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かぞく15
人々が静まりかえる。
「それはつまり、皇帝を暗殺するということですか?」
「いやいや、そんなんじゃ市民は納得しないでしょ。殺るなら虐殺しなきゃ♪」
この人、軽そうに見えて酷いことをしようとしてる。
「僕とティアスだったら簡単でしょ。」
「何故、今になって皇帝に逆らうのですか?」
「それは、ティアスが来たせいで僕がこの街に居ずらくなったから。それにいずれはこうなることは目に見えてたよ。」
そう言って切なそうに笑った。
そして今、私たちは皇帝の城の前に居る。
結局、アメル=ルジアの案に人々が乗ってしまい、虐殺することになった。
「さぁ行こうか、皇帝を殺しに。」
正面から堂々と乗り込んで行く。
城内に居る兵が次々と押さえこもうとやって来る中、私とアメル=ルジアは先陣をきって走って行く。
私はトワを抱えたままだからかわすのが遅れる。
それをアメル=ルジアが庇ってくれる。
「ありがとうございます。」
「その子、後ろの人に任せたら?」
「いいえ、私が。」
トワは私にしっかりしがみついてはいるが、さっきから身体中の震えが止まらない。
それでも強く前を見ようとしていた。
そんなトワを離してはいけない気がした。
「一刻も早く、決着をつけましょう。」
「あぁ、わかった。」
そう言うと、また先陣をきって走って行く。
早くトワを両親に会わせなければならない。




