かぞく19
「行っちゃったね、お兄ちゃん。」
「それじゃあもうここには用がないから、帰りましょう。」
「そうだな、みんなで家に帰ろうか。」
笑い合いながら家族三人で手を繋ぐ。
「貴女も、行きましょう?」
両脇に居たサリとハディが手を差し伸べてきた。
「…私は確認することがありますから、先に行ってください。あと、広場は通らないようにしてください。」
「あぁ、わかった。」
三人は仲良く帰路についた。
私は三人が見えなくなったところで動きだした。
人混みをかき分けながら広場の中心へと進む。
予想通り広場で公開処刑でもしていたのだろう。
人々の盛り上がりがえげつない。
中心部に到達すると、皆が私を讃えた。
「暗黒兵器の少女、ありがとー!」
「よくやってくれた!」
人々が私を舞台の上へと行かせる。
何とも滑稽だ。
悪の根源が無くなったとはいえ、ここまで手のひら返しが鮮やかだとは。
舞台上には屍となった皇帝と二人の男性が居た。
皇帝の身体中には焼かれた痕や切傷などがあり、首から上は床に転げ落ちていた。
マイクを持っていた方の男性が私に近づいて来てマイクを向けた。
「何か一言。」
私は男性からマイクを受け取った。
「言っておきますが、全ての手柄はアメル=ルジアにありますし、私が讃えられる覚えもありません。この場に来たのは皇帝がどうなったのか見に来ただけですので。」
そう言うと私は舞台を降りた。




