表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/449

第6話 カード化

 俺だけのオリジナルスキル【カード化】をナビ子から説明してもらう。


「ふふん。カード化のスキルはね。他の達成者のオリジナルスキルの中でも一番当たりだと思うよ」


 どうやら俺以外の条件達成者にもこのカード化以外のオリジナルスキルが貰えるらしい。

 ナビ子はそれらのスキルよりもカード化のスキルの方が当りだという。


「ちなみに他の人が貰えるスキルは?」


「それは教えられないよ。公平じゃなくなるからね」


 別に競っている訳じゃないから、公平さは関係ないと思うのだが……実は他のスキルの方が優秀だから言いたくないだけじゃないのか?


「じゃあシュートのカード化はね……なんと!! 選んだ対象をカードにしちゃうんだ!! これで持ち運びも便利だね!」


 ドヤ顔で言われても……やっぱり予想通りのスキルのようだ。

 これなら期待外れってレベルじゃないぞ。

 持ち運びだけならカードにする手間が省ける分、収納スキルの方が優秀な気がする。


「もちろんそれだけじゃないよ。カードにしたものは、解除すれば元通りまた使えるの!」


 いや、むしろ再利用できなかったらカードにするメリットがなくなる。


「しかもしかも! カードになっている間は自己修復機能付き。例えば剣が折れちゃってても、時間が経てば自然に元の剣に戻るんだよ!」


 おっそれは凄いな。

 ようやく収納よりも価値が上がった気がするぞ。


「それに……そこにある拳銃。使ってもカードにすれば、使った弾数も復活しちゃう」


「えっマジで!? じゃあこの銃使い放題じゃん」


 それなら一気に有用スキルになる。

 この拳銃にはこれからずっとお世話になると思う。

 そんな中、弾数を気にしなくてもいいのは非常にありがたい。


「ただ修復や弾の補充には時間が掛かるけどね。弾はひとつ補充するのに1時間。破損品は大小限らず元通りになるまで1日掛かっちゃうの」


 いわゆるクールタイムみたいなものだな。

 一発1時間はちょっと掛かり過ぎな気もするが、それくらいなら許容範囲だ。


「ふふん。驚くのはまだ早いよ。あのね、このスキル。実は何でもカード化できちゃうの!」


「それは大きさ的な意味か?」


 空間収納や収納鞄には容量があるからあまり大きな物は入らないってのがお約束だ。

 拳銃や食料、消耗品くらいなら、そこまで気にしないだろうが、そこにあるベッドとか……それ以上に大きな物でもサイズを気にせずにカードに出来るのならかなり便利だと思う。

 それに、本当に大きさに制限がないのなら、是非ともカードにしたいものがある。


「大きさもそうだけど……そうじゃなくて、スキルや魔法やモンスターなんかも全部カードにできちゃうの」


「はあっ!? 待て待て待て」


 今ナビ子はとんでもないこと言ったぞ。

 スキルに魔法……モンスターだって!?


 俺の反応が面白かったのか、ナビ子が更にノリノリになる。


「ふふん。そう、このカード化スキルはね。物だけじゃなく、何でもカードにすることが出来るのさ!!」


「なっ、なんだってえええ!!!」


 だから俺もナビ子に合わせて少し大袈裟に驚く。

 しかし、実際大げさでも何でもなく凄いスキルのような気がする。

 そして案の定俺の反応に、ナビ子の機嫌は更に良くなる。

 ……意外とチョロい子なのかもしれない。


「うんうん。ようやくシュートもこのスキルの価値が分かってきたようだね。このスキルは何でもカードにすることが出来る。そしてそのカードを使うことが出来る。つまり……自分が持っていないスキルや魔法を使ったり、モンスターを使役したり出来るってわけ」


