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第一章 プロローグ
その雨はポツポツとレクトの肩に降りかかる。水滴が滴り落ちているわけでは無い。雨特有の匂いも暗さも感じられない。
何かが違う。違うのだ。
ふと、空を見上げる。澄み渡る群青色の空から輝く太陽が見えた。輝きは瞼を閉じればノイズのせいで暈けてしまう。空とは真反対の黒ずんだ塵が空気中に漂っていた。
───それはきっと、■■■の骨灰だろう。
また此処で■■■が死んだ。死なせてしまった。重圧も、後悔も、憎しみも憎悪も全てレクトの背中に張り付いて離れない。風に乗り軽やかに歩いていく灰は彼を取り囲み、踊り始める。
逃げるのも悩むのも許されない。
鳥籠の中でもがき、足掻き、苦しんでいる姿も許されない。
だったら前を向いて進むしかないのだ。
レクト・フォス・ノーゼルビアが霊術師として再び世界に光を照らすまで、この物語は続いていく。
ラインハッカーを主にして、こちらはちょくちょく進めていきます!
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