第44話 モンスターカード紹介
「じゃあスキルはこの辺りにして……そろそろモンスターの紹介をしようよ!」
魔法とスキルの紹介は終わった。
後は俺がスキルを使いこなすだけだ。
スキルを使いこなせるようになるのは、いつになるか分からない。
それよりもナビ子は早くカードモンスターがどうなったか知りたいらしい。
「分かった分かった。じゃあ……とりあえずモンスターリストを表示するから」
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ウサギ系モンスター
レア度:☆
・ホーンラビット
レア度:☆☆
・アルミラージ×3
・ツインホーンラビット×2
・ビッグラビット×2
レア度:☆☆☆
・マジックラビット×1
・ラビットコーン×1
・ジャッカロープ×1
・ヒュージラビット×1
蜂系モンスター
レア度:☆
・キラービー
レア度:☆☆
・キラーホーネット×10
・ハニービー×2
・クイーンビー×1
レア度:☆☆☆
・殺人ワスプ×3
・サイレントビー×3
・スイートアピス×1
・クイーンホーネット×1
蜘蛛系モンスター
レア度:☆
・スモールスパイダー
レア度:☆☆
・ポイズンスパイダー×10
・スモールシックル×2
レア度:☆☆☆
・デスタランチュラ×3
・デスシックル×1
ミミズ系モンスター
レア度:☆
・スモールワーム×0
レア度:☆☆
・グランドワーム×1
・ハードワーム×1
・ブラッドワーム×1
カエル系モンスター
レア度:☆☆
・アーストード×0
レア度:☆☆☆
・デザートトード×1
リス系モンスター
レア度:☆
・リコリス×0
・チコリス×0
・クコリス×0
レア度:☆☆
・大リコリス×1
・大チコリス×1
・大クコリス×1
蝶系モンスター
レア度:☆
・幻惑蝶
・夜光蝶
レア度:☆☆
・フェアリーバタフライ×4
・ルナバタフライ×1
蟻系モンスター
レア度:☆
・キラーアント
レア度:☆☆
・ラージ・アント×10
・クイーンアント×1
レア度:☆☆☆
・ストーン・アント×1
・アシッド・アント×1
トカゲ系モンスター
レア度:☆
・スモッグリザード×0
レア度:☆☆
・ファイアリザード×1
・ポイズンリザード×1
イノシシ系モンスター
レア度:☆
・ワイルドボア×0
レア度:☆☆
・レッドボア×1
ゴブリン系モンスター
レア度:☆
・ゴブリン
レア度:☆☆
・ホブゴブリン×0
・ゴブリナ×0
レア度:☆☆☆
・レッドキャップ×1
・ゴブリンソルジャー×1
・ゴブリンアーチャー×1
・ゴブリンガード×1
・ゴブリンメイジ×6
・ゴブリンシャーマン×1
・ゴブリンウィッチ×1
鹿系モンスター
レア度:☆
・ワイルドディア×1
植物系モンスター
レア度:☆
・マンドレイク×1
・トレント×1
蛇系モンスター
レア度:☆
・ツインヘッドスネーク×1
鳥系モンスター
レア度:☆☆
・ダークネスアウル×1
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「……ちょっとシュート。色々と聞きたいことがあるんだけど」
ナビ子が頭を抱えながら言った。
「何だ? 数字はカードの枚数だぞ?」
数字がないのは数が多かったり、まだ魔石がたくさんあるモンスターだ。
本当はまだまだ星3も作れるんだが……古参とか、序列とか面倒なので各最高ランクは1枚に固定した。
あっ蜂と蜘蛛は最初から3匹だったので3匹固定、
それからゴブリンメイジは各属性の数だけ。
あっ雷はどうせ使えないだろうから、後回しにしている。
「いや、アタイが言いたいのは数じゃないんだけど……」
まぁ何となく言わんとしたいことは分かる。
ナビ子は大きく深呼吸をし……
「何でこんなことになってんのよおおお!!!」
そう叫んだ。
「まぁまぁ落ち着けって。実はナビ子が思っているよりも、変化はしてないんだ」
「……本当?」
「ああ。よく見てみろ……新しい種族のモンスターは鹿、蛇、植物、鳥の4種だけ。既存の種族も……殆どが古参が更に進化しただけだ」
「いやいや!? ビッグラビットとかハニービーとかいなかったよね? それにゴブリンがすっごく種類が増えてるし!」
「ああ……ゴブリンね。やっぱり人型だけあって色々と種類が豊富らしい」
ホブゴブリンから戦士系のソルジャー、防御系のガード、魔法系でメイジとシャーマン。
「ちなみにホブAはゴブリンソルジャーに進化したぞ。だけど……ホブAもなんかわがまま言い出して、名前はホブAのままがいいらしいんだよ」
まぁソルAとかも変な名前だから、本人が希望するならそれでいいけどさ。
「ホブAがだんだんラビットA化してるね」
本当にそのとおりだ。
なにか理由があるのかな?
