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ひとりたび  作者: 雪路
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ひとり 4


私の本当の名前はtears(ティアス)

“tears”って、「涙」って意味があるらしい。


私自身は産まれた時以外は泣いたことがないらしいんだけど、他の人は沢山泣かせたわね。

私にとっては何故泣くのかわかんないけど、女・子供は必ず泣いた。


誰が私の名前を付けたのかは知らない。

何を思ってこの名前を付けたのかな?

誰か教えてくれないかな……。


私が初めて人を殺したのは10歳の誕生日。

それまではお母さんが私の力を抑え込んでくれていたから普通の女の子で居られた。

でもその日にお母さんが死んでしまって、私は力の存在を知ってしまった。


初めて殺したのは村の人達。


私は自分の力のことをお母さんの記憶から読み取った。

力の使い方や仕組みまで詳しく読み取れた。

いつまでも冷静な私を見た人達は私をいきなり「化け物」と呼んだ。

頭の中で怒りを覚えた時、私の意識はそこで途切れた。


気がつくと、村人全員が血を流して倒れていた。

手に握られている血塗れの我が家の宝刀と手に残る感覚から、全部私が殺ったんだって悟った。

恐い力なんだと気付いた。

だから、家に戻ってお母さんが書いた書物を探した。

この力を封印するためのあれこれが書いてある書物を。

それはすぐに見つかった。

それには「魔方陣を描き、自分の血を流して願いを言う」と書いてあった。

私は自分が怖かったから、すぐに実行した。

本に描いてある通りに魔方陣を描いて、自分の手首を切って血を流した。


そして、願った。


『自分の意思でこの力を扱える様に、すぐに人を殺すんじゃなくて、自分でちゃんと考えてから…血で足りないなら心をあげるから…お願い。』


すると、魔方陣が消えたのと同時に私の首に六角形の形をした小指くらいの宝石の様なものがついたネックレスが現れた。


その時に悟った。


契約が成立したのだと。

その契約とは、願いを叶える代わりに願った者の一部を持ってゆくという、悪魔との契約。

お母さんも悪魔と契約してたんだ、私のために。


私はその日から心を失った。


喜びを

悲しみを

笑いを

怒りを

苦しみを

楽しみを

愛しさを



───────失った。


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