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第51話 察知・探知・感知

 鈴風からスキルの能力を聞いたけど、図鑑登録も兼ねて許可をもらって一応ハイアナライズも試してみたところ、当然ながら鈴風の説明通りの能力が表示されるだけ。


 しかしながら、俺の予想とは違う点がひとつ。

 疾風迅雷のレア度が星5で……武芸百般のスキルも星5。


 今までは俺のカード化からカードマスターに進化で星6。

 エイジは改造から改造マスターで星6。

 だからてっきり鈴風も武芸百般が星6だと思ったのに。

 鈴風の言うとおり、武芸百般はたまたま覚えただけで疾風迅雷とは関係ない?

 もしかして別に疾風迅雷マスターみたいスキルが存在する?

 そうだよな。俺とエイジは元のスキルのマスターで別のスキルに変化したわけじゃないもんな。

 ならどうやって疾風迅雷マスターが習得できるのか?


 う~ん。考えてみてもサッパリ分からん。

 まっ俺は図鑑登録さえできればそれでいい。

 スキルの考察やらはスキル研究者のアザレアの役目。

 良い会話のネタが出来たと思っておこう。


 と、俺が鈴風のスキル考察をしている間、ナビ子たちは鈴風と雑談していた。


「あのねあのね。この旅が終わったら、ライラネートで水族館作るんだ」

「ねー」


 ……こいつら、まだ水族館を作るつもりだったのか。


「ほぅ。水族館ですか。いいですね、わたくしも水族館は好きです」


 聞いてた鈴風はまさかの好意的な印象。


「わたくしが好きな施設に水深51メートルに建てられた海洋テーマパークがあるのですが」

「んん? アタイのデータには、そんな施設は見つからないよ?」

「きゅらなーい」


 う~ん。俺も知らないなぁ。

 というか、日本でそんな水深にテーマパークとか作れる技術があるのか?