 いやいやいや、それが事実ならとんでもないことになる。

 要するにスキルや魔法を手に入れれば、俺が覚えてなくても使い放題。

 モンスターをカードにすれば……日本でやっていたゲームみたいに、自分の代わりにモンスターを戦わせることだって可能だ。


 これはかなり使え……いや、まだ分からない。


「……ひとつ聞きたいんだが、そのスキルや魔法、モンスターって使い捨て?」


 もし仮に使い捨てなら、おいそれと使用できなくなる。


「スキルカードは装備と習得が選べるよ。カード状態で一枚だけ装備出来るんだけど、装備すればそのスキルが一時的に使えるの。習得はカードが無くなるけどスキルを覚えられる」


 カードは無くならないが、一枚しか使えない装備と、カードが無くなるけど覚えて自由に使える習得。

 もしスキルカードがダブったら、習得すれば強くなれそうだ。


「あっ、流石に一部のモンスターが所有しているような固有スキルは人間が使えないものもあるからね」


 固有スキルとは、例えば口から炎を吐くようなブレスのスキルや、無効化スキルが当てはまるらしい。


 確かに人間が口からブレスは吐けない。

 幽霊が物理無効スキルを持っていたとしても、人間だと肉体があるから無効化スキルは使えない。

 俺だって人間を辞めたくないから、それは構わない。


 人間として使える範囲でしかスキルは使用できないってことか。

 でも、そういうスキルは別のカードにしたモンスターに覚えさせることが出来るらしい。

 とりあえず、どんなスキルでも手に入れて損はないようだ。


「魔法カードは使用か習得。使用するとカードが無くなるけど、その人が魔法を使えなくてもその魔法が唱えられる。習得もカードが無くなるけど、その魔法が使い放題。だけどそもそも【魔の素養】系の魔法が使えるスキルを所持していないと覚えても使えない」


 魔法はどちらもカードを消費するのか。

 今の俺は魔法を習得しても、【魔の素養】がないから、使えない。

 魔法を使うにはカードを消費しなくちゃならない。

 もちろん使い捨てなら勿体なくて使えない。


 うん、俺が魔法を使うとしたら魔法が使えるスキルを覚えてから習得するべきだな。


「最後にモンスターカードだね。モンスターは自分の命令を忠実に聞いてくれるよ。そして……仮にモンスターが死んでも破損扱いになるだけだから、武器カードのように1日カード状態にしていれば元気になるよ」


 ……それが事実ならとんでもないことだ。

 要するにモンスターカードのモンスターは死なないってことになる。


 まだ具体的にどうやってカードにするか分からない。

 だけどカードさえ手に入れてしまえば……


「でもね、このスキルの本当にスゴいところはまだまだこんなものじゃないの」


「まだ何かあるのか?」


 現時点で既に十分すぎるほど凄いスキルだと実感しているのだが。


「このスキルの最大の特徴は、カードとカードを合成させて全く別のカードを作ることなのよ!!」


「か、カードの合成……だと?」


「どうやらまだピンときてないみたいね。いい? 例えば薬草のカードと水のカードを合成させると……どうなると思う?」


 その組み合わせ……ゲームでも良くあるが……


「まさかポーション……」


「そう。ポーションのカードが出来上がるの。もちろん【カード化】を解除すればポーションとして使うことも出来るわ。もちろんポーションだけじゃなく、武器や防具なんかも作れちゃうからね。色々素材を組み合わせれば、レアなアイテムが出来るかも知れないわね」


 色々な組み合わせで出来る新しいカード。

 そしてレアなアイテム……夢が広がるな。


「合成は【カード化】レベル2で使用可能になるよ。そしてレベルが上がればさらに出来ることも増えるから期待してね」


 レベル1でカードの使用、レベル2でカードの合成……どのスキルも最大レベルは10って言ってたな。

 うん、レベル3以降が楽しみで仕方がない。


「あっそうそう。シュートはまだ右下の引き出しを開けてないよね? ちょっと開けてみてよ。その中にシュートのスキルを最大限に活かす物が入ってるの」


 俺のスキルを最大限に活かす物?

 なんだろう……気になったので俺はナビ子の言う通り、机の右下の引き出しを開けてみた。

 そこには5冊の大きめの本……これが俺のスキルを活かす……


「それはカード図鑑。手に入れたカードをその本に登録するの。……コレクターの必須アイテムよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