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カード化スキルで図鑑コンプリートの旅  作者: あすか
第2章 冒険者登録
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第91話 戦力確認

「コレクター魂に火がついちゃったシュートに何を言っても無駄だというのは分かったよ」


 ナビ子が諦めの境地で呟く。


「そういうこと」


 もちろん俺は否定しない。


「でも最大の戦力であるホブA達が使えないんでしょ? いったいどうするの?」


「それをさっき考えていたけど……頼りはラビットA達古参軍団だな」


 星3の25体は同格だから敵ではない。

 星5のキングは戦闘力はゴブリン並みだという話だから、ゴブリン以外が相手なら何の問題もない。


 問題は星4。

 俺の仲間で対等に戦えそうなのは……


「まずは戦力を考えてみるか」


 まずはウサギ系。

 星3モンスターは4種。

 筆頭はマジックラビットのラビットA。

 見た目シロクマのヒュージラビット。

 ツインホーンラビットの進化したジャッカロープ。

 アルミラージから正当進化したラビットコーン。


 ――――

 ラビットコーン

 レア度:☆☆☆

 固有スキル:角強化、硬質化

 個別スキル:囮、危険察知


 ウサギ系モンスター。

 アルミラージの進化。

 姿形はアルミラージとほぼ変わらないが、より角が強化されている。

 ――――


 各1体ずつしかいないが、コイツらなら星3以上のゴブリンとも対等に戦えると思う。


 次は蜂系。

 星3モンスターは殺人ワスプ、サイレントビー、スイートアピス、クイーンホーネットの4種。

 スイートアピスは戦闘能力はないので除外、クイーンホーネットはキラーホーネットを率いる役割があるので、上位種と戦うことはないだろう。

 なので候補は殺人ワスプとサイレントビーの2種だけか。


 ――――

 殺人ワスプ

 レア度:☆☆☆

 固有スキル:強マヒ攻撃、猛毒攻撃、石化攻撃、自己再生

 個別スキル:三位一体


 蜂系最強のモンスター。

 マヒを始め、毒や石化など、あらゆる状態異常で敵を無効化する。

 だが、状態異常を与えずとも、その強靭なアゴと針の攻撃を受けただけで致命傷なのは間違いない。

 自身の針を矢のように飛ばすことができ、離れていても油断ならない。

 ――――


 古参である3匹のキラーホーネットが進化した個体なのだが、ずっと3匹でいたからか、全員が三位一体というスキルを習得していた。

 3匹で行動していると、通常よりも能力が上昇するらしい。

 3匹は常に一緒に行動をさせたい。


 同じく星3のサイレントビーは……厳しいかもしれない。

 隠密性には長けているが、如何せん火力が足りない。

 マヒ攻撃も、キラービーより強力とはいえ、強マヒ攻撃ではないから、星4相手は厳しいと思う。

 サイレントビーはキラーホーネットと一緒にゴブリン退治の方だろうな。


 蜘蛛系はどうだろうか。


 星3はデスタランチュラとデスシックルだ。


 ――――

 デスタランチュラ

 レア度:☆☆☆

 固有スキル:万能毒、万能糸

 個別スキル:待ち伏せ、気配察知


 蜘蛛系モンスター。

 獲物が罠にかかるのを待つだけでなく、自ら狩りに行くようになる。

 ワイルドベアなど大物も狩るようになり、森の番人と呼ばれる。

 ――――


 ゲームなどでは毒の種類は毒と猛毒しかないが、実際の毒は様々な種類がある。

 生物でもサソリやヘビ、蜘蛛などで毒の種類は異なる。

 万能毒は毒と呼ばれる毒を全て兼ね揃えた毒。

 とはいっても、全ての毒を同時に発動させるわけでなく、その対象に最も効果がある毒を与えるらしい。


 ――――

 デスシックル

 レア度:☆☆☆

 固有スキル:鎌術、鎌強化、鋼糸、毒攻撃

 個別スキル:瞬発力強化、殺意の魔眼


 蜘蛛系モンスター。

 スモールシックルよりも更に斬撃に特化した蜘蛛モンスター。

 その強靭な鎌は鉄をも切り裂く。

 ――――


 スモールスパイダーから特殊進化でスモールシックルになり、そこから更に進化したデスシックル。

 蜘蛛の前足がまるでカマキリのように鋭い鎌になっている。

 おそらく物理攻撃――斬撃に関してはウチのモンスターで一番の攻撃力を有しているだろう。


 殺人ワスプ、デスタランチュラとデスシックルなど星3の昆虫系モンスターは、1mくらいの大きさになっている。

 脚や翅を広げられたら確実に俺より大きい。

 上位種ゴブリンとも互角以上に渡り合えるはずだ。


 残りの星3モンスターはどうだろうか?


 蟻系モンスター2種。

 硬さに定評のあるストーン・アント。

 攻撃に特化したアシッド・アント。


 一番の新人だが大活躍中のユニコーン。

 妖精に進化したピクシーとフェアリー。


 この3種に関しては心配する必要はない。

 きっと活躍してくれるだろう。


 最後の1種はデザートトード。


 ――――

 デザートトード

 レア度:☆☆☆

 固有スキル:跳躍、地中移動、水の素質、うるおいボディ

 個別スキル:粘液、命中補正


 カエル系モンスター。

 水ではなく地面に潜る珍しいカエル。

 水辺ではなく、砂漠に生息している。

 ――――


 正直、星2のアーストードと殆ど変わらない。

 生息地が森から砂漠に変わっただけだ。

 まぁより過酷な環境で生活することにより、スキルの量は増えている。

 砂漠でも干からびないようにってことなんだろうな。


 ……コイツだけではゴブリンの上位種は無理だろうな。

 星2止まりのワーム、トカゲと一緒に、前回同様、今回もお留守番だろう。

 そのうち残念トリオとなってしまいそうだ。


「個々の能力は決して劣ってないけど、数が足らないな」


 ウサギ4、蜂3、蜘蛛4、蟻2、馬1、妖精2。

 この内蜂は三位一体なので1、妖精も一緒のほうがいいだろう。

 そうなると総数12。敵は25。


「道中で星3モンスターをもっと量産させるか」


 ホブAの説明によると、ゴブリンの集落まではユニコーンでどれだけ急いでも、4日掛かるらしい。

 蜂や蜘蛛、ウサギなら量産が可能。

 妖精も……妖精を増やしていいのかな? ここは相談だな。


 古参とか言ってる場合じゃないもんな。


「いや、今は星3を増やすよりも、分解のスキルを使い込むべきだよ!」


 戦力アップよりも分解スキルを使い込む?

 そんな悠長なことをしている暇があるのか?

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