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ひとりたび  作者: 雪路
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ひとり 2


私は腐っている。

それもかなり重傷だ。

何をしても、どれだけ頑張っても、心が充たされることはなかった。

いつも心に穴が空いていて、充たされることはなかった。


だから私は、平気で人を殺せた。

この「戦いの世界」で。


何も感じずにただ必要な限り人を殺し続けたら何時(いつ)しか私は、『暗黒兵器の少女』と呼ばれるようになっていた。

障害になるものならば、如何(いか)なるものも斬った。

男も女も幼子も老人も強者も弱者も迷わず全部斬った。

命乞いをしようが、抗おうが何しようが、関係なく。


ただ、「生きる意味」を探して。


この世界は、戦いの世界なのだ。

強い者が支配して、弱い者が従う。


いわゆる弱肉強食で成り立っている服従の世界。


でも私は誰にも従わず、誰も従えずただ一人であり続けた。

当たり前の様に一人でいることに慣れてしまった私にとって、今更人と居る方が無理だけど。

でも、そんな私でも誰か旅の友が欲しくなる。

深い意味はないのだけれど、だいたいの人は誰かと一緒に居るし、私の様に一人という方が珍しいだろう。

一緒に旅をする人がいたら私の中で何か変わるのだろうかと考える時もあるのだ。

長い旅の中で何人か「お供しよう」と言う人は居た。

でも、私と居てくれる人はいなかった。


だいたいの人は旅のお供にするのに試験をする。

私の場合は手合わせ程度に戦うのだ。

命こそ()らないが、私の力を知ると逃げていく。

これでも全力じゃないし、10%程度なんだけどな…。

私は力を封印してるから、50%以上の力を出せない。

それでも駄目って、どうすればいいのよ。


結論、やっぱり一人の方が楽だな。

そうして私は、今日も一人で旅をする。


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