「そこで事故があり、若い男女が閉じ込められ……」


 あっこれフィクションの話だ。

 真面目に聞こうとして損した。


「ねーねー。それでそれで」

「どーなるのー!?」


 だがその話にナビ子とラビットAが食いつく。

 まだ会話は終わらなそうだし……そうだ。

 今の間にジェット君に加速スキルを覚えさせよう。

 鈴風のジャックには負けられないからな。


 ついでにセレンに頼まれた察知スキルも覚えさせるか。

 気配察知のスキルは野生のモンスターが結構覚えているので、在庫はある。

 それをそのまま覚えさせてもいいのだが……はたして覚えさせるのは気配察知でいいものか。

 気配を感じる系のスキルって気配察知以外も結構あるもんなぁ。


 大きな分類で分けると察知系スキルと探知系スキルと感知系スキルの三種類。


 察知系スキルはパッシブスキルで自動的に発動するスキル。

 探知系スキルはアクティブスキルで任意で発動させるスキル。

 感知系スキルは両方の性能を併せ持つスキル。


 察知系の代表としては気配察知や危険察知。

 気配察知は範囲内の生き物の気配が何となく分かるスキル。

 危険察知は殺意とか罠とか身近な危険を感じるスキル。

 他にも邪気配察知など特定の属性にのみ反応するものもある。


 探知系の代表は気配探知や魔力探知など。

 探知系は任意で発動させないといけないので、察知系よりも使い勝手が悪そうに思えるが、その分性能は察知よりも上。

 気配探知は気配察知よりも、方向、距離、数などより性格に分かる上、隠密などで隠れている気配を見つけることも可能。

 魔力探知になると生物だけではなく、魔力を帯びた物にも反応する。

 逆に生物か物かの判断は難しくなるけど。


 ちなみにナビ子が取得しているのは〇〇探知が合体した上位スキルの探知。


 実はナビ子は以前は気配察知を持っていて、それを電子妖精の情報処理能力でデータ化することにより強化版気配察知を取得していた。

 それがいつの間にか探知になっていたと。

 おそらく、なんちゃって妖精になった時だろう。

 電子妖精の頃から言っていたが、強化版気配察知は人が多い場所だと情報量が半端ないらしいし、負荷を考えて常時発動から任意発動の探知へと変化したのかもしれない。

 だからさっきも発動が遅れてラビットAに負けたんだろう。


 そのラビットAが持っているのが第六感。

 直感とか嗅覚とか虫の知らせとか感覚的なスキルで感知系とか直感系とか呼ばれている。

 鈴風の精神統一もこのジャンルになるだろう。

 ピンチにとっさに反応するパッシブ型の性能とあっちが怪しいなどと勘を働かせるアクティブ型の両方を兼ね揃えたタイプだが、あくまで感覚的なもので、正確さには欠ける。

 まぁラビットAの第六感レベルになると殆ど間違いはないのだが。

 というか、それに千里眼で確認ができるラビットAは本当にチートだと思う。


 ってことで、どれも一長一短。

 自動的に見つけてくれる察知スキルか。

 正確さを重視した探知スキルか。

 両方の能力を持つが正確さに欠ける感知スキルか。


 悩んだ末、俺は感知スキルを覚えさせることにした。

 真っ先に外したのは探知系。

 正確ではあるものの、パッシブではない探知系は安全性に欠ける。

 次に察知系は……情報過多に陥る可能性がある。

 もちろん気配察知や危険察知レベルではそれもないだろうが、安全性を求めるなら気配だけや危険だけよりも両方の性質を持った上位スキルのほうがいい。

 ただ上位スキルになると情報が多すぎて情報過多になると。

 ってことで感知系スキルにした。

 流石に直感とか下位の感知スキルは微妙だけど、上位の感知スキルならデメリットの正確さに不安があるってもの解消される。

 実際に第六感が外れたことはないし。


 そしてその第六感のレシピはすでに持っている。

 星3以上察知系スキル×星3以上直感系スキルと比較的簡単に作ることが可能だ。

 ……そういえばこれに星3の探知系スキルを入れたらどうなるだろう?

 ってことで、せっかくだから試してみることにする。

 駄目だったら第六感を覚えさせればいいだけだし。


 ――――

 超感覚

 レベル:1

 レア度:☆☆☆☆☆


 五感を超える超感覚を得る。

 レベル1:超直感

 レベル2:未開放(超直感100回発動)

 ――――


 ……なにか違うものが出来た気がする。

 五感を超える感覚ってなんだよ!?

 第六感とは違うの?

 というか星4の第六感よりもレア度が高いし……。

 一応レベル1の能力が超直感だから感知系だとは思うが。


「セレン。覚えてみる? 嫌なら第六感か気配察知か危険察知でいいけど」

「覚えさせて頂けるのであれば喜んで」


 まぁ星5のスキルだから悪い効果はないはず。

 俺はカード複製で複製してからセレンに超感覚を使う。

 ついでにリコたちとジャック君にも覚えさせる。

 あっジャック君には加速もね。

 あとはコールだけど……コールはラビットAと一緒にいるから、今度にしよう。

 あの中に混じりたくはないしね。


「そういうわけで次元を超えた視点の話でした」

「きゅぴ!? なにそれ。神様みたー!」

「……アタイはモニターの外にいる創造主を思い浮かべたわ」


 いや、マジでなんの話をしてるの!?

 ……さっきまで水族館がどうのとか言ってたのに。

 それがどうすれば次元とか神様とか創造主とかの話になるんだ?

 というか、ナビ子の場合は創造主って運営のことだよな。

 俺が出逢った運営男はアイビーの創造主だったからナビ子の創造主は別の運営なんだろうが……ちょっと気になる。


「さて、どうやらシュートの方も終わったようですし、そろそろ休憩も終わりにしませんか?」

「あっ本当だ」

「きゅート。遅い!」


 えええ……なんで俺待ちみたいな雰囲気になってるの?

 むしろ俺がお前らの変な話が終わるのを待っていたんだぞ。

 まぁ別に出発するのに異論はないけどさ。


「きゅい! じゃー魔法かけ直す!」


 ラビットAが全員にテキトーオーとライファスキンの魔法をかけ直す。

 まだ切れるまで時間はあったけど、余裕がある時に延長したほうがいい。


「それじゃあ海洋テーマパークのために、もっともっと色んなモンスターを捕まえましょう!」

「きゅい! 頑張る!」

「わたくしは大型モンスターと戦いたいです」


 ……水族館じゃなくて海洋テーマパークになってるし。

 鈴風に何を吹き込まれたか知らんが……ライラネートに海はないから、どうあがいても海洋テーマパークは作れないからな?

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