プロローグ〜茅流〜
彼といた時が1番楽しかった。
なのに、うちは彼を傷つけた。
大切なものは失ってから気づくんだ。それがうちにとって大切なものだったのだと。
もう戻れない。時間はすぎた。だから、いつまでもこの闇の中にいる訳にはいかない。なのに、どうして…?足が、動かない。まるで地面に根を生やしているかの様に。うちを縛り付ける。
東暦2013,4,30
ここは宮古立王子総合高等学校。通称、王総。創立3年目の新しい公立の高校だ。公立の高校なんだから至って普通の高校だ。
うちの高校ではとある特別方針により、王子育成をやっている。
つまり、ここに入学したやつは全員王子。
でも、普通の王子じゃあない。一から王子を作る。人は一人ひとりが物語の主人公だ。と、よくあるセリフにある様に、この学校は一人ひとりを物語の主人公否王子に育成する。
うちは黒衣茅流。王総の3期生だ。うちがこの学校に入学したのは前に進める、闇から出られると思ったからだった。
だけど、そんなことはなかった入学して約1ヶ月。
「なんの変化もありゃしねえ…」
うちの心の闇が消えることはなかった。
うちはいつまでこんなことをしてないといけないのかな?
そんなことを考えていると
「おっはよー相変わらず朝は低血圧でご機嫌斜めみたいだねー」
「沙耶か相変わらず元気だな」
「いやいや〜それほどでも〜」
「褒めてないからw」
沙耶といるとこういう暗いこと考えてるのが馬鹿らしくなるんだよな。
「みんなもそろそろくる頃かな」
「そうだな」
あぁ、今日もまたなんの進化もないくだらないけど楽しい一日が始まる。
うちの隣にあの人はいないけど…。
はじめまして楽霧と申します
連載状況は亀になるかと思いますがよろしくお願いします
普段の妄想がひどく出ている面が多々あるかと思いますがご了承ください
それではこんな堕作者ですがどうぞよろしくお願いします