴だろ!あんたこんな物を600円で売ってるのか!納得いかねえ!」

 男はそう言って席を立ち、怒って店を出て行ってしまった。

チャリン──店のバーに、男の投げたお金が載った。

 健一は、驚いた様子で、男が出て行ったドアを見つめていた。

「マスター?」

 奈々子は微笑した。そのつり目が恐ろしく怖い。

「せ、背に腹は代えられん。値下げするよ」

「いくらに?」

「300円」

「・・・・・・」

「200円」

 奈々子は首を振った。勿論、横にだ。

「100円。これより安くは出来ない」

「O.K.」

 そう言うと、奈々子は再び、コーヒーを一口飲んだ。

 喉がゴクッと鳴り、液体が胃に達する。

「工藤君、何時までそうしてる気?」

 奈々子はそう言って、入り口の方を向いて驚いた顔で固まってる健一の背中をつついた。

「あ、ごめん」

 健一は我に返ると、前に向き直ってコーヒーを飲んだ。

「ねえ、これからどうする?」

「うーん、女性には逃げられたし、特にやる事も無いから、ゲーセンでも行こうか?」

 そう言って、奈々子はコーヒーを一気に飲み干し、100円玉をバーに置いて出て行った。

「あっ、待ってよ!」

 健一も、コーヒーを一気に飲み干し、出て行こうとすると、

「お客さん、お金!」

「あっ、いくら?」

「1000円」

「高・・・って、何であの娘だけ100円で俺が1000円?」

「あの娘は特別だ」

 この時、健一は思った。

(こいつ、絶対詐欺以外にも何かしてそう)

「ほら、1000円やるよ」

 健一は100円玉を10枚、投げてバーの上に載せて出て行った。その後、この喫茶店が潰れたのは言うまでも無い。




次回はゲーセンで殺人。



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