かぞく11
集めた情報を頼りにアメル=ルジアのアジトに向かった。
そこは、廃墟となった貴族の屋敷。
蔓が延びて屋敷の壁を隠している。
到底、人が住んでるとは思わない。
だからこそ、アメル=ルジアにとっては住みやすいのだろう。
私は正面から堂々と中に入る。
外見とは裏腹に、中は綺麗な状態だった。
不気味な程に静かな屋敷内に、私の足音だけ響く。
最上階の廊下まで来ると、所々に月の光が差し込んできた。
左は行き止まりだから右に進む。
奥には、ひとつだけ部屋があった。
ドアをゆっくりと開けて、中に入る。
「やぁ『暗黒兵器の少女』よ、我が屋敷へようこそ。」
「また会いましたね、アメル=ルジア。」
部屋の中は、机がひとつと椅子がひとつ、窓がひとつしかなく閑散としていた。
アメル=ルジアは椅子に座って、机の上で足を組んでいた。
「依頼されたかい?街の人に。」
「アメル=ルジア、依頼により貴方が持っているトワのペンダントを返して貰います。」
「ペンダント?依頼ってそれだけ?」
「はい、そうです。」
「フッ…あはははははっ!」
急にアメル=ルジアがお腹を抱えて笑いだした。
「何がおかしいのですか?」
「いやぁ…君に殺されるのかと思って最後の晩酌をしちゃったじゃないか。」
そう言って赤ワインの入ったワイングラスを持ち上げてみせた。
「貴方の対応によっては殺します。」
「さて、どのペンダントかな?そんなの沢山盗んだからどれのことだかわかんないや。」
そう言いながら席を立って私に近づいた。
「ついておいで。」
アメル=ルジアはそう言って部屋を出た。
私も後を追った。