「そういえばゴブリナの進化はどうなったの?」
「ゴブリナからの進化はゴブリンウィッチだ。進化するとナからンに戻っちゃったんだよ」
まぁホブゴブリンだってホブゴブリンソルジャーじゃなくて、ゴブリンソルジャーだし、星3のゴブリンは種族としての表記っぽい。
それにウィッチが魔女って意味だから、ゴブリナウィッチじゃ女ゴブリン魔女って女が二重表現になっちゃう……とか、そんな感じなんだろうな。
「それからゴブリンのメスは現状このウィッチだけだ。本当はもっとゴブリナを量産したいんだけど……ゴブリンの時点で見分けがつかないから、ゴブリナにならないんだ」
結局最初に生まれたゴブリナ以外、ゴブリナが生まれていない。
というか、メスがいると思うと怖くてホブゴブリンにすらしていない。
ゴブリナが量産できれば、ゴブリナの進化先も確かめられるんだが……ゴブリナもホブゴブリンと同じだけの種類があるんだろうか?
「ゴブリンの性別がわからない? そんなのゴブリンにメスかオスか直接聞けばいいじゃない。オスは右に、メスは左に分かれろ~ってさ」
「っ!? ナビ子……お前、本当に頭いいな」
そうだよな。
考えたら直接聞けばよかったんだ。
あとで確かめてみよう。
「ゴブリンメイジとシャーマン、ゴブリンウィッチが魔法を使えるんだ。お陰でラビットAの負担がずいぶん減ったんだ」
まぁ相変わらず、ばたんきゅーするまでは酷使しちゃってるけど。
「ウサギの星3は4種類いるみたいだけど、ラビットAは何に進化したの? ……まぁ予想は付くけどね」
「多分その予想通りだ。とりあえず……ラビットAを呼び出すか」
俺は休んでいたラビットAを呼び出す。
「きゅきゅ!!」
呼び出すとラビットAは元気よく鳴く、
どうやら完全復活したようだ。
――――
マジックラビット
レア度:☆☆☆
固有スキル:魔の素質、角強化
個別スキル:危険察知、嗅覚、貯蔵庫、同族キラー
アルミラージの特別変異体。
魔法を使うことが出来る。
ただでさえ凶暴なアルミラージが魔法まで使うから、もう手がつけられない。
――――
ラビットAとアルミラージで出来た特殊個体。
体の大きさはアルミラージと同じだが、色が薄いピンクから濃いピンクへと変わっている。
また、引き続き魔法も使えるが、個別スキルの魔の素養から、固有スキルの魔の素質へ変化している。
ちなみに他のアルミラージは魔の素養を覚えている個体はいなかった。
そのため、ラビットA以外でアルミラージの合成を行ったら、角が更に強化されたラビットコーンへと進化した。
やはりラビットAが魔の素養を覚えれたのは本人の実力か……ものすごく幸運だったかのどちらかだろう。
「ああ……ラビットA……こんなに変わって……アタイがいなかった間、シュートに苛められなかった?」
「きゅきゅぴきゅい!」
何て言ってるか分からないが、俺に対して抗議していることは分かる。
「そぅ。やっぱりシュートは酷いヤツね」
ナビ子のやつ……さも分かった振りしてるけど、ナビ子もラビットAの言葉はわからないはず。
きっと適当に返事をしているだけだ。
「ラビットAにはちゃんとお土産でニンジンを持ってきてるからね。後でシュートに思いっきりねだりなさい」
「きゅん!」
ラビットAが嬉しそうにナビ子にすり寄る。
……ちょっと羨ましい。
「それでさ。進化はしたんだけど、個別スキルの貯蔵庫と同族キラーが分からなくてさ。ナビ子は知ってる?」
