かぞく6
私はしゃがんで、トワに視点を合わせた。
「お金は必要ありません。」
「えっ!?でも…。」
「その代わりに、寝床を貸して頂けませんか?」
トワは目を見開いたあと、思いっきり笑った。
「うん、もちろんいいよ!」
そう言った後、トワのお腹が鳴った。
「エヘヘ、安心したらお腹空いちゃった。」
「何か食べに行きましょうか?私がお金を出しますから。」
「いいの!?ありがとうお姉ちゃん!」
トワと食事をした後、トワが寝たのを確認してから夜の街へと出ていた。
何故か昼間よりも騒がしい。
「この街は夜行型でしたか。」
「大人はだいたい街に出てくるのは夜だね。」
私は袖から短剣を抜きつつ、声がした後ろの方に向いた。
「はじめましてかな?お嬢さん。僕はアメル=ルジア、しがない泥棒さ。」
こうも早くターゲットと対面するとは…。
アメル=ルジアは一見、気がぬけてるように見えるが、実は隙がない。
しかし、それは私のような高技術者でなければわからない。
だから民は皆その外見に安堵し、騙され、殺されたのであろう。
「貴方があの有名な泥棒ですか。」
「おや?知ってたの?」
「話は聞いてました。はじめまして、アメル=ルジア。」
私は短剣を鞘から抜いて構えた。
「そんなに構えなくていいよ。実は今夜はもう仕事は終えてあるんだ。」
一応構えた剣は降ろしたが、油断はしない。
「可愛い顔してるくせに相当な使い手みたいだね。」
「そうですね。」
「君、ここら辺じゃ見ない顔だけど…名前は?」
「ティアス、通称『暗黒兵器の少女』です。」
「へぇ…君が。」
そう言ってアメル=ルジアがニンマリと笑う。
その姿はなんとも怪しげな雰囲気である。




