ひとり 3
細い獣道を歩く。
こうしているとただの少女らしいんだけど、実は殺人兵器なんだよね。
好きでやってるわけじゃないのにいつの間にか懸賞金賭けられてるし。
なんと16歳の少女に2500万という懸賞金。
どんだけ私を殺したいんだよ…。
「よぉ。お前が『暗黒兵器の少女』か?」
道の先には180センチメートルくらいの男が立っていた。
馬鹿みたいに筋肉をつけて、大鎌を担いでいる。
大方、賞金稼ぎでしょうね。
「えぇ、世間一般ではそう呼ばれるわね。でも、私にもちゃんとした名前があるの。」
「ほぉ…まぁ、闘いの中の礼儀として聞いてやるよ。」
「私の名前は…
tearsよ。」
言い終わったのと同時に地面を蹴った。
そこから4歩で相手との距離を詰めて、その間に袖の中に仕込んでおいた短剣を取り出して、鞘から抜く。
「なっ!!いつの間「さよなら。」
言葉を聞かずに短剣を心臓に突き刺し、そのまま上に押し上げた。
「本当に見た目だけね、貴方。」
傷口から血が吹き出し、言い終わるのと同時に男は倒れた。
「はぁ…どうしよう、この死体。」
こういう野道は死体の処理が大変なんだよね。
面倒だな…。
とりあえず、死体の襟を持って、道を外れて森の中に入る。
道が見えなくなった所で手を離して死体の上に葉っぱを被せる。
「これでいっか。」
こうして私は、何もなかったかの様に道に戻って先に進んだ。