同族キラーとか……不穏すぎてデメリットなイメージしかない。
「同族キラー……っていうか、キラー系スキルは特効スキルだよ。例えばドラゴンキラーとか、ゴブリンキラーとかね。今回の場合は、自分と同じ種族に対して強くなれるの。……ラビットAにはあまり必要ないスキルかな」
……確かに。
ラビットAよりも強いウサギがいるとは思えないから、特効がついても意味がない。
まぁデメリットじゃなくて良かった。
貯蔵庫は、自分の体内の魔力や体力などのあらゆるエネルギーを別の場所に蓄えるスキルらしい。
魔力や体力はHPやMPのように数値化は出来ないけど、ちゃんと最大値はある。
体力や魔力は自然回復するが、満タン状態の時はもちろん回復しない。
そこでこの貯蔵庫スキルを使えば、別の場所に蓄えることが出来る。
要するに魔力回復ポーションを準備しているようなものだ。
もちろん魔力や体力だけではなく、他にも……食事などもため込むことができるらしい。
余裕があるときに大量に摂取して貯蔵庫へ保管。
お腹が空いたときに貯蔵庫から持ってくると、空腹感がなくなり、エネルギーに変換されるらしい。
「……このスキル。俺が欲しいな」
冒険中――たとえばダンジョンの中などは、落ち着いて食事を摂ることは出来ないかもしれない。
そんな時に空腹感がなくなれば、かなり便利だろう。
もちろん食事だけじゃなく魔力も……多分いくらでも使い道があるだろうな。
「でも……このスキルにはデメリットもあるからね」
「デメリット?」
「うん。貯蔵庫のスペースを体内に作らなくちゃいけないから……もしシュートが取得しちゃったら、元の体見たく、お腹がぽっこりしちゃうかもね」
……それは絶対に嫌だ。
「ってことは……ラビットAもデブっちゃうの!?」
「きゅぴえ!?」
ラビットAはいやいやと首を振る。
そっか……ウサギもそういう感情は持っているのか。
……でも、もしラビットAがデブっちゃったら……フカフカして気持ちよさそう。
「多分ラビットAは大丈夫だよ。その立派な角。そこが貯蔵庫になるはずだからね」
「きゅふぅ」
良かったと安堵するラビットA……少し残念だな。
「じゃあラビットAは余裕があれば魔力を蓄えるように」
「きゅみ~」
ラビットAは微妙な表情で俺を見る。
その目が『どうせ魔力が溜まる前に使い込むくせに……』と言っているように思えてならない。
「そんなに心配しなくても、こんなに魔力を消費するのは今だけだよ。山を下りたら……何があるか分からんからな」
山を下りたらどんな危険が待っているか分からない。
いきなり強い野生モンスターが現れるかもしれないし……この世界の人間が友好的かどうかも分からないもんな。
魔力の使いすぎで倒れている場合ではない。
「それよりも……予定の1週間まであと2日になっちゃったけど……ナビ子も帰ってきたし、ラビットAも外で活動してきていいぞ」
「きゅきゅっ!」
俺がそういうと、ラビットAは慌てて出て行った。
よほど外に出たかったのか。
まぁ結局5日間ずっと俺に付きっきりだったもんな。
「シュート……あんまりラビットAを縛り付けちゃ駄目だよ」
「いや、今回はナビ子がいなかったからで……普段はしないよ」
「あ~! そうやってすぐにアタイのせいにするんだから!」
ナビ子のせいというか……寂しかっただけなのだが……本当のことを言えば絶対にからかわれるので、俺は笑って誤魔化した。